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皆に祝福され、私とジルフィード様は結婚式を挙げた。
披露宴は、コンバット侯爵家で行われ、王太子殿下や宰相閣下も出席してくれている。
ジルフィード様は嫌がっているが、優秀なので次期宰相候補なのだとか。
「あー、もう何であんな男にお姉様を取られなきゃいけないのよぉー!お兄様がお姉様と結婚してくれれば、お姉様がモルク伯爵家から出て行く事が無かったのに。もうヘタレ!!あんなのにお姉様を奪われてっ!」
「ヘタレと言うなっ。俺はお前と違ってソフィアは妹として可愛がってきたんだ。それに俺には婚約者のキャロルが居る。俺はキャロルを愛しているんだよ。お前もいい加減にソフィアの事は諦めて縁談を受けろ!俺が当主になったら速攻出ていって貰うからなっ!!」
「うわぁー、酷い兄だわぁー。あーこの国が同性婚を認めてくれれば、私がお姉様と結婚したのに、ねえお姉様、今から国王陛下に同性婚を認める様に直訴しに行きましょうよぉー!それが駄目なら2人で逃避行♪」
「行かせないし、ソフィアを誰にも渡す気はないよ。もうソフィアは、私の妻だ。いい加減諦めろ。」
「あー、もう腹立つぅー!!あんなにお姉様と婚約解消してと頼んだのに突っぱねて、本当に嫌な男ね!貴方よりも私の方がお姉様を幸せに出来るのにっ!」
昨日の家族揃っての最後の夕食で、私はモルク伯爵夫妻の実の子ではないと告げられた。
私の実の親は、男爵家嫡男とお母様の双子の妹だった。
私が4歳の時に家族で馬車の事故に合い、奇跡的に私だけが生き残ったのだという。
しかし頭を打ったからなのか、事故のショックからなのか、目覚めた私は全ての記憶がなかった。
男爵家の次男は、素行も評判も悪く家督を継いでも没落が目に見えていた。事実、その後没落したそうだ。
姪を不憫に思ったモルク伯爵家が引き取る事にしたのだと教えてくれた。
毎年、必ず命日にはお母様と共に叔父様と叔母様の墓参りに連れて行かれたのは、そう言う訳だったのだ。
そして驚くべき事に、アリアナから愛の告白をされた。
私以外は知っていた様で愛の告白をアリアナがしても驚かないし、本当に告白したよ…と呆れていた。
ジルフィード様の誕生日パーティーで自分が婚約者に選ばれ様としたのは、単に私を渡したくなかったから。
アリアナが選ばれたら、結婚までにジルフィード様に嫌われる様に仕向けて婚約破棄されるのを狙っていたらしい。
お茶会で2人になるとジルフィード様に「お姉様と早く婚約解消して!お姉様を私に返して!」と言っていたとか…。
全てが私の勘違い。
「ごめんね、アリアナ。」
「何がです?えっ?もしかして、私はお姉様に振られたとか!?え?えぇーお姉様、泣かないで下さい。分かりました、分かりましたから。大好きなお姉様が幸せになるなら、こーんな男でも認めてあげます。良いですかジルフィード様っ!!お姉様を泣かせたりしたならば、直ぐにでもモルク伯爵家に連れ戻しますからねっ!!お姉様、どうか幸せになって下さいね。」
私はアリアナを抱き締めた。
アリアナも私をギュと抱き締めた。
「もうそろそろ良いんではないか?」と言ってジルフィード様に引き剥がされるまで抱き締め合って泣いていた。
剥がされた事でアリアナは、舌打ちしていたが直ぐに笑顔になった。
今度の命日にはジルフィード様と一緒に墓参りに行こう。
「私を助けてくれたのは、お母様ですよね。私、今とても幸せです。神様にお願いして巻き戻らせてくれてありがとう。」と感謝の気持ちを伝えよう。
「ジルフィード様、私と結婚してくれて、ありがとうございます。貴方と結婚出来て幸せです。」
「僕の方こそ愛するソフィアと結婚が出来て幸せだ。ソフィア、愛しているよ。」
ジルフィード様は、ソフィアをそっと抱き締め口付けをした。
End
最後まで読んで頂き ありがとうございます。
披露宴は、コンバット侯爵家で行われ、王太子殿下や宰相閣下も出席してくれている。
ジルフィード様は嫌がっているが、優秀なので次期宰相候補なのだとか。
「あー、もう何であんな男にお姉様を取られなきゃいけないのよぉー!お兄様がお姉様と結婚してくれれば、お姉様がモルク伯爵家から出て行く事が無かったのに。もうヘタレ!!あんなのにお姉様を奪われてっ!」
「ヘタレと言うなっ。俺はお前と違ってソフィアは妹として可愛がってきたんだ。それに俺には婚約者のキャロルが居る。俺はキャロルを愛しているんだよ。お前もいい加減にソフィアの事は諦めて縁談を受けろ!俺が当主になったら速攻出ていって貰うからなっ!!」
「うわぁー、酷い兄だわぁー。あーこの国が同性婚を認めてくれれば、私がお姉様と結婚したのに、ねえお姉様、今から国王陛下に同性婚を認める様に直訴しに行きましょうよぉー!それが駄目なら2人で逃避行♪」
「行かせないし、ソフィアを誰にも渡す気はないよ。もうソフィアは、私の妻だ。いい加減諦めろ。」
「あー、もう腹立つぅー!!あんなにお姉様と婚約解消してと頼んだのに突っぱねて、本当に嫌な男ね!貴方よりも私の方がお姉様を幸せに出来るのにっ!」
昨日の家族揃っての最後の夕食で、私はモルク伯爵夫妻の実の子ではないと告げられた。
私の実の親は、男爵家嫡男とお母様の双子の妹だった。
私が4歳の時に家族で馬車の事故に合い、奇跡的に私だけが生き残ったのだという。
しかし頭を打ったからなのか、事故のショックからなのか、目覚めた私は全ての記憶がなかった。
男爵家の次男は、素行も評判も悪く家督を継いでも没落が目に見えていた。事実、その後没落したそうだ。
姪を不憫に思ったモルク伯爵家が引き取る事にしたのだと教えてくれた。
毎年、必ず命日にはお母様と共に叔父様と叔母様の墓参りに連れて行かれたのは、そう言う訳だったのだ。
そして驚くべき事に、アリアナから愛の告白をされた。
私以外は知っていた様で愛の告白をアリアナがしても驚かないし、本当に告白したよ…と呆れていた。
ジルフィード様の誕生日パーティーで自分が婚約者に選ばれ様としたのは、単に私を渡したくなかったから。
アリアナが選ばれたら、結婚までにジルフィード様に嫌われる様に仕向けて婚約破棄されるのを狙っていたらしい。
お茶会で2人になるとジルフィード様に「お姉様と早く婚約解消して!お姉様を私に返して!」と言っていたとか…。
全てが私の勘違い。
「ごめんね、アリアナ。」
「何がです?えっ?もしかして、私はお姉様に振られたとか!?え?えぇーお姉様、泣かないで下さい。分かりました、分かりましたから。大好きなお姉様が幸せになるなら、こーんな男でも認めてあげます。良いですかジルフィード様っ!!お姉様を泣かせたりしたならば、直ぐにでもモルク伯爵家に連れ戻しますからねっ!!お姉様、どうか幸せになって下さいね。」
私はアリアナを抱き締めた。
アリアナも私をギュと抱き締めた。
「もうそろそろ良いんではないか?」と言ってジルフィード様に引き剥がされるまで抱き締め合って泣いていた。
剥がされた事でアリアナは、舌打ちしていたが直ぐに笑顔になった。
今度の命日にはジルフィード様と一緒に墓参りに行こう。
「私を助けてくれたのは、お母様ですよね。私、今とても幸せです。神様にお願いして巻き戻らせてくれてありがとう。」と感謝の気持ちを伝えよう。
「ジルフィード様、私と結婚してくれて、ありがとうございます。貴方と結婚出来て幸せです。」
「僕の方こそ愛するソフィアと結婚が出来て幸せだ。ソフィア、愛しているよ。」
ジルフィード様は、ソフィアをそっと抱き締め口付けをした。
End
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