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再び接敵
ジャングルに急行したが……このエリアにいるかもしれないターゲットの存在はまだ見つけることが出来ていない。一方で幾つかみつけた宝箱は全て蓋がされている状態。どうやら、練習の時よりも宝箱を漁って使えるアイテムを見つけるという作業が進んでいない様子。
木々を回避しながらジャングルを走ること数分、《危険察知》のレーダーに反応が現れた。だが、反応は五秒ほどで消えた。この消え方は、練習の時にあった何かしらのアイテムを使った時の消え方だ。アイテムによる隠蔽系統でレーダーから逃れたのだろう……が、急行すればまだ捕まえられる可能性がある。この対戦で存在するアイテムによる隠蔽状態で走るなどの激しい動きをすると、効果が切れるはずだから。
レーダーの反応があったあたりに急行して周囲を見渡す。怪しいものは無し、か……流石に明らかにおかしい飛ばれるような稚拙な隠れ方はしていない。だが、遠くにも行っていないはず。違和感を探し出す事に集中しよう、連中のと木みたいに暴れまわってあぶりだすという手段もあるが、毎回それではそう言った行動を逆手に取られた逃げられ方をされる可能性が出てくる。
目視、聴覚、感覚全てを総動員し、違和感を感じ取るべく集中する。風などでいい訳がつかない明確におかしな動きを周囲の木々や草がしないか? 金属音などのジャングルにはまず存在しえない音がしないか? そして今までの経験から来る勘が違和感を伝えてこないか? 探せ探せ見つけ出せ──
(違和感はない……だが、諦めるには早すぎる。もっとよく周囲を観察して探し出すんだ)
我慢比べという名の心理戦。こちらも一刻も早く見つけたいが、向こうもアイテムによる隠蔽には時間制限が付いているはずだ。無制限だったらおかしいもんね……だから、そのアイテムの効果が切れるのと、新しいアイテムの効果を発動させるまでの合間をどうごまかして隠れ切るかというタイミングを計る必要がある。
もちろん抜き足差し足忍び足で徐々に離れて行っている可能性はある。というか高い。だが、その場合は足元の草にも十二分に意識を向けて慎重に動かなければならない。草の動きなどでバレる可能性があるのだから──そう、あんな風に。ん? あんなふうに!? そう、地面から生えている草の一部が明らかに折れ曲がったり揺れたりしている。もちろんその辺りに向けて矢を数本放った。
「うぁっ!? ばれちゃった!」
姿を見せたのはガルだった。なるほど、彼は魔法特化キャラ。隠密関連の心得はそう髙くなかったが故の失敗だろう。足元まで注意が行き渡っていなかったのは、流石に専門職でもないとね……音を立てない様に気を付けてはいたようだが、草の動きまでは気が回らなかったと言った所だろう。
「でも、捕まりたくないからね! あーらよっと!」
が、見つかった場合のプランは事前に用意していたのだろう。すぐさま魔法……火と土と闇属性のでかい球体が自分に向かって飛んでくる。恐らく目的は倒す、ダメージを与えるではなく目くらまし。こちらが普段の十倍の能力を与えられている以上、単独で倒すよりもここでつかまらずに逃げる方が現実的だ。
恐らく魔法に向かって矢を放ったりしようものなら大爆発を起こして、視界を悪化させられる可能性が否定できない。視界が塞がれても《危険察知》がある訳なんだが、それを見越した上での行動と見た方が良い。あくまで隠密系の知識が専門外だっただけで、ガルの魔法を用いる戦闘技術、経験、戦法は間違いなく一流だ。
なので自分は飛んできた魔法弾の上を跳躍して飛び越えようとした──その瞬間、ガルから「そこでブレイク!」という声が聞こえてくると同時に飛び越えようとしていた魔法が膨らんで大爆発。自分はその爆発に巻き込まれ、視界を塞がれ体全体を大きく揺らされる。しまった、ガルの策に乗せられた……!
ダメージはやはり大したことはなかったが……《危険察知》にガルの反応が出ない。やっぱり視界を一瞬でも塞げばレーダーから隠れる手段を持っていた、だからこそのこの魔法弾でありこちらの行動を読んだ行為。だが、まだこちらも終わった訳ではない。真同化の残滓を地面に伸ばして突き刺し、自分の体を引っ張ってもらって急速着地。
周囲を見渡すと、ガルが一目散に逃げていく姿を目にする。だが、何ともわざとらしい……あれは練習の時にゼッドが使っていた偽物ではないだろうか? もちろんそう思わせて本人の可能性もあるが……《危険察知》のレーダー機能はまだ復帰しない。が、うかつに矢を放って当てたら爆発して更なる目くらましを喰らう可能性がある。
(どうする? それを覚悟で放つか、それとも見逃すか)
一瞬悩んだが、やはりあまりにもわざとらしい逃げ方を見せているので攻撃しない事に決めた。あれが本体だったら見事に化かされたと諦める。さて、あの手のデコイをこちらの動きを誘った場合の逃げ方は……一つ目はこの場に潜伏して此方が立ち去るのを待つ。二つ目は逆方向、もしくは逆とはいかなくても違う方向に逃げる。三つめは可能性は低いが……こちらの隙をついた攻撃を行って混乱を誘い、その隙に撤収すると言った所だろう。
周囲を見渡すが、違和感を感じる所は無し。やはり魔法による目くらましを喰らって視線を切らされたのが痛かったか……それから一分ほど周囲を観察していたが自分は諦める事に決めた。今回はガルの勝利だ。
(これはガルに美味くやられたと認めるしかない。あまりにも一か所に留まり過ぎると他のエリアの攻略が楽々進んでしまう。ここは切って、他を目指すべきだ。今回のジャングルの隣にあるエリアは火山エリアか。そこに向かうことにしよう。でも、ガルの手の内の一つは見た。次は対処して見せる)
そう決めたらすぐさま移動を開始する。もたもたしている訳にはいかないからな……こういう非対称対戦物は、少ない方は多い方を手早く削っていかないと終盤数の暴力で何もできない状況に陥りかねない。そして今回他の方はグラッドパーティ。そんな面子が揃ってしまえば、たとえ十倍の身体能力を貰っていた所で、勝ち目はほとんどなくなると計算している。
だから、欲を言えば二人。最低でも一人は最後の扉周辺で起きる筈の戦闘前に参加不能にしておきたいのだ。何処か一か所だけでも欠ければ、カバーもしにくくなるからね。そこにこちらの勝機がある。さて、火山エリアが見えた。当然中に入り、エリアの中を走り回る。
(宝箱は結構開けられているな。開いてない箱は鍵を使わないと開かないタイプか。《危険察知》の方にも反応はない……でも、いないと決めつけるのは早計だ。調べてみよう)
そうこちらが行動指針を固めていたその直後だった。突如ここでアナウンスが入る。
『火山エリアに捕らわれていたジャグドが解放されました』
ジャグドを閉じ込めていた檻はこの火山エリアにあったのか。それはつまり、今このエリアには最低でもジャグドとジャグドを解放した誰かがいると言う事に他ならない。これはチャンスだ、ジャグドともう一人をここで捕まえることが出来れば、グラッド達の鍵探し速度を大幅に遅らせることが出来る。
自分は火山エリアの中央部分を目指して走り出した。火山エリアをできるだけ《危険察知》の探知範囲に入れてしまおうと考えたからだ。ジャグドかもう一人がヒットすれば……当然仕掛ける。この機会を逃さずにモノにできるかが大事な局面だ。先ほどのガルは逃がしてしまったからな、ここは何としても結果を出したいところだ。
木々を回避しながらジャングルを走ること数分、《危険察知》のレーダーに反応が現れた。だが、反応は五秒ほどで消えた。この消え方は、練習の時にあった何かしらのアイテムを使った時の消え方だ。アイテムによる隠蔽系統でレーダーから逃れたのだろう……が、急行すればまだ捕まえられる可能性がある。この対戦で存在するアイテムによる隠蔽状態で走るなどの激しい動きをすると、効果が切れるはずだから。
レーダーの反応があったあたりに急行して周囲を見渡す。怪しいものは無し、か……流石に明らかにおかしい飛ばれるような稚拙な隠れ方はしていない。だが、遠くにも行っていないはず。違和感を探し出す事に集中しよう、連中のと木みたいに暴れまわってあぶりだすという手段もあるが、毎回それではそう言った行動を逆手に取られた逃げられ方をされる可能性が出てくる。
目視、聴覚、感覚全てを総動員し、違和感を感じ取るべく集中する。風などでいい訳がつかない明確におかしな動きを周囲の木々や草がしないか? 金属音などのジャングルにはまず存在しえない音がしないか? そして今までの経験から来る勘が違和感を伝えてこないか? 探せ探せ見つけ出せ──
(違和感はない……だが、諦めるには早すぎる。もっとよく周囲を観察して探し出すんだ)
我慢比べという名の心理戦。こちらも一刻も早く見つけたいが、向こうもアイテムによる隠蔽には時間制限が付いているはずだ。無制限だったらおかしいもんね……だから、そのアイテムの効果が切れるのと、新しいアイテムの効果を発動させるまでの合間をどうごまかして隠れ切るかというタイミングを計る必要がある。
もちろん抜き足差し足忍び足で徐々に離れて行っている可能性はある。というか高い。だが、その場合は足元の草にも十二分に意識を向けて慎重に動かなければならない。草の動きなどでバレる可能性があるのだから──そう、あんな風に。ん? あんなふうに!? そう、地面から生えている草の一部が明らかに折れ曲がったり揺れたりしている。もちろんその辺りに向けて矢を数本放った。
「うぁっ!? ばれちゃった!」
姿を見せたのはガルだった。なるほど、彼は魔法特化キャラ。隠密関連の心得はそう髙くなかったが故の失敗だろう。足元まで注意が行き渡っていなかったのは、流石に専門職でもないとね……音を立てない様に気を付けてはいたようだが、草の動きまでは気が回らなかったと言った所だろう。
「でも、捕まりたくないからね! あーらよっと!」
が、見つかった場合のプランは事前に用意していたのだろう。すぐさま魔法……火と土と闇属性のでかい球体が自分に向かって飛んでくる。恐らく目的は倒す、ダメージを与えるではなく目くらまし。こちらが普段の十倍の能力を与えられている以上、単独で倒すよりもここでつかまらずに逃げる方が現実的だ。
恐らく魔法に向かって矢を放ったりしようものなら大爆発を起こして、視界を悪化させられる可能性が否定できない。視界が塞がれても《危険察知》がある訳なんだが、それを見越した上での行動と見た方が良い。あくまで隠密系の知識が専門外だっただけで、ガルの魔法を用いる戦闘技術、経験、戦法は間違いなく一流だ。
なので自分は飛んできた魔法弾の上を跳躍して飛び越えようとした──その瞬間、ガルから「そこでブレイク!」という声が聞こえてくると同時に飛び越えようとしていた魔法が膨らんで大爆発。自分はその爆発に巻き込まれ、視界を塞がれ体全体を大きく揺らされる。しまった、ガルの策に乗せられた……!
ダメージはやはり大したことはなかったが……《危険察知》にガルの反応が出ない。やっぱり視界を一瞬でも塞げばレーダーから隠れる手段を持っていた、だからこそのこの魔法弾でありこちらの行動を読んだ行為。だが、まだこちらも終わった訳ではない。真同化の残滓を地面に伸ばして突き刺し、自分の体を引っ張ってもらって急速着地。
周囲を見渡すと、ガルが一目散に逃げていく姿を目にする。だが、何ともわざとらしい……あれは練習の時にゼッドが使っていた偽物ではないだろうか? もちろんそう思わせて本人の可能性もあるが……《危険察知》のレーダー機能はまだ復帰しない。が、うかつに矢を放って当てたら爆発して更なる目くらましを喰らう可能性がある。
(どうする? それを覚悟で放つか、それとも見逃すか)
一瞬悩んだが、やはりあまりにもわざとらしい逃げ方を見せているので攻撃しない事に決めた。あれが本体だったら見事に化かされたと諦める。さて、あの手のデコイをこちらの動きを誘った場合の逃げ方は……一つ目はこの場に潜伏して此方が立ち去るのを待つ。二つ目は逆方向、もしくは逆とはいかなくても違う方向に逃げる。三つめは可能性は低いが……こちらの隙をついた攻撃を行って混乱を誘い、その隙に撤収すると言った所だろう。
周囲を見渡すが、違和感を感じる所は無し。やはり魔法による目くらましを喰らって視線を切らされたのが痛かったか……それから一分ほど周囲を観察していたが自分は諦める事に決めた。今回はガルの勝利だ。
(これはガルに美味くやられたと認めるしかない。あまりにも一か所に留まり過ぎると他のエリアの攻略が楽々進んでしまう。ここは切って、他を目指すべきだ。今回のジャングルの隣にあるエリアは火山エリアか。そこに向かうことにしよう。でも、ガルの手の内の一つは見た。次は対処して見せる)
そう決めたらすぐさま移動を開始する。もたもたしている訳にはいかないからな……こういう非対称対戦物は、少ない方は多い方を手早く削っていかないと終盤数の暴力で何もできない状況に陥りかねない。そして今回他の方はグラッドパーティ。そんな面子が揃ってしまえば、たとえ十倍の身体能力を貰っていた所で、勝ち目はほとんどなくなると計算している。
だから、欲を言えば二人。最低でも一人は最後の扉周辺で起きる筈の戦闘前に参加不能にしておきたいのだ。何処か一か所だけでも欠ければ、カバーもしにくくなるからね。そこにこちらの勝機がある。さて、火山エリアが見えた。当然中に入り、エリアの中を走り回る。
(宝箱は結構開けられているな。開いてない箱は鍵を使わないと開かないタイプか。《危険察知》の方にも反応はない……でも、いないと決めつけるのは早計だ。調べてみよう)
そうこちらが行動指針を固めていたその直後だった。突如ここでアナウンスが入る。
『火山エリアに捕らわれていたジャグドが解放されました』
ジャグドを閉じ込めていた檻はこの火山エリアにあったのか。それはつまり、今このエリアには最低でもジャグドとジャグドを解放した誰かがいると言う事に他ならない。これはチャンスだ、ジャグドともう一人をここで捕まえることが出来れば、グラッド達の鍵探し速度を大幅に遅らせることが出来る。
自分は火山エリアの中央部分を目指して走り出した。火山エリアをできるだけ《危険察知》の探知範囲に入れてしまおうと考えたからだ。ジャグドかもう一人がヒットすれば……当然仕掛ける。この機会を逃さずにモノにできるかが大事な局面だ。先ほどのガルは逃がしてしまったからな、ここは何としても結果を出したいところだ。
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