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第176話

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【アサヒ視点】

 長かった。
 やっとレベル1000になり僕は邪神になった。
 もう誰も僕を倒せないだろう。

 そんな事も知らず、攻めてきたようだね。
 夜に紛れて、奇襲のつもりかい?
 軍を引き連れて来ても神である僕には勝てないのに。

 僕だけでも邪神で最強だ。
 しかも、僕には4体の分身体がいる。
 邪神とその下僕4体が一斉に襲い掛かるんだ。
 僕に勝てるわけがない。

 今まで女を抱いてこなかった。
 もう我慢する必要はないよ!
 沢山の女が僕にやられて抱かれに来たんだ。

 僕と分身体4体は森を出て、軍に向かって歩いていく。



【ハヤト視点】

 陣を組んでアサヒの元に迫ると、森からアサヒとその分身体が姿を現した。

「やあ、ハヤトじゃないか!丁度いい所に来てくれたね!殺されに来てくれるとは、手間が省けたよ」

「残念ながらアサヒの相手は俺じゃない」

 俺の横からカムイパーティーが出てくる。
 サミスの能力が強化され、ソウルスキルきゅうでカムイパーティーは復活した。
 サミスは邪神の呪いを解いてしまったりと斜め上の活躍を見せる。

「知っているよ!カムイは邪神殺しのソウルスキルを持っているんだよね?奇跡の復活を遂げてサプライズのつもりかい?邪神殺しのカムイを出して得意になっているのかい?だから何!?たったそれだけで優位に立ったとでも思っているのかい!?ハヤト、君は害虫らしく逃げる為の判断だけは正確だと思っていたけど、害虫以下のようだね!?僕のレベルは1000に達して神の領域まで上り詰めたんだ!いくら軍で襲い掛かって来てもありがたいとしか思えないよ!」

「アサヒ、言いたいことは、言い終わったか?」

 そう言ってカムイは剣を構えた。
 後ろにいる2人も戦闘態勢に入る。

 アサヒのこめかみに青筋が立った。

「神である僕への不遜な態度!カムイ!君から殺してあげよう!後ろの2人は僕が可愛がってあげるから、心配しなくていいよ!?分身体!行け!」


 分身体が走って近づくと、ファルナの号令でカースウォー&攻撃魔法が発動する。

 アサヒの分身体は魔法攻撃の集中攻撃を受けるがサイドステップを踏みながら倒れることなく迫って来る。

「はははははははは!僕より弱い分身体を1体も倒せていないようだね!勝ちだ!僕の勝ちだよ!」
「ひるんではいけませんわ!確実にダメージは与えていますわよ!攻撃を続けるのですわ!」

 分身体が近づく瞬間に俺達と戦士部隊が前に出た。

 俺一人で分身体を1体。
 ファルナ・エリス・シルビアが分身体を1体。
 ヒメ・アオイ・サミスが分身体を1体。
 そして他の全員で分身体1体。

 それぞれ相手にする。

 そしてカムイパーティーがアサヒの相手をする。
 あらかじめそう決めていた。

 俺は弱体のツインハンドガンを撃ちこみ俺が戦う分身体を弱体させた。 

「超強化弾丸!未来を掴む者!」

 俺の使えるソウルスキル4つを使い、分身体を攻撃する。

 分身体がファイアを撃ってくるが躱して刀をヒットさせる。
 分身体はリカバリーで俺の弱体を解除できない事が分かると、ヒールを連発しつつ、両手で刀を発生させ攻撃してくる。

 色々多彩な攻撃を仕掛けては来るが、脅威には感じなかった。
 そう、勇者、器用貧乏な勇者の戦い方に似ている。
 そしてしぶとく倒すまで時間はかかりそうだが、ファングより弱く感じた。

 俺は弱体した分身体に刀コンボの連撃攻撃を当て続けた。



 しぶとい!
 何度攻撃を当てても倒れない。
 HPが半分になると、体が光り、HPを回復させつつヒールの魔法を連発しながら刀を振って来る。
 他の分身体を見ると距離を取った瞬間に腕を銃に変えて遠距離攻撃と攻撃魔法を乱射していた。
 アサヒは【超再生】の特性と持っている。
 分身体でさえしぶとい。
 俺は何度も何度も攻撃を続けた。



 俺は近距離を維持しつつ刀を振り、何とかアサヒの分身体を倒した。
 倒すために回復弾丸を2つ消費し、超強化弾丸を1つ使った。

 残りの分身体は3体。

 軍の兵が分身体に殺されている。
 俺は軍と戦っている分身体に飛び込み刀の連撃を食らわせ続けた。
 このペースではすべての弾丸を使い尽くすだろう。



 無事に2体目の分身体を倒すが、MPも、弾丸も使い切ってしまった。
 次はヒメ・アオイ・サミスが戦う分身体と闘おうとするが、2体の分身体はアサヒの元に集まる。

「く!しまった!」

 俺達はアオイから聞かされていた。

『アサヒは分身体を吸収して回復する』

 その為、分身体はすべて倒しておきたかった。

 アサヒが大声で笑う。

「ははははははははははは!驚いたかい!カムイ!邪神殺しのソウルスキルを持っていてもほら、もう元通りに回復したんだ!おまけに予備は後1体いるよ!カムイ、疲れて息が上がっているよ!はははははははははははは!」

「サミス!ヒメ!予定通りに頼む!」
「カースウォー・ギフト!」
「きゅう!出番ですよ!」
「きゅう~!」

 俺は白と黒のオーラをまとってアサヒに向かって走る。
 分身体とアサヒに弱体のツインハンドガンを撃ちこんだ。
 その瞬間分身体はアサヒの前に出て、腕を変化させて大きな盾を作りだした。
 すべての弾丸は分身体に当たり、分身体だけが弱体された。

「僕には当たらなかったようだね!分身体、よくやったよ!」

 俺はアサヒの言葉を無視するように分身体にターゲットを絞り、攻撃を繰り出した。
 これ以上回復させるわけにはいかない!
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