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5 美月の朝
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5 美月の朝
ヤングケアラー美月の朝は早い。
1階と2階の戸を開け、仏壇へ行ってお茶や水,そして、花の水交換をする。お母さんが元気な時は、美月は起きて朝ご飯を食べるだけだった。
時間が限られているので、何かやりながら、次にすることを考えている。だから、時々、小さな怪我をするのだ。すべてを自分で抱えているのだ。
朝食の準備と自分のお弁当作りをする。豆腐を手に持ち、包丁で縦と横にマス目を入れるように切って湯を沸かした鍋に入れる。そして、油揚げを細く切って入れる。出汁と溶かして味噌を入れて味噌汁の完成だ。
今日は、目玉焼きを焼いて,冷蔵庫にあるビンに入っているのりなどを出して並べる。炊飯ジャーは,昨日のうちにスイッチを入れてあるので、すぐに茶碗によそることはできる。これで,最低限の準備がOKだ。
次に弟,妹を起こしに行く,これもなかなか大変だった。最初、ぐずって起きない時もあったけど,お母さんが病気になってからは,自分のことは自分でやるようになり,案外一声で起きてくれる。
「お姉ちゃん,今日,何着ていくの?」
そうだ,今日の二人の服をお風呂上がりに布団の前に準備しておくのを忘れた。急いで二人の着替えを持ってくると,
「これ,いや! あっちがいい・・・・・・・・・」
困った美月は,本人を連れて行ってさっさと決めさせた。
二人が食事を食べ始めると,お母さんの所に食事と薬,そして、昼食も持っていく。お母さんと簡単に話を済ませると,二人の保育園準備だ。出かける頃になると,あれこれ二人は言い出す、でも、美月はてきぱきと対応する。そうしないと、自分が学校に遅れてしまうのだ。日常の中では、弟と妹を優先するので、どうしても美月は自分のことは後になってしまう。
二人の準備が終わったので台所で待たせて,自分の準備をする。今日は,授業準備と部活の体操部用の練習着るピンクのレオタードとスパッツを着て、その上に制服を着る。学校に着いてすぐに脱いで練習をするためだ。ぎりぎりの時間で急いで二人の保育園バスがやってくる時間に間に合わせる。二人を連れて集合場所で待つ,時間通りに来たので,美月も学校へと向かった。
(負けない! 私は,学校と家事、介護を両立してみせる! お母さんのためにも!)
スマホにメールがきた,翔からだ。
(今日は,学校に来られそうかな,学校で会えるのを楽しみにしているよ,でも,回りにみんながいるから,気軽に話しかけたら迷惑だよね,ちょっと,離れた所から見守っているよ~)
美月は,メールをしている翔を想像してクスクス笑った。前を向いて,学校への足取りが軽くなったような気がする。
ヤングケアラー美月の朝は早い。
1階と2階の戸を開け、仏壇へ行ってお茶や水,そして、花の水交換をする。お母さんが元気な時は、美月は起きて朝ご飯を食べるだけだった。
時間が限られているので、何かやりながら、次にすることを考えている。だから、時々、小さな怪我をするのだ。すべてを自分で抱えているのだ。
朝食の準備と自分のお弁当作りをする。豆腐を手に持ち、包丁で縦と横にマス目を入れるように切って湯を沸かした鍋に入れる。そして、油揚げを細く切って入れる。出汁と溶かして味噌を入れて味噌汁の完成だ。
今日は、目玉焼きを焼いて,冷蔵庫にあるビンに入っているのりなどを出して並べる。炊飯ジャーは,昨日のうちにスイッチを入れてあるので、すぐに茶碗によそることはできる。これで,最低限の準備がOKだ。
次に弟,妹を起こしに行く,これもなかなか大変だった。最初、ぐずって起きない時もあったけど,お母さんが病気になってからは,自分のことは自分でやるようになり,案外一声で起きてくれる。
「お姉ちゃん,今日,何着ていくの?」
そうだ,今日の二人の服をお風呂上がりに布団の前に準備しておくのを忘れた。急いで二人の着替えを持ってくると,
「これ,いや! あっちがいい・・・・・・・・・」
困った美月は,本人を連れて行ってさっさと決めさせた。
二人が食事を食べ始めると,お母さんの所に食事と薬,そして、昼食も持っていく。お母さんと簡単に話を済ませると,二人の保育園準備だ。出かける頃になると,あれこれ二人は言い出す、でも、美月はてきぱきと対応する。そうしないと、自分が学校に遅れてしまうのだ。日常の中では、弟と妹を優先するので、どうしても美月は自分のことは後になってしまう。
二人の準備が終わったので台所で待たせて,自分の準備をする。今日は,授業準備と部活の体操部用の練習着るピンクのレオタードとスパッツを着て、その上に制服を着る。学校に着いてすぐに脱いで練習をするためだ。ぎりぎりの時間で急いで二人の保育園バスがやってくる時間に間に合わせる。二人を連れて集合場所で待つ,時間通りに来たので,美月も学校へと向かった。
(負けない! 私は,学校と家事、介護を両立してみせる! お母さんのためにも!)
スマホにメールがきた,翔からだ。
(今日は,学校に来られそうかな,学校で会えるのを楽しみにしているよ,でも,回りにみんながいるから,気軽に話しかけたら迷惑だよね,ちょっと,離れた所から見守っているよ~)
美月は,メールをしている翔を想像してクスクス笑った。前を向いて,学校への足取りが軽くなったような気がする。
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