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風紀委員の追憶
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しおりを挟むそんなある日、副委員長様が比較的落ち着いていらっしゃる時に、とある勇気ある風紀委員が問うた。
何故リコールの条件が全て整っているというのに、リコールをせず生徒会の仕事を手伝っているのか、と。
その言葉に、私は二度驚いた。
私は平も平、ど底辺を彷徨う風紀委員のため、よく事件に駆り出されほとんど風紀委員室に来なくなってしまったので、学園の情報を知る手立ては、やはり我が友人である腐男子だった。
それもどこから入手して来ているのか疑問に思う程に最新の、そして関係者の一部しか知らないような深部の情報で、一度つい情報源を問いかけると、友人は何とでもないような顔で、
『俺、この学園の【王】と偶々知り合って腐友になってさー、この学園の情報を流してもらう代わりに情報操作とか管理とか任されてんのー。凄いっしょー?あ、ちなみにこれ秘密にしといてねー?じゃないと俺、冗談抜きで消されるからー』
いつもの無駄に間延びした口調だが、その表情は真剣そのもの。
特にその眼に映る【王】とやらに対する《絶対従順》の姿勢が真実味を帯びていたから、敢えて何も言わずに頷いた。
実は意外と肝の据わっている友人さえ本能的に畏怖しひれ伏す【王】とは、一体誰なのであろうか?
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