二次元都市の名探偵は三次元を嗤わない

新ホログラフィック宇宙論に基づく実験失敗で、二次元の強制実体化が発生した22世紀初頭。この中心となった仙台市は十年後、フィクション世界の住人たる二次元人たちと普通の人間である三次元人たちとが共存する閉鎖都市になっていた。

そんな街で〝三次を嗤う者は二次に泣く〟の文句を掲げ、日本で唯一の二次元関連事件を専門に扱う私立探偵、複家紗流《ふくやしゃる》。少女にしか見えないが大人で、現実離れした才能を持ち、二次元ではないかと疑われながらも三次元であるという彼女は、初めての助手を募集する。

応募したのは、高校進学と同時に仙台外部から越してきた二次元好きの少年、和田成《わだそん》だった。「ワトソンっぽい」という理由で採用された彼は、紗流と共に二次元に纏わる奇妙な事件に係っていくことになる。
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