奴隷少女は騎士となる

灰色の街。

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模擬戦

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第1班の集合場所に向かうと、第1班の班長である、カール·リマルモン侯爵が立っていた。

「第1班に配属されました。ライです」

班長の目の前に行き、45°の礼をする。

「お前がライか!俺はカール·リマルモン。第1班の班長をしている。侯爵家という肩書きはあるが、ここでは身分関係なしに関わっていってほしい。宜しくな!」

「宜しくお願いします」

少し話しかけにくい雰囲気の人がと思ったらそうでもなく、ずいぶんフレンドリーな人だった。
班長と呼ぶことにしよう。
「んじゃとりあえず模擬戦やるか~」

「わかりました」

少し気の抜けた感じから始まったが、流石は第1班班長を勤めるだけある。
模擬戦の準備ができた瞬間的、雰囲気がガラリと変わり、好戦的な笑みを浮かべた。

「魔法はあり。先手は譲るから全力でこい」

ずいぶん余裕そうだが、その分の強さをこの人は持っているということだろう。
今だって、対面しているだけでもその強さをがビシビシと感じられる。
まあでも、折角先手を譲ってからには、初っ端からぶっ飛ばしたいな。雷鳴魔術Lv.7

「天地を割り その身を轟かせろ サンダー·ピラー」

私がその言葉を紡いだ直後、班長が立っているところに雷が落ちた。
大抵はここで勝負がつくのだが班長は…… 

雷が落ちたところを見ると、手足に雷を纏った班長がいた。

「雷鳴魔術Lv.10……!」

雷魔法の極意は身体強化にある。
それを極めることで、筋力、脚力等が大幅に強化される、雷魔法の最終地点でもあり、全ての原点。

まさか班長が私と同じ雷鳴魔術が適正で、しかもカンストしてるとは思わなかった。

「考え事か?」

「!!しまった!」

慌てて防御のしようとしたが間に合わず

「燃えろ 焼かれろ ヘル·ファイア」

私の体は業火に焼かれた。

「……少しやりすぎでしたかね?」

「いや、ライの実力もだいたい知れたしちょうど良かったんじゃないか?」

ま、私は大丈夫なんだけど。というか班長……火炎魔術Lv.8で容赦なく攻撃するとは……

模擬戦前に一応防御魔法かけといて良かった。
かけてなかったら大火傷負ってたわ。

それにしても、私が第1班に配属された理由、少しわかったかもな。

雷魔法を適正とする人は稀にしかいない。
つまり、私を班長と同じ班にすることで、雷鳴魔術の訓練にもなり、コツも掴みやすいからってことなんだろうな。

勿論それだけではないだろうが、この事も理由の1つではあるだろうな。

班長と別れ、私は騎士寮に行くことにした。
タースリク王国騎士団は、人数が少ない精鋭騎士なため、部屋は1人1部屋。

これのお陰で私は部屋で空間魔術を解除しても奴隷であることがバレないのだ。
ずっと魔術を発動し続けるのも、結構疲れる。
いくら私の魔力が多くても、体力面を削られやすい空間魔術には関係ない。

今日はこれで終わりらしいし、取り敢えず寝て体力回復するか。
夜は歓迎会をするらしいし、今のうちに休憩しておかなくてはな。

ベットに横になると、やはり疲れていたのか、すぐに寝れた。
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