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シャーロットの危機
しおりを挟む「お前は私の妻だ!! ダルダナートが心配ではないのか!? 私とお前の街だぞ!?」
「ダルダナートは、領主であるルーク様の街です。私は関係ありません。こんな所にいてもいいのですか? 街を守るのは、ルーク様の務めです!」
「シャーロット……頼む……助けてくれ! お前がいないと、私は終わりだ!」
「……ルーク様、私はもう、戻りません。どうか、お元気で。」
その瞬間、ルークは豹変した!
「この私が、これほど頼んでいるのに、お前は何様だ!? おい! シャーロットを馬車に乗せろ!」
控えていた兵が、シャーロットを取り囲み、腕を掴んだその瞬間……
「シャーロット様に、汚い手で触るな!!」
ロベルトが送った兵士から、ルークがシャーロットを追っていることを知らされたトーマスは、急いで戻って来ていた。
「トーマス!!」
「なんだ。誰かと思ったら、消えた使用人ではないか。お前はずっと、シャーロットが好きだったよな。」
ルーク様は何をおっしゃっているのでしょう?
「あんたみたいな奴に、シャーロット様は渡さない!!」
トーマスは兵士に向かって殴りかかった!
ドスッ! ボブっ!! ガッ!!! ガンッッ!!!
トーマスはあっという間に、兵士達を倒してしまった!
「シャーロット様、大丈夫ですか?」
トーマスがこんなに強いなんて、意外だった。
「な!? 貴様……!!」
「ルーク様、お戻りになって、ダルダナートを守ってください。私はもう、助けて差し上げることは出来ません。さようなら。」
「シャーロット様、次の町まで行きましょうか。」
「ええ。そうしましょう。」
馬車に乗り込み去っていくシャーロット達を、ルークは黙って見届けるしかなかった。
「それにしても、トーマスがあんなに強いなんて知らなかった。」
「俺はダナ村の出身ですよ? シャーロット様が守ってくださるまでは、村はしょっちゅう魔物に襲われていたんです。魔物を倒しながら育ったので、あんな兵士ごとき楽勝ですよ!」
珍しくドヤ顔をしているトーマスが、なんだか可愛く思えた。
「シャーロット様、大変です……」
「どうしたの?」
「次の町まで8時間はかかりそうです。ですので、今日は野宿になるかと……」
「ルーク様のせいね! 別に野宿でもいいわ。焦らずゆっくり、王都を目指しましょう。」
トーマスは、今日は眠れそうにないと覚悟を決めたのだった。
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