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連載
登録と契約と
コロッセウムの内部は黒曜石らしき黒い石をメインに使った設計となっていた。ただその黒曜石? は全て磨き上げられており、艶のある輝きを放っていた。その様な立派な内部を進むことしばし、受付と思わしき場所へと出た。そこには女性プレイヤーが数名、談笑をしている。そこにツヴァイが声をかけた。
「すまない、最強ギルド決定戦の助っ人登録に来たんだが頼めるか?」「あらツヴァイさん、早いですね? もう見つかったのですか?」
ツヴァイの声掛けに女性プレイヤーの一人が返答を返し、他の女性プレイヤーは何やら書類などを出してきている。あの用紙が登録するために書き込む用紙なのかな?
「では申し訳ありませんが、助っ人さんのお名前と──助っ人さんにはこちらの契約書をしっかりと読んだ上でサインをお願いします。キチンと呼んでくださいね、読み飛ばさないようにお願いします」
と、ツヴァイに対応をしている女性プレイヤーとは別の人が契約書を自分に提示してきた。えーっと、なになに?
1・この契約書にサインをすることで、2以降の契約内容にすべて同意したとみなされる。
2・参加した助っ人は、最強ギルド決定戦が完全に終了するまでの間白の塔、黒の塔への入場が禁止される。
3・助っ人が消費したアイテムなどは出来る限り運営が補填を行うが、あまりにも貴重な物や補填が難しすぎるものなどにおいては市場の相場から算出されたグローによって返却されるものとする。
4・助っ人は、たとえ参加したギルドが優勝したとしてもその優勝賞品の獲得並びに最強ギルドの一員として名前を残す事が出来ない。
5・4の代わりとして、最終成績に応じた結果から算出されたグローや魔剣、アイテムなどを別途運営から褒章として提供する事とする。
6・登録したギルドと契約後に何か揉め事があったとしても、運営はそのことに対して介入する事はしない。
7・登録した後に登録を取り消して、別のギルドの助っ人として再登録する事は出来ない。
8・大会開始まで、自分がどこのギルドの助っ人になったのかの口外を禁ずる。誘われた場合はすでに助っ人に登録していると伝える事は許可する。
9・これらの契約を無視した行為を取った場合は、助っ人側は参加権のはく奪。ギルド側には助っ人の参戦権利をはく奪する。
簡潔ながら以上の八か条が契約内容のようだ。アイテムの補填などの条件や、発生しそうなトラブルに前もって断りを入れておく感じだな。どれも違和感を感じる内容ではない。なのでサインをして登録する。書き終えた後に「これでよろしいでしょうか?」と確認。リアルでも契約書周りはしっかりと確認をし合って進めないととんでもない事になるからな。
「はい、大丈夫です。これでアースさんはブルーカラーの助っ人として登録されることになります。契約書をしっかりと読まれていたので問題は無いと思いますが──改めて申し上げます。ブルーカラーの助っ人として登録された事の口外の禁止、また最強ギルド決定戦が終了するまでの間白の塔や黒の塔への入場はおやめください」
念押しされたが、まあ気持ちは理解する。契約を交わしたのにそれを忘れて行動する人間ってのはどうしても一定数存在するからな。だからこそこうしてしっかりとくぎを刺し、聞いてない、知らないという言い訳をさせないようにしているのだろう。
「はい、了解しております。そちらの手を煩わせないようにこちらも努力いたします」
こういったイベントの運営ってのは本当に大変だ。だからこそ参加する事になったら少しでもその労力を抑える事が出来る様に協力しないといけないよね。絶対といっていいほど、イベントの準備や開催時に変な事をする人間というモノは残念ながらいる物なのだから。どうやらツヴァイ側も何らかの契約を行っていたらしく、紙にサインを行っているようだ。
「以上を持って契約は成立とさせていただきます。どうか契約を破るような事をなさらないようにお願いいたします」
全ての書類を確認した女性プレイヤー達は深々と頭を下げ、こちらも礼をもって応えた。これで正式に自分はこのイベントに参加することが決まった。さて、今日のログアウト時間までは少し時間がある。どうしようか、と思っていたら受付の女性プレイヤーが自分に話しかけてきた。
「あの、もしかしてアースさんって有翼人との戦いでラスボスと戦っていました?」
この問いかけに「はい、確かにその場にいましたよ」と返答したのだが、ここでツヴァイが口を開いた。
「何を言ってるんだ、アース。お前は有翼人との戦いをずーっと前から一人でやってただろうが……あの最終決戦の姿なんか、そのごく一部だって言ってやればいいのに」
なんてことを言われてしまい、女性プレイヤー達は興味深そうな視線を送ってくる。
「その話、聞かせてくれませんか? あの戦いは凄惨な部分も多くありましたけど、分からない部分もかなりあるんですよね。私達はワンモアの歴史を趣味で編纂しているのですが、あの戦いに関してはかなり曖昧な所も多々ある状態でして……どうか、情報を頂けないでしょうか?」
この問いかけに応えるかどうか悩んだが……彼女達の編纂はワンモアの住民には一切伝えずあくまでプレイヤーの間だけでやり取りされる事を確認し、念を入れてこの有翼人の話はワンモアが終了してから公開する事を条件に自分は話をする事とした。その理由は自分の活躍を知ってほしいからではなく、孤独に戦いその身を機械に包んでまで為すべきことを成し遂げた彼女の事を知ってほしいと思ったからだ。
「では、有翼人の企みを知る事になったきっかけから話しましょうか──」
こうして、話は始まった。一年と少し前の話なのに、まるで何十年前の話をするような錯覚を覚えつつ……
*****
来週から更新が不定期となります。理由なのですが製本作業が始まったためです。
余裕があれば更新を行いますが、頻度は間違いなく下がる事をご理解ください。
「すまない、最強ギルド決定戦の助っ人登録に来たんだが頼めるか?」「あらツヴァイさん、早いですね? もう見つかったのですか?」
ツヴァイの声掛けに女性プレイヤーの一人が返答を返し、他の女性プレイヤーは何やら書類などを出してきている。あの用紙が登録するために書き込む用紙なのかな?
「では申し訳ありませんが、助っ人さんのお名前と──助っ人さんにはこちらの契約書をしっかりと読んだ上でサインをお願いします。キチンと呼んでくださいね、読み飛ばさないようにお願いします」
と、ツヴァイに対応をしている女性プレイヤーとは別の人が契約書を自分に提示してきた。えーっと、なになに?
1・この契約書にサインをすることで、2以降の契約内容にすべて同意したとみなされる。
2・参加した助っ人は、最強ギルド決定戦が完全に終了するまでの間白の塔、黒の塔への入場が禁止される。
3・助っ人が消費したアイテムなどは出来る限り運営が補填を行うが、あまりにも貴重な物や補填が難しすぎるものなどにおいては市場の相場から算出されたグローによって返却されるものとする。
4・助っ人は、たとえ参加したギルドが優勝したとしてもその優勝賞品の獲得並びに最強ギルドの一員として名前を残す事が出来ない。
5・4の代わりとして、最終成績に応じた結果から算出されたグローや魔剣、アイテムなどを別途運営から褒章として提供する事とする。
6・登録したギルドと契約後に何か揉め事があったとしても、運営はそのことに対して介入する事はしない。
7・登録した後に登録を取り消して、別のギルドの助っ人として再登録する事は出来ない。
8・大会開始まで、自分がどこのギルドの助っ人になったのかの口外を禁ずる。誘われた場合はすでに助っ人に登録していると伝える事は許可する。
9・これらの契約を無視した行為を取った場合は、助っ人側は参加権のはく奪。ギルド側には助っ人の参戦権利をはく奪する。
簡潔ながら以上の八か条が契約内容のようだ。アイテムの補填などの条件や、発生しそうなトラブルに前もって断りを入れておく感じだな。どれも違和感を感じる内容ではない。なのでサインをして登録する。書き終えた後に「これでよろしいでしょうか?」と確認。リアルでも契約書周りはしっかりと確認をし合って進めないととんでもない事になるからな。
「はい、大丈夫です。これでアースさんはブルーカラーの助っ人として登録されることになります。契約書をしっかりと読まれていたので問題は無いと思いますが──改めて申し上げます。ブルーカラーの助っ人として登録された事の口外の禁止、また最強ギルド決定戦が終了するまでの間白の塔や黒の塔への入場はおやめください」
念押しされたが、まあ気持ちは理解する。契約を交わしたのにそれを忘れて行動する人間ってのはどうしても一定数存在するからな。だからこそこうしてしっかりとくぎを刺し、聞いてない、知らないという言い訳をさせないようにしているのだろう。
「はい、了解しております。そちらの手を煩わせないようにこちらも努力いたします」
こういったイベントの運営ってのは本当に大変だ。だからこそ参加する事になったら少しでもその労力を抑える事が出来る様に協力しないといけないよね。絶対といっていいほど、イベントの準備や開催時に変な事をする人間というモノは残念ながらいる物なのだから。どうやらツヴァイ側も何らかの契約を行っていたらしく、紙にサインを行っているようだ。
「以上を持って契約は成立とさせていただきます。どうか契約を破るような事をなさらないようにお願いいたします」
全ての書類を確認した女性プレイヤー達は深々と頭を下げ、こちらも礼をもって応えた。これで正式に自分はこのイベントに参加することが決まった。さて、今日のログアウト時間までは少し時間がある。どうしようか、と思っていたら受付の女性プレイヤーが自分に話しかけてきた。
「あの、もしかしてアースさんって有翼人との戦いでラスボスと戦っていました?」
この問いかけに「はい、確かにその場にいましたよ」と返答したのだが、ここでツヴァイが口を開いた。
「何を言ってるんだ、アース。お前は有翼人との戦いをずーっと前から一人でやってただろうが……あの最終決戦の姿なんか、そのごく一部だって言ってやればいいのに」
なんてことを言われてしまい、女性プレイヤー達は興味深そうな視線を送ってくる。
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この問いかけに応えるかどうか悩んだが……彼女達の編纂はワンモアの住民には一切伝えずあくまでプレイヤーの間だけでやり取りされる事を確認し、念を入れてこの有翼人の話はワンモアが終了してから公開する事を条件に自分は話をする事とした。その理由は自分の活躍を知ってほしいからではなく、孤独に戦いその身を機械に包んでまで為すべきことを成し遂げた彼女の事を知ってほしいと思ったからだ。
「では、有翼人の企みを知る事になったきっかけから話しましょうか──」
こうして、話は始まった。一年と少し前の話なのに、まるで何十年前の話をするような錯覚を覚えつつ……
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