『また君に会える時を』


 ……どこまでも続く、大草原。
 ──僕は誰だ?
 その自問を繰り返しながら、僕はただひたすら前へと進む。
 どういうわけなのか、僕は何も覚えていなかった。……僕は記憶を失っていた。
 いったい、ここはどこなのか?
 僕はいったい誰なんだ?
 いくら歩いても果ての見えないこの草原と同じように、僕の記憶世界にもただ無限の闇が広がっていた。
 そこには、何もない。
 僕は誰なのか。何度心の中で自問してみても、答えは見つからない。
 一条の光さえも射す気配はない。
 時ばかりが無為に過ぎてゆく……。
 ……まったく何も思い出せなかった。
 自分の名前さえ分からないまま、僕は広大な世界を彷徨い歩く。

(──以上、本文より抜粋)

 素直に考えるならば、この作品はファンタジーということになるのでしょうが、書いた当人がファンタジーというものを意識(志向)して執筆した物語ではないので……迷った末、「児童書・童話」に登録しました(大枠ではライト文芸にも当てはまると思うのですが、別サイトのジャンル登録との兼ね合い上、そちらに合わせてこちらも児童向けのところに)。

(現在、本作品は「アルファポリス」と「小説家になろう」にて掲載しています。)
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