逃亡と安息のあいだ 〜バスローブ姿で逃げ出した夜、二十歳の大学生に拾われました〜

バスローブ一枚、裸足のまま逃げ出した。

極寒の港で、震える私を照らしたのは、
成人式帰りの大学生、姫川湊が掲げたスマホのライトだった。

騙され、過酷な夜の世界に沈められていた18歳の泡瀬雫。
三次会の熱狂と、猛烈な睡魔の狭間にいた20歳の湊。

「……ついてこい」

掠れた声で招かれたのは、狭いアパートの一室。
性的搾取の恐怖から逃げた少女を、彼は「モノ」としてではなく、
ただの「迷い猫」を扱うように、不器用に匿い始める。

服も、下着も、居場所もなかった。
けれど、彼が大家に頭を下げて工面したジャージに袖を通したとき、
私は初めて、一人の人間に戻れた気がした。

しかし、安息の扉を叩くのは、彼女を追う「闇」の足音。
容赦ない脅迫と、二億円という架空の借金。
守る力を持たないはずの大学生は、一人の少女のために、巨大な悪意へと牙を剥く。

嵐の夜、停電した部屋。
限られた水で互いの肌を拭い、寄り添い合ったとき、
二人の関係は「救済」を超えた、深い「安息」へと変わっていく。

沖縄を舞台に描かれる、
孤独な逃亡者と、不器用な守護者の再起と純愛。
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