終末異世界の巡礼者~「私を殺して」と願う不死身の女吸血鬼と異世界から帰還したい男の冒険譚~
俺は、元の世界へ帰りたい。
異世界エレボスに流れ着いた少年トキは、帰還の手掛かりを求めて、終末を迎えつつある大陸を旅していた。
そこで出会ったのは、三百年を生きる吸血鬼の女――セツナ。
彼女の願いは、俺とは正反対だった。
「私を、終わらせてください」
死ぬことのできない彼女は、長すぎた生を終わらせる方法を探していた。
そして俺の持つ「肉木変生」という力が、彼女を終わらせる唯一の可能性かもしれないという。
一方で、三百年を生きるセツナは、この世界について俺の知らないことを知っている。
帰りたい俺と、終わりたい彼女。
互いの目的のため、俺たちは契約を結んだ。
――俺が元の世界へ帰るまで、二人で旅をする。
怪物、崩壊した街、古代文明の遺産。
終わりへ向かう世界を巡りながら、俺たちはまだ知らない。
「帰る」ということが、本当に何を意味するのかを。
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