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第1章

中山競馬場で大穴 クリスマスイルミネーション

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中山競馬場正門内

「綾香さん、僕は馬券を換金してATMで入金してきますから、太郎君と花子ちゃんをお願いします」

「任せて下さい」

「戻ってくるのが間に合わなかったら、携帯で馬の情報を教えて下さい」

「分かりました、勝也さんが戻ってこれなかった時は、携帯で連絡させてもらいます」

 俺達はバイキングの朝食を愉しんでから大井のホテルを出て、大井駅から船橋法典駅まで電車に乗って中山競馬場まで来ていた。

電車代:700円×2=1400円

 9時の開門後直ぐに中山競馬場に入り、正門前広場でキッチンカーを使って売られている、大分中津からあげと大分中津からあげなんばんを買って小腹を満たした。

 第1競走の馬の状態を太郎君と花子ちゃんに見てもらい、ネットで投票すると共に現金でも馬券を購入するため、俺だけが移動することにした。

 なぜなら30分おきにパドックに馬が出てくるので、広大な中山競馬場では、4人で移動すると間に合わない可能性があると考えたからだ。

 そして1番の問題は、先週勝った馬券の換金と入金だった。何千万もの大金を換金し、メインスタンド1階のATMで入金するとなると、何時誰に狙われるか分かったものじゃない。太郎君と花子ちゃんに綾香さんにまで、類が及ぶ事があってはならない!

 本当なら、太郎君と花子ちゃんには、中山競馬場で開催されている色々なイベントに参加させてあげたい!

 大好きな馬車に乗せてあげたいし、ジョッキーの格好で記念写真を撮ってもあげたい。グランプリロードからウイナーズサークルで行われる、馬のお出迎えにも連れて行ってあげたかったが、それもかなわない。

 俺自身が大好きだったゴーカート、馬の形を模しただけの子供だましだけど、それでも子供の頃は乗れてうれしかったものだ。もっとも俺の年では、百貨店やスーパーの屋上にある、レーシングアニメを模したゴーカートだったけれど。

「12月2日の中山競馬場イベント」
馬車運行
ジョッキースタイル撮影会
体験乗馬
ミニチュアポニーウォーキング
馬のお出迎え
ターフィーグリーティング
くものじゅうたん
アスレチック遊具
うまゴーカート
ぽんぽんバス
スターライトトレイン
クリスマスカフェ
不思議な世界に入り込め! ライトアップマット
ミニゲームで遊ぼう! クリスマスゲームハウス
話題のARで変身しよう! なりきりサンタ

『グルメイベント』
「千葉の駅弁屋さん弁当販売」
漁り弁当:1150円
「スィーツフェア」
パステル
なめらかプリン           :356円
パステルこだわりジャージー牛乳プリン:356円
「キッチンカー」
からあげ華鶏
大分中津からあげ    :600円×4=2400円
大分中津からあげなんばん:700円×4=2800円
サッポロ生ビール黒ラベル「JRA 有馬記念缶」キャンペーン販売
有馬記念オリジナルカクテル販売

唐揚代:5200円

「綾香さん、第2競走の馬を教えて下さい」

「戻れそうにありませんか?」

「はい、ちょっと難しいですね」

 先週に勝った馬券を全て換金し、ATMで入金するのは時間が足らなかった。金額が大きすぎるから、何度も分けて入金しなければならなない。馬券を外した人が、ATMで現金を出そうとするから、1度に長くATMを独占する訳にもいかない。

「「「「「うおぅ!」」」」」

 第1競走の結果が決まると、場内にどよめきが広がった!

 大穴が出たようなのだが、そうなるとほぼ間違いなく大勝ちできたことになる。

 単勝から三連単まで軽く暗算してみたが、ネット投票も現金投票も、それぞれ1億4000万円前後勝っているように思う。2歳馬の未勝利戦だから、多少は荒れて当然なのだが、これほど大きな配当がつくとは思わなかった。

「綾香さん勝也です」

「はい、どうされました?」

「場内アナウンスは聞かれましたか?」

「はい、大穴が出てどよめいていましたね」

「はい、それで換金と入金に時間がかってしまいそうなんです」

「分かりました、第3競走も私達だけで馬を見させてもらいますから、心配しないでください」

「ありがとございます。換金と入金が済んだら、出来るだけ早くそちらに行きます」

「はい、御待ちしています」

 だがその約束は守ることが出来なかった!

 事もあろうに、第2競走でも現金ネットそれぞれで1億円以上勝つ事になり、さらに第3競走でも現金ネットそれぞれで1億6000万円近く勝つ事になったのだ!

 はっきり言おう、こんな金額を大衆の面前で払い戻しする事も、ATMで何度も何度も入金することもできはしない。比較的払い戻し金額の少ない、複勝やワイドの馬券を換金入金する事は出来たが、三連単・三連複・馬単・馬連は換金できない。

「大丈夫でしたか?」

「はい大丈夫です、無理されなくても私達は大丈夫ですよ」

「大丈夫だよぉ~」

「花子も大丈夫だよぉ~」

 人目を気にしながらの換金入金だから、とてもではないが全部は無理だった。午前の第5競走までに、現金だけで4億5000万円以上勝ったのだから当然だろう。

 だがだからと言って、太郎君と花子ちゃんはもちろん、綾香さんも蔑ろにしていいと言う話にはならない。

 そこで昼食に使える1時間は、綾香さんが大好きなラーメンを食べれる上に椅子に座れ、中華料理も食べれる地下1階の中華料理屋さんに行くことにした。

「メニュー表」
焼きそば    :720円
ラーメン    :620円
チャーシューメン:720円
タンメン    :720円×1=720円
味噌ラーメン  :720円
中華丼     :620円
鳥の唐揚    :400円
もつ煮込み   :450円×1=450円
焼売      :470円×1=470円
餃子      :400円×1=400円
餃子定食    :650円
カレーライス  :650円
カツカレー   :780円
おでん     :450円×1=450円
うま勝つ丼   :720円
ソースうま勝つ丼:720円
チャーハン・ラーメンセット:800円
半カレー・ラーメンセット :800円
牛スタミナ焼き&ハンバーグ盛り合わせ:880円×1=880円

生ビールセット有

小計:3370円

「何を食べる?」

「ジュース」

「花子もジュース」

「あの、勝也さん、太郎君と花子ちゃんは他に食べたい物があるようなので、今日は別にラーメンじゃなくても」

「そうですね、太郎君と花子ちゃんに綾香さんも、隣の御餅が気になるようですね」

「御餅食べたい~」

「花子も御餅食べたい~」

 そうなのだ、昨日時点では太郎君も花子ちゃんも綾香さんも、ラーメンやタンメンを食べる気満々だったのだが、実際にここに来てみると、隣に御餅を売っている売店があったのだ。それを見て3人とも無性に御餅が食べたくなったのだろう。

「じゃあこうしましょう、餅を食べたいだけ買ってまず食べる。その後で中華屋さんに入ってラーメンを食べる。で、残った御餅を持ってパドックに行くと言うのでどうでしょうか?」

「それでいい~」

「花子もそれでいい~」

「私の所為ですね、ごめんなさい」

「そんな事無いですよ、僕のスタミナ焼きとハンバーグが食べたかったですから」

「メニュー表」
カツサンド:430円×4=1720円
磯部巻  :140円×3=420円
あんこ餅 :290円×3=870円
からみ餅 :290円×3=870円
黄な粉餅 :290円×3=870円
田舎しるこ:370円×3=1110円
唐揚げ串 :210円
味噌串カツ:220円
おこのみ串:200円
唐揚げおにぎり:130円
昆布おにぎり :130円
鮭おにぎり  :130円
山菜おにぎり :130円
じゃが丸フライ:250円
コーヒー   :270円
オレンジジュース:150円
ソフトアイス :300円
(チョコバナナ・ストロベリー・ラムレーズン・抹茶)

小計:5860円

 太郎君と花子ちゃんは、最初に磯辺焼きを食べ次に田舎しるこを美味しそうに食べていた。

 後で太郎君と花子ちゃんに聞いた話だと、小豆粒が一杯入ったどっしりとした甘さのお汁粉に、でっかい焼き餅が1個入った田舎風のおしるこだそうだ。自家製だと言うお餅は、柔らかくもっちもっちの食感で、焦げ目の香ばしさに心がほっこりしたそうだ。

 約350mlサイズのカップになみなみと入っているため、お腹にずしっと来て、1杯食べただけでお腹一杯になるボリューム満点のおしるこだったそうだ。

 太郎君と花子ちゃんが満足した後で、パドックで食べる御餅とカツサンドを持って中華屋さんに入り、綾香さんはタンメンを食べ、俺は牛スタミナ焼き&ハンバーグ盛り合わせを食べた。他にも惣菜類を頼んで食べたが、太郎君と花子ちゃんに綾香さんも、惣菜には手を付けなかった。

 御餅が食べたくて、他の物をお腹に入れる余裕がないのだろう。

 この後も俺はATM周りで待機し、第7競走でも現金だけで7300万円以上の勝ちとなった。

 16時30分から21時まで、クリスマスイルミネーションが行われるが、その中でもスターライトトレインには太郎君と花子ちゃんを乗せてあげたい。同じく16時30分から受付が始まる「話題のARで変身しよう! なりきりサンタ」や、17時30分から受付が始まる「不思議な世界に入り込め! ライトアップマット」「ミニゲームで遊ぼう! クリスマスゲームハウス」も愉しませてあげたい。

 結局全12競走が終わって、ネット投票と現金投票でそれぞで5億0978万3000円づつ勝っていた!

ネット投票:5億0978万3000円
現金投票 :5億0978万3000円

 全競走が終わった後で、スターライトトレインなどのクリスマスイルミネーションなどを散々愉しみ、タクシーで予約していたホテルまで行った。

 ホテルと言っても、製パン会社の企業年金基金会館なのだが、そこしか4人一緒の部屋を取れる場所が近くになかったのだ。あくまでもネットで調べた範囲で、安心して泊まれそうな宿と言う意味であって、他に全くなかったわけではない。

 決め手となったのは、朝食がバイキングで食べ放題だったことと、ツインルームを2つ繋げてコネクトルームとして宿泊出来る事だった。

タクシー代:2710円

「お腹は空いていませんか?」

「大丈夫だよぉ~」

「花子も大丈夫だよぉ~」

「御餅が結構お腹に溜まったようです、全く空腹を感じません」

「日持ちのするパンやお菓子がありますから、どうしてもお腹が空いたらそれを食べて下さい」

「分かったぁ~」

「花子も分かったぁ~」

「大丈夫ですよ、勝也さん」

宿泊料金:3万3200円
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