【R18】熊の様な45歳の近衛隊長は、22歳の美貌の皇帝に欲しがられています。

DAKUNちょめ

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親友の忘れ形見を護る為ならば…。

「まだまだ物足りないけど、今はこれで我慢しよう。」



ベッドに突っ伏してピクピクと震えるガインの背にキリアンが身体を重ね小声で囁き、ズルっと茎を引き抜いた。

その際にも、放出後でも萎えない楔が中の壁をカリカリと掻いてガインの内側に刺激を与え続ける。



「っ……ふッ!」



ビクッと跳ね上がるガインから身体を離したキリアンは、乱れた衣服だけを整えてドアに向かった。

ガインは、僅かにドアを開いてドアの前で待たせていた使用人と言葉を交わしているキリアンの後ろ姿をボーっと見ていた。



皇帝陛下自らがドアを開けて他国の使用人と向かい合って言葉を交わす。

相手は恐縮し過ぎているらしく、ガインの耳には「ハイッ!ハイッ!」とテンパり気味の返事だけが聞こえてきた。

やがて使用人がその場を去り、キリアンが一度ドアを締める。

ガインはぐったりしたまま、ボソボソとキリアンに話しかけた。



「キリアン……危ない真似すんなよ……もし、ドアの向こうに居たのが武器を持った暗殺者だったら……どうするんだよ。」



「そんなの、俺でなく師匠が開けたって、師匠が危ない目に遭うじゃないか。俺の命と師匠の命は対等だからね。

前にも言ったけど、師匠が死んだら俺も死ぬから。」



「……対等なワケねぇだろ……皇帝陛下と一兵士じゃ……」



「皇帝ではなく、キリアンとガインは対等だ。

むしろ師匠のが大事。

まぁガインが俺より先に殺されたりなんかしたら、俺は敵を国ごと鏖殺するよ。それから死ぬ。」



「死ぬ。じゃない!んな、アホみたいな事軽く言ってんなよ!!

自分の命を軽く言うな!お前が死んだら、俺達の国が……」



いや、今、尻を丸出しで話す様な事じゃない。

と、言うより今この場で「もし、そうなっていたら」なんて話をしても仕方が無い。



ガインは下肢を出したまま床に膝をつき、ベッドの上で突っ伏した状態でまだ身動きが取れない。

この状態で押し問答を繰り返していても……何だか自分が恥ずかしい。



「すまん、今、身体を動かすから……」



食堂までキリアンを警護して向かわねばならないのに腰が抜けた様に体が動かない上に、ガインの顔も胸の辺りもキリアンの出した液を浴びてベタベタだ。



「先ほど使用人に、ガインの体調が悪いと伝えて代わりの兵士を呼びに行かせた。

ガインは暫く部屋で休んでいればいい。」



キリアンがガインの身体をゆっくりとベッドから起こしてベッドの縁に座らせ、湿らせた布で自分が汚した顔を拭う。

若者に年老いた自分が介護をされているようで、何だかいたたまれない。



「な、なんか…すまん。脱力しきって体が動かん……寄る年波には勝てないんだな…。」



「歳は…関係ないと思うけど?本気で感じてくれたからでしょ?

余りにも可愛くて…無理をさせたからね。ごめんね、師匠。」



━━本気で感じ…?クッソ恥ずかしい事を平然と言いやがる!━━



チュっとガインの唇に吸い付いて短い接吻を交わし、キリアンは脱いだ甲冑の代わりに皇族の訪問用の衣装を身に纏った。



部屋がノックされ、今回の旅に同行した若い兵士が部屋を訪れた。

キリアンの警護として食堂に向かうらしい。



「行って来るよガイン。私の夕食が終わったら、部屋にガインの食事を運ばせよう。

………自分の命を軽く見ているのは師匠の方だからね……。」


キリアンの最後の呟きはガインには聞こえなかった。

キリアンが部屋を去り、広い部屋に一人になったガインは必要の無くなった甲冑を脱いだ。

ベッドに座り、キリアンが顔を拭ってくれた布を使って甲冑のベタベタを拭いてゆく。

物音一つ無い静かな広い部屋の中、無言で黙々と甲冑を拭いていく。

広く静か過ぎて逆に落ち着かない。

その内、段々と自分の顔が紅潮してくるのが分かった。



「思い出すな!!俺!!こっ恥ずかしいだろうが!!」



ガインは思わず、ベシッと布を甲冑に叩き付けた。



静か過ぎて神経が研ぎ澄まされる。

なぜか余計な事を思い出したり考えてしまう。

先ほどの行為も、以前の行為も、連鎖反応的に思い出されていく。

顔が赤くなり、動悸が激しくなる。



「っと…ま、待て俺!思い出さんでいい!!」



そう思えば思う程、考えずにはいられなくなる負のループに突入した。

怖い場所に行った時に限って怖い話を次から次へと思い出す的な状態だ。





今更ながら、なぜ俺たちは、こんな関係になってしまっているのだろう?

なぜ、親子ほど歳の離れた美しい青年に、こんな野獣の様な姿の自分が愛を請われているのだろう。

しかもこちらが受け入れる側の立場で。



「グレアムに申し訳が立たん…!親友の息子に手を出すなんて…」



いや、出された…が正しいのか?

じゃあ、手を出すようにキリアンを誘惑した俺が悪い。



……誘惑ってどんなの!!そんなもん、した記憶無いわ!!



ガインはアホみたいな考えを払拭する様に激しく首を左右に振った。少しクラリと目眩がした。



一通り甲冑を磨いて自身の身体も拭いたガインは、汚したトラウザーズを履き替え、上半身は裸のままで窓の外を見た。



この国の城は、キリアンが治める国ベルゼルト皇国の城に比べ、要塞の様な造りをしている。

派手さやきらびやかさは無いが、ガインはその無骨な佇まいが嫌いでは無い。



豪華絢爛な広く静かな貴賓室に一人で居るのは居心地が悪く落ち着かない。

ガインは薄手のシャツを一枚羽織り、剣を腰に差して部屋を出た。

途中、この城に勤める使用人に会ったので、庭を歩きたいと申し出て許可を得た。



粗い石造りの階段を降りて行き、薄暗くなった庭を一人で歩く。

静かな部屋に一人で居ると、要らぬ事を考え続けてしまう。

考えたくないから部屋を出たのは、逃げだとも思ったが、色んな答えを出すにはまだ、時間が足りないとガインは思った。



「グレアム、お前の愛息子の側に俺なんかがくっついてる事は許し難いかも知れんが……

…命を狙われているキリアンを誰よりも側で護りたい。

いざとなれば、俺の命をなげうってでも……だから…すまん。」



友を裏切っている様な心苦しさを抱えつつ、それでも今はガインの方が、キリアンと距離を置く事に不安を抱えずには居られない。

キリアンを暗殺しようとする者が存在する事を知った以上は。







「……誠に、忠義に厚い方なのですわね。ガイン様は…。」



薄暗くなった庭の石造りのベンチに腰掛けていた貴婦人が、ガインの呟く声を拾い、暗がりから話し掛けて来た。



「!!失礼致しました…殿下…。

このようにお側に行くまで気付かずに…。申し訳御座いません。」



「良いのです。ガイン様が城を出て庭に向かう姿を見て、わたくしが此処へ来たのですから。」



美しいこの貴婦人は、老齢の国王の弟の娘にあたる。

公爵令嬢であったこの美女は、近隣の国の貴族へ嫁いでいたが、夫が亡くなり子もなせなかった為に自国へと帰って来た。


まだ女としては充分に美しく咲き誇れる花だ。

武勇を尊ぶ、この国で生まれ育った美しい花は、より強い男を好む。

その花にとってガインは、自身を支え、より多くの花を咲かせる為に頼れる大樹に見えた。



「庭に行く私を見て…?殿下の御心、大変嬉しく存じますが……

私は、その大役を全うするだけの器に御座いません。

先ほど我が国の皇帝陛下がおっしゃいました通りですので。

どうか、お許し下さい。」



ガインは、何だかそれらしい事を言いながら、お気持ちは受け入れられませんとやんわり断りつつ、内心はダラダラと冷や汗をかいていた。



━━勝手に奪われるのも許さないってキリアンが言っていたよな。奪われるって……要はアレをするって事か?

それはまぁ、相手が誰であれ絶対に有り得んが……

いや、違う!頭ぽんぽんや、腕に口紅が付いていただけでアホみたいに嫉妬するヤツだぞ!

自分が勝手にした想像でも嫉妬するヤツだぞ!━━



ガインはキリアンが嫉妬する原因を作る事を恐れた。

二人きりで中庭に居ましたって聞いただけでキリアンは激昂するかも知れない。



「ガイン様、陛下のお言葉とは関係なくガイン様御本人のお気持ちはどうですの?

わたくしを…魅力無い女とお思いですか?」



ベンチから立ち上がり、ズイとガインに一歩近付く貴婦人に、ガインが一歩後退る。



「殿下に魅力が無い等と、そのような事は御座いません!

ですが、私は殿下を受け入れる事は出来ません!」



「なぜですの!?

女のわたくしに、ここまで言わせておいて…!

納得のいく理由をおっしゃって下さいまし!!」



前回、この国に来た時は女の色香を武器にガインを誘惑しようとしていた女が、今は鬼気迫るほどの必死さで詰め寄って来る。

後ずさりながらガインが思わずたじろいだ。



━━納得いく理由って何だ!皇帝が決めたからとか、自分そんな器じゃないからでは駄目なんか!!

いっそ、言えばいいのか!?俺の全てが陛下の物だと!

この身、魂までも陛下に捧げ忠誠を誓った私ですが、この肉体も既に陛下の物ですと!!!━━



女の業の怖さを目の当たりにしたガインは思考が混濁し過ぎて、口元が引き攣り言葉が出ない。

いや、何を言っても通じないかも知れない。

嵐が過ぎ去るのを待つしか無いのかと、ガインはハァと溜め息をついた。







「レディ…貴女は、この私のガインに何を求めているのです?」



ガインに詰め寄るヒステリックな女の声を途切れさせる様に、静かな、それでいて透き通るような、ゆっくりとした重さを持つ声が、石造りの冷たい夜の庭に響いた。



「……き、キリアン皇帝陛下……。」



不意に現れたキリアンに貴婦人が口をつぐんだ。

若い兵士を一人連れて中庭に現れたキリアンは、美しい微笑みを浮かべながらガインと貴婦人の前に歩み寄る。



「レディ……私のガインです。お分かりになられてますか?

我が国のではなく、私の、ガインです。」



キリアンはガインの首に腕を掛け顔を下に向かせると、唇を押し付けた。



「ッ!!!」



「まあっ…!!」



驚くガインと、貴婦人の前で口付けを交わして見せたキリアンは、フフっと勝ち誇った様な笑みを見せた。



「私が、こういう者だと噂は聞いておりますでしょう?

ガインは、その私の相手です。ガインには私がおります。

もう、散りゆくだけの花である貴女はお呼びじゃないのですよ。」



キリアンは紺碧の瞳を細め、妖艶な笑みを浮かべる。

無礼はお互い様だとばかりにキリアンは指を差して女に言い放った。



「ガインは私のものです。ハッキリ言いましょうか?

ババァは引っ込んでなさい。」



「「ババァ!?」」


ガインと貴婦人の声が重なる。

ババァ呼ばわりされた本人よりも焦ったガインが、キリアンの口を押さえつけて黙らせようとした。

キリアンが女側の立場となりその場をやり過ごそうとしてくれているのは理解したが、それにしても遠慮が無い。

仮にも一国の姫君に対してババァとは。



「陛下!口を慎んで下さい!私は、陛下の物です!

私がそれを言い渋ったばかりに、陛下にこんな暴言を吐かせて!

申し訳御座いません!」



「いや、ガインは悪く無い。悪いのは、このババァで。

国王陛下がガインを諦めると宣言したのに、それを無視してこの女が私からガインを奪おうとしたのだから。」



「陛下は、ちょっと黙っててくれませんかね!!

殿下、申し訳ありませんが、失礼させて頂きます!!」



ガインはキリアンの身体をガバっと横向きで抱き上げ、逃げる様に中庭を走った。

キリアンがガインの代わりに連れて行った若い兵士も走ってついてくる。



「国王陛下の前で、皇帝陛下がおっしゃっていた妻って、ガイン隊長の事だったんですね!!

皇帝陛下が男性だから、あえて妻って言い方をしたのかも知れませんが………

どちらかって言うと、隊長は妻って言うより夫ですよね!!」



ドヤァ!みたいな顔で言われたガインは無表情なまま、心で「ぐふっ!」と血ヘドを吐いた気がした。



━━そういう事にしといてくれ……━━

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