放浪のお忍び半神王女は、一度は聖女に祭り上げられ王太子の婚約者にされるも、用が済んだので追放された。守護神は恐怖で逃げ出した。

「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「ああ、癒しの聖女殿。
 どうか我が国の民を救ってください。
 私はボルゴア王国の王太子ジャクソンと申します。
 我が国には疫病が蔓延しており、民が次々と死んでいるのです。
 一国一秒でも早く、癒しの聖女をお迎えするか、薬を手に入れるかしなければ、民が全て死んでしまいます。
 どうか我が国でその癒しの技をお恵みください。
 私にできるお礼なら、この命さえ捧げます。
 どうかお慈悲でございます」

 全然真心のこもっていない、口先だけの言葉です。
 利用するだけして、礼も渡さずに放り出すつもりでしょう。
 もしかしたら殺すつもりなのかもしれません。
 ですが、疫病が国中に蔓延しているというのは本当のようです。
 その言葉だけは真実だと、遠見の力のある私には分かります。

 それに、この自称王太子の守護神は、随分力の弱い神のようです。
 この程度の神なら、神の支配する領分に入っても、負ける事はないでしょう。
 このようなクズも、こんなクズを育てた王家にも用はありませんが、疫病で死んでいく民はかわいそうです。
 そのような民を救いたいからこそ、国を出て癒しの旅をしているのです。

「分かりました。
 疫病に苦しむ人々を助ける事は、私に与えられた天命です。
 ですが、守護神様はいいのですか?
 守護神様が護られる領地に、癒しの力を持ったモノが勝手に入って、天罰を受けたりはしませんか?」

「それは大丈夫でございます。
 癒しの聖女殿を探しに国を出る時に、守護神様の許可を受けております」

 その言葉に嘘はないようですね。
 ただ、癒しの聖女殿という言葉には、私をおだてて利用しようという、矮小で利己的な考えがこもっています。
 まあ、いいです。
 疫病に苦しむ民を助けるためなら、歪んだ欲望くらい満たしてあげましょう。
 ですが、キッチリ言質を取っておかないといけません。
 王族からだけでなく、守護神からも!

「ですが相手は身勝手な神様です。
 後でそんな約束などしていないと言う心配がありませす。
 ここからで結構ですので、今一度、私を守護神様の護られる領地に入る許可を確認してください。
 確認していただいて、守護神様が許可してくだされば、この足でボルゴア王国に行かせていただきます」
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