4 / 19
4 アメリアの腹心の部下達
しおりを挟む
🌷ꕤ୭*第三者視点ꕤ୭*アメリアの腹心の部下達
「さて、俺の部下どもぉーー! 今日も頑張って患者のために仕事しろよ! じゃ、俺はキャサリンと医師会の会合に出てくる」
イアンは偉そうに胸をそらし、尊大な声をあげた。
「はい、どうぞ、いってらっしゃいませぇーー」
病院の医師・看護師・事務員が一斉に頭を下げたのだった。
「あいつら、最近やりたい放題だなぁーー。アメリア様を追い出して本邸で好き勝手やってるって聞いたぜ」
「へぇーー。バカだな。あいつ婿だろ? この国の法律をわかってるのかね? 正当な当主を迫害するような真似をした奴は『爵位乗っ取り防止法』で厳しく裁かれるのに」
「あぁ、悪質であればあるほど国王陛下の怒りをかうよ」
医師達がヒソヒソと固まって噂話に花を咲かせていた。
「おーーい、集まってくれぇーー! さてと、改めて朝礼を始めるぞぉーー。まず、今日のスケージュールの確認だ。ライアンとロバートとギルバートで午前中の患者さんを診てくれな。午後からは、エリアン・オスカー・カーソンで担当するように。夜間は私が待機するのでよろしく頼む」
「はい、副医院長!」
「はぁーーい。今度はこっちに注目――! えっと今日はカレンとクララとクリスタル、アイリスが1号棟の入院患者さんの検温と血圧測定・・・・・・2号棟はサラとシエナにジャスティン、アビーね! 3号棟は・・・・・・。よろしくお願いします。さぁ、今日も一日頑張りましょう!」
「はい! 副看護部長!」
副医院長はヴィセンテ、副看護部長はアリッサ、いずれもアメリアの腹心の部下であった。イシド総合病院の医師や看護師は、すべて先代のイシド伯爵とアメリアが面接して採用した者だった。
「あのキャサリン看護部長って、いつも医院長とお出かけしますけどなんなのですか」
新人の看護師が先輩看護師に質問していた。
「あぁ、あのキャサリンはバカ医院長が飲み屋から引き抜いたらしいわ。それでも看護師資格はもってるみたいだけれど、仕事は全然できないのよ。考えられないわよねぇーー! 仕事もしないで全部アリッサ副看護部長に丸投げ!」
「あぁ、だってキャサリンが来るまでアリッサさんが看護部長だったもの。当然よね」
「え? あの医院長ってアホなんですか?」
「うん、うん。あいつは、先代が生きてる頃は勤勉で真面目だったのよ。アメリア様も大事にしていたのに。やっぱ、女ができると男は変わるのねぇ。ブサイクな入り婿のくせに」
「副医院長とアメリア様はお似合いなのに。美男美女よね?」
「副医院長は平民だから、貴族と結婚はできないわよ。どっかの養子にでもなれば別だけど・・・・・・」
「こら、そこ私語は慎んでぇーー! もたもたしない! ここは命の現場よ! 患者様の命がかかっていますから気を抜いてはだめよ。さて、各自持ち場に行ってちょうだい」
「はぁーーい。副看護部長」
「はい」
「はい、今日も頑張りまぁす!」
皆は笑顔で仕事にとりかかる。ここイシド総合大病院は、医院長とキャサリン看護部長を除く優秀なスタッフで構成された、患者達に最も信頼されている病院なのだった。
ꕤ୭*
「ねぇ、イアン。今日はどこにお出かけするぅ? 海が見たいわね!」
「あぁ、今日は暑いしなぁ。水着を買ってやろう。うんとセクシーなやつ。それで、ちょっと浜辺でイチャイチャしようか? ところで、妊娠はまだかな? 早くイシド伯爵家の跡継ぎができればいいのに」
「うふふ。あのねぇ、多分私妊娠したわ! だって、ここしばらく月のモノがないんですもの! びっくりさせよとして黙っていたの!」
「本当かい? でかしたぞ! ふははは。これでイシド伯爵家は安泰だ! 今日のディナーは奮発しなきゃ。いや、待てよ。このまま小旅行ってかんじで、2,3日高級ホテルを泊まり歩こう!」
「うわぁーー! 素敵! さすがイシド伯爵ね! 私、きっと元気な赤ちゃんを産んでこのイシド伯爵家を支えていくわ。お腹の赤ちゃんは私達の『真実の愛』の結晶ね?」
「あぁ、俺たちこそは『真実の愛』で結ばれている最高のカップルだよ。ふはははは」
。:.゚ஐ⋆*🍓・:*ೄ‧͙·*✨ஐ⋆*🍓・:*ೄ‧͙·*♪
続けてもう1話更新予定です。
以下、宣伝です。
ライト文芸
「愛を教えてくれた人」
本編完結で番外編は不定期で更新中です
よろしければ、あわせてお読みくださいませ🌷🌷🌷
「さて、俺の部下どもぉーー! 今日も頑張って患者のために仕事しろよ! じゃ、俺はキャサリンと医師会の会合に出てくる」
イアンは偉そうに胸をそらし、尊大な声をあげた。
「はい、どうぞ、いってらっしゃいませぇーー」
病院の医師・看護師・事務員が一斉に頭を下げたのだった。
「あいつら、最近やりたい放題だなぁーー。アメリア様を追い出して本邸で好き勝手やってるって聞いたぜ」
「へぇーー。バカだな。あいつ婿だろ? この国の法律をわかってるのかね? 正当な当主を迫害するような真似をした奴は『爵位乗っ取り防止法』で厳しく裁かれるのに」
「あぁ、悪質であればあるほど国王陛下の怒りをかうよ」
医師達がヒソヒソと固まって噂話に花を咲かせていた。
「おーーい、集まってくれぇーー! さてと、改めて朝礼を始めるぞぉーー。まず、今日のスケージュールの確認だ。ライアンとロバートとギルバートで午前中の患者さんを診てくれな。午後からは、エリアン・オスカー・カーソンで担当するように。夜間は私が待機するのでよろしく頼む」
「はい、副医院長!」
「はぁーーい。今度はこっちに注目――! えっと今日はカレンとクララとクリスタル、アイリスが1号棟の入院患者さんの検温と血圧測定・・・・・・2号棟はサラとシエナにジャスティン、アビーね! 3号棟は・・・・・・。よろしくお願いします。さぁ、今日も一日頑張りましょう!」
「はい! 副看護部長!」
副医院長はヴィセンテ、副看護部長はアリッサ、いずれもアメリアの腹心の部下であった。イシド総合病院の医師や看護師は、すべて先代のイシド伯爵とアメリアが面接して採用した者だった。
「あのキャサリン看護部長って、いつも医院長とお出かけしますけどなんなのですか」
新人の看護師が先輩看護師に質問していた。
「あぁ、あのキャサリンはバカ医院長が飲み屋から引き抜いたらしいわ。それでも看護師資格はもってるみたいだけれど、仕事は全然できないのよ。考えられないわよねぇーー! 仕事もしないで全部アリッサ副看護部長に丸投げ!」
「あぁ、だってキャサリンが来るまでアリッサさんが看護部長だったもの。当然よね」
「え? あの医院長ってアホなんですか?」
「うん、うん。あいつは、先代が生きてる頃は勤勉で真面目だったのよ。アメリア様も大事にしていたのに。やっぱ、女ができると男は変わるのねぇ。ブサイクな入り婿のくせに」
「副医院長とアメリア様はお似合いなのに。美男美女よね?」
「副医院長は平民だから、貴族と結婚はできないわよ。どっかの養子にでもなれば別だけど・・・・・・」
「こら、そこ私語は慎んでぇーー! もたもたしない! ここは命の現場よ! 患者様の命がかかっていますから気を抜いてはだめよ。さて、各自持ち場に行ってちょうだい」
「はぁーーい。副看護部長」
「はい」
「はい、今日も頑張りまぁす!」
皆は笑顔で仕事にとりかかる。ここイシド総合大病院は、医院長とキャサリン看護部長を除く優秀なスタッフで構成された、患者達に最も信頼されている病院なのだった。
ꕤ୭*
「ねぇ、イアン。今日はどこにお出かけするぅ? 海が見たいわね!」
「あぁ、今日は暑いしなぁ。水着を買ってやろう。うんとセクシーなやつ。それで、ちょっと浜辺でイチャイチャしようか? ところで、妊娠はまだかな? 早くイシド伯爵家の跡継ぎができればいいのに」
「うふふ。あのねぇ、多分私妊娠したわ! だって、ここしばらく月のモノがないんですもの! びっくりさせよとして黙っていたの!」
「本当かい? でかしたぞ! ふははは。これでイシド伯爵家は安泰だ! 今日のディナーは奮発しなきゃ。いや、待てよ。このまま小旅行ってかんじで、2,3日高級ホテルを泊まり歩こう!」
「うわぁーー! 素敵! さすがイシド伯爵ね! 私、きっと元気な赤ちゃんを産んでこのイシド伯爵家を支えていくわ。お腹の赤ちゃんは私達の『真実の愛』の結晶ね?」
「あぁ、俺たちこそは『真実の愛』で結ばれている最高のカップルだよ。ふはははは」
。:.゚ஐ⋆*🍓・:*ೄ‧͙·*✨ஐ⋆*🍓・:*ೄ‧͙·*♪
続けてもう1話更新予定です。
以下、宣伝です。
ライト文芸
「愛を教えてくれた人」
本編完結で番外編は不定期で更新中です
よろしければ、あわせてお読みくださいませ🌷🌷🌷
11
あなたにおすすめの小説
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
reva
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
【完結】お城で愛玩動物を飼う方法~わたくしの小鳥さん達~
月白ヤトヒコ
恋愛
わたくしには、飼っている小鳥がおります。
綺麗な声で歌う小鳥さんと、綺麗な音を奏でる小鳥さん。
わたくしの我儘で・・・檻の中へと閉じ籠こめてしまった小鳥さん達。
わたくしへ安らぎを教えてくれた小鳥さん。
わたくしは大丈夫よ、大丈夫だから。
後で、ちゃんと……この手を、放すから――――
お城へ、殿下へ嫁ぐその前には――――
一人になっても、平気なように頑張るから。
だからどうか――――それまでは、待っていて? わたくしの、・・・小鳥さん達。
と、思っていたのに、王子に婚約解消を切り出されたので、これ幸いと忠告だけして小鳥さん達と出奔するお話。
令嬢がした忠告は、『お城で愛玩動物を飼う方法』にて。
メリバ風味→ハピエン風味に。
設定はふわっと。『お城で愛玩動物を飼う方法』を読んでなくても大丈夫です。
平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?
和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」
腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。
マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。
婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる