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667.氷竜12
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いけると誠一が思った次の瞬間、
ひりつく様な空気を誠一は感じた。
そして、誠一の構築した世界が崩壊した。
淀んだ空気は一瞬で雲散霧消した。
そして、誠一は左前足の爪で叩き飛ばされた。
「くっウォータボール」
シエンナの咄嗟の機転で練り上げていた魔力を展開した。
誠一は水球に包まれて、激しく木々にぶつかることはなかった。
しかし、身に付けていた純白の鎧は己の吐血により
紅く染まっていた。
「まずい。ヴェル、キャロ、竜を牽制しろっ」
ロジェがすぐさま誠一の方へ向かって走るが、
氷竜のブレスにより遮られてしまった。
「私が向かうとするか。ロジェ、回復薬を貰おう」
悠然とした態度でロジェに近づくマリアンヌだった。
「すまないが、頼む。恐らく受けた傷と
バーサーク状態のタイムアップだ。
アルフレート君は既に戦える状態ではない。
残り僅かだが、これらは神より下賜されたアイテムだ」
ロジェは、回復薬・臭い消し・ダンディーな大人の香水
・強力精力剤Xなどをあるだけマリアンヌに手渡した。
「まだ余力はありそうに感じたが、急ぐとしよう」
ヴェルは氷竜の注意を引こうと積極果敢に氷竜を
ハルバートで突いた。
氷竜は面倒くさげに竜尾を振り回して振り払おうとした。
そしてその動きは、戦い始めた当初に比べて、
より早く鋭く洗練された動きで襲いかかっていた。
氷竜は事を急がず、弄る様にヴェルを追い込んでいった。
「くそっ、これが本気の力かよ」
ヴェルは次第に追い込まれていることを感じていた。
「くそっ、一撃で刈り取るしかねーな」
ヴェルは覚悟を決めた。
避けることを止め、次の一撃が襲ってくる
その僅かな瞬間に全てをかけた。
「一点集中、一点撃破。
全ての力をここへ!フレイムランサー」
一瞬だが、巨大な鳳凰が天に向かって
大きく羽を広げて飛び上がった。
次の瞬間、鳳凰はヴェルのハルバートの穂先に
向って炎と共に収束した。
その時、既にヴェルの側面に竜尾が迫っていた。
誠一と違い、漆黒のマントや白き鎧といった
魔術による強力で防御力を嵩上げされた防具を
ヴェルは装備していなかった。
鞣した薄い革の鎧にちょっとした魔術礼装が
施されているだけであった。
無論、竜尾の勢いの前には紙に等しい防御力であった。
ヴェルは竜尾の恐怖に抗い、己の技を打ち出した。
しかし刹那の瞬間、竜尾がヴェルを捉える方が
速そうであった。
氷竜の目が羽虫の如き人間の覚悟と努力を嘲笑していた。
しかし、竜尾がヴェルを薙ぎ払うことはなかった。
アミラが竜尾とヴェルの間に入って、尾っぽを抑えつけていた。
ひりつく様な空気を誠一は感じた。
そして、誠一の構築した世界が崩壊した。
淀んだ空気は一瞬で雲散霧消した。
そして、誠一は左前足の爪で叩き飛ばされた。
「くっウォータボール」
シエンナの咄嗟の機転で練り上げていた魔力を展開した。
誠一は水球に包まれて、激しく木々にぶつかることはなかった。
しかし、身に付けていた純白の鎧は己の吐血により
紅く染まっていた。
「まずい。ヴェル、キャロ、竜を牽制しろっ」
ロジェがすぐさま誠一の方へ向かって走るが、
氷竜のブレスにより遮られてしまった。
「私が向かうとするか。ロジェ、回復薬を貰おう」
悠然とした態度でロジェに近づくマリアンヌだった。
「すまないが、頼む。恐らく受けた傷と
バーサーク状態のタイムアップだ。
アルフレート君は既に戦える状態ではない。
残り僅かだが、これらは神より下賜されたアイテムだ」
ロジェは、回復薬・臭い消し・ダンディーな大人の香水
・強力精力剤Xなどをあるだけマリアンヌに手渡した。
「まだ余力はありそうに感じたが、急ぐとしよう」
ヴェルは氷竜の注意を引こうと積極果敢に氷竜を
ハルバートで突いた。
氷竜は面倒くさげに竜尾を振り回して振り払おうとした。
そしてその動きは、戦い始めた当初に比べて、
より早く鋭く洗練された動きで襲いかかっていた。
氷竜は事を急がず、弄る様にヴェルを追い込んでいった。
「くそっ、これが本気の力かよ」
ヴェルは次第に追い込まれていることを感じていた。
「くそっ、一撃で刈り取るしかねーな」
ヴェルは覚悟を決めた。
避けることを止め、次の一撃が襲ってくる
その僅かな瞬間に全てをかけた。
「一点集中、一点撃破。
全ての力をここへ!フレイムランサー」
一瞬だが、巨大な鳳凰が天に向かって
大きく羽を広げて飛び上がった。
次の瞬間、鳳凰はヴェルのハルバートの穂先に
向って炎と共に収束した。
その時、既にヴェルの側面に竜尾が迫っていた。
誠一と違い、漆黒のマントや白き鎧といった
魔術による強力で防御力を嵩上げされた防具を
ヴェルは装備していなかった。
鞣した薄い革の鎧にちょっとした魔術礼装が
施されているだけであった。
無論、竜尾の勢いの前には紙に等しい防御力であった。
ヴェルは竜尾の恐怖に抗い、己の技を打ち出した。
しかし刹那の瞬間、竜尾がヴェルを捉える方が
速そうであった。
氷竜の目が羽虫の如き人間の覚悟と努力を嘲笑していた。
しかし、竜尾がヴェルを薙ぎ払うことはなかった。
アミラが竜尾とヴェルの間に入って、尾っぽを抑えつけていた。
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