7 / 23
初めまして
しおりを挟む
逆光で顔がよく見えない相手と、
黒江鈴太(くろえ りんた)は目は
あったはずだが、お互い
恥ずかしくなったのか、しばらく
無言だった。
ついボーッとしているとユサユサ
揺れていることに気付いた。
今更ながらに、俺は男に抱っこされたまま
移動していたんだと気づいた。
「…す、すまない。お、俺……コホッ…。」
喉がカラカラで、かすれていた。
「かすれた声まで、麗しい。」
……。うるわしい?へっ?
いつ、誰が、どこで、麗しい?
『ピー、黒江様の処理能力が一時、
混乱しましたぴよ、ピー』
「……えっ?」
男の視線を感じると、茶色の革袋が
急に目の前に差し出された。
「飲み物だ。飲めるか?」
「……。」
水?革袋が?革袋を眺めていると
「ニナ、俺の口に入れてくれ。」
「はい。」
革袋の口の栓をとり、いつのまにかいた、
男性3人のうちの一人が、俺を抱っこしたままの
男性の口元に革袋を当てていた。
こくっ、と飲み込む音がした。
…水?…おいしそうだ。
「……んっ。んんっ?」
顔が近づき、至近距離ゼロになった。
気づいたときには、少し厚めの唇が
押し当てられ、舌を入れられたと同時に
生温いものが、喉を通過した。
男に口移し……っ。
ごくっ。
驚いた拍子に無意識に飲み込んでしまった。
生温い液体が男の口から俺の口の中に
侵入した。液体が流れた所…口の中と喉が
焼けつくようにカーッと熱くなった。
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ……いっ、痛っ。」
咳き込みながらも、何を飲まされたのか
わからない不安と痛みで、涙が出てしまった。
「だ、大丈夫か?すまない、喉が乾いてると
思ったんだが……大丈夫か?」
「……痛っ、熱…。」
「痛いのか?ど、どうしよう。」
大きな男は、オロオロしはじめたあと、
ひとまわり小さな男に命令した。
「ジャド、基地に行き治療師を
今すぐ呼んでこい。」
「はい。」
視線だけで彼を追うと、みるみるうちに
小さくなりやがて見えなくなっていた。
喉の痛みは相変わらずだが、先程から
身体全体が心臓になったかのように
ドクドク脈を打っていた。
そして、グワングワン激しい揺れと
目眩がした。
揺れて流れる景色に気持ち悪くなり、
途中で、ゲポー((ピーーー。)←自粛)した。
ふわふわの地面に降ろされる事はなく、
相変わらず抱っこされたまま、
しゃがみ込んだ男と横向きに抱っこされた。
ゲポー中、大きな手で優しく背中をさすりながら
謝り続ける男に…。
「…謝らないで。貴方は…悪くない…。」
「おお、神よ…。」
『ピー、スキルは発生してませんぴよ。ピー。』
「はっ?」
「麗しの君よ、俺…私はルカレオ・サラゾエ
・リッカールと申します。麗しの君の
お名前をお教え出来ないでしょうか?」
な、何が起きたんだ?
急になぜ、男の態度が変わったんだ?
あと、名前長っ。覚えれない。
誰か教えてくれ。
『ピー、ルカレオ・サラゾエ・リッカール、ぴよ
この国、リッカール国の第3王子、ぴよ、
国軍軍事指揮官ぴよ、黒江様の涙うるうる目
ぴよ、および上目遣い、ぴよ、および、黒江様の
天然の色気がダダ漏れ、ぴよ、黒江様の
落ち着いた優しい声、ぴよ、色々なものが合わさり、
ぴよ、男性の心を打ち砕き、ぴよ、
懐かれました、ぴよ。ピー。』
ぴよぴよしか、印象に残らないぴよ。
話してるのはこの白いひよこか?
「名前は、ぴよ?」
ぽわわ~ん、と淡く光だし白いひよこは、
色が濃くなった。
『ぴよ。名付けありがとうぴよ。
仲間に自慢出来るぴよ。神の愛し子様と
契約出来たぴよー。あっ、そろそろ、ぴよ、
黒江様のお名前を第3王子に、ぴよ、
教えてあげた方がいいぴよ。偽名でも、
本名…はまだ…ぴよー、新たな名前よろぴよ。』
………。
本名…マナを教えたら呪いとかかけられるとか、
縛りや誓いをするときだけ、本名を言う
物語があったよなー。
名前、どうしよう?
「俺は……。」
黒江鈴太(くろえ りんた)は目は
あったはずだが、お互い
恥ずかしくなったのか、しばらく
無言だった。
ついボーッとしているとユサユサ
揺れていることに気付いた。
今更ながらに、俺は男に抱っこされたまま
移動していたんだと気づいた。
「…す、すまない。お、俺……コホッ…。」
喉がカラカラで、かすれていた。
「かすれた声まで、麗しい。」
……。うるわしい?へっ?
いつ、誰が、どこで、麗しい?
『ピー、黒江様の処理能力が一時、
混乱しましたぴよ、ピー』
「……えっ?」
男の視線を感じると、茶色の革袋が
急に目の前に差し出された。
「飲み物だ。飲めるか?」
「……。」
水?革袋が?革袋を眺めていると
「ニナ、俺の口に入れてくれ。」
「はい。」
革袋の口の栓をとり、いつのまにかいた、
男性3人のうちの一人が、俺を抱っこしたままの
男性の口元に革袋を当てていた。
こくっ、と飲み込む音がした。
…水?…おいしそうだ。
「……んっ。んんっ?」
顔が近づき、至近距離ゼロになった。
気づいたときには、少し厚めの唇が
押し当てられ、舌を入れられたと同時に
生温いものが、喉を通過した。
男に口移し……っ。
ごくっ。
驚いた拍子に無意識に飲み込んでしまった。
生温い液体が男の口から俺の口の中に
侵入した。液体が流れた所…口の中と喉が
焼けつくようにカーッと熱くなった。
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ……いっ、痛っ。」
咳き込みながらも、何を飲まされたのか
わからない不安と痛みで、涙が出てしまった。
「だ、大丈夫か?すまない、喉が乾いてると
思ったんだが……大丈夫か?」
「……痛っ、熱…。」
「痛いのか?ど、どうしよう。」
大きな男は、オロオロしはじめたあと、
ひとまわり小さな男に命令した。
「ジャド、基地に行き治療師を
今すぐ呼んでこい。」
「はい。」
視線だけで彼を追うと、みるみるうちに
小さくなりやがて見えなくなっていた。
喉の痛みは相変わらずだが、先程から
身体全体が心臓になったかのように
ドクドク脈を打っていた。
そして、グワングワン激しい揺れと
目眩がした。
揺れて流れる景色に気持ち悪くなり、
途中で、ゲポー((ピーーー。)←自粛)した。
ふわふわの地面に降ろされる事はなく、
相変わらず抱っこされたまま、
しゃがみ込んだ男と横向きに抱っこされた。
ゲポー中、大きな手で優しく背中をさすりながら
謝り続ける男に…。
「…謝らないで。貴方は…悪くない…。」
「おお、神よ…。」
『ピー、スキルは発生してませんぴよ。ピー。』
「はっ?」
「麗しの君よ、俺…私はルカレオ・サラゾエ
・リッカールと申します。麗しの君の
お名前をお教え出来ないでしょうか?」
な、何が起きたんだ?
急になぜ、男の態度が変わったんだ?
あと、名前長っ。覚えれない。
誰か教えてくれ。
『ピー、ルカレオ・サラゾエ・リッカール、ぴよ
この国、リッカール国の第3王子、ぴよ、
国軍軍事指揮官ぴよ、黒江様の涙うるうる目
ぴよ、および上目遣い、ぴよ、および、黒江様の
天然の色気がダダ漏れ、ぴよ、黒江様の
落ち着いた優しい声、ぴよ、色々なものが合わさり、
ぴよ、男性の心を打ち砕き、ぴよ、
懐かれました、ぴよ。ピー。』
ぴよぴよしか、印象に残らないぴよ。
話してるのはこの白いひよこか?
「名前は、ぴよ?」
ぽわわ~ん、と淡く光だし白いひよこは、
色が濃くなった。
『ぴよ。名付けありがとうぴよ。
仲間に自慢出来るぴよ。神の愛し子様と
契約出来たぴよー。あっ、そろそろ、ぴよ、
黒江様のお名前を第3王子に、ぴよ、
教えてあげた方がいいぴよ。偽名でも、
本名…はまだ…ぴよー、新たな名前よろぴよ。』
………。
本名…マナを教えたら呪いとかかけられるとか、
縛りや誓いをするときだけ、本名を言う
物語があったよなー。
名前、どうしよう?
「俺は……。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
150
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる