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19.残念なイケメン、ロジャー登場
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翌朝早い時間にロジャーが護衛と共に到着した。
ロジャーはひょろっと背が高く長く伸ばした黒髪を緩く後ろで束ね、かけている眼鏡がいつも少しずれている。
(眼鏡の意味あるのかしら?)
ロジャーはガードナー商会でルーシーに次ぐ鑑定レベルを持ち、アンバーシア王国の北にあるマインツ地方を担当している。
マインツ地方の中心はオーモンド伯爵が治めるケラーバスで、ここは南のアンドロ・東のテスタリア・西のバヴァリを繋ぐ重要拠点。
早くから灌漑工事を行った豊かな農耕地では三圃式農業を取り入れ、秋蒔きの冬穀・春蒔きの夏穀・休耕地での家畜の放牧の三種類をローテーションし、生産力の大幅向上させた。
城門の近くは宿場町として賑わいを見せており、多くの行商人が旅の疲れを癒やすとともに各地の様々な品が取引されている。
マインツ支店にも毎日多くの商品が持ち込まれるが、行商を行う商人の中には紛い物や不良品などを持ち込む輩もおり鑑定スキルが必須の街と言える。
「商会長からの早馬が来たんだけど」
「私一人では間に合いそうになくて・・」
「まじ? それって地獄・・。帰っていいかな」
一見すると物静かな学者風のロジャーだが、口を開くとかなり残念な人になる。
「逃すと思う?」
「・・思わない」
ルーシーとロジャーはアリスと護衛を従えて第四倉庫にやって来た。
「げっ、何これ! どんだけあんの? ってかどうやって運んだの?」
「マルフォーのタウンハウスから持ち出したの。私物を」
「テーブルからカーテンまで、身ぐるみ剥がして来たんだ。盗賊よりすげぇ」
「お礼ははずむわ。宜しくね」
早速鑑定をはじめたルーシーに、
「俺さあスキル持ちとスキル持ちの子供がスキル持ちになるのかすんげぇ気になるんだよね。お礼はそれで」
「商会長に言ってみる?」
「げっ、まだ死にたくないかも」
ルーシーが説明をしてロジャーが鑑定。その後アリスが記帳しアレックスとジェイクが品物を脇に退ける。
「これは客室にあったタペストリー」
「これは応接室の・・」
「これはティーセットだけど、カップが一つ欠けてるはず・・」
「これは厩舎にあったサ「待った、もう無理! 魔力が足りない。一体どんだけあるんだ、ちっとも終わらないよ」」
二時間程で悲鳴を上げたロジャーに倉庫の外で休憩をしてもらう事に。
「ロジャーは休憩してて、その間は私がやるから。アリス達は大丈夫? 辛かったら一緒に休憩しててね」
「問題ないです。続けましょう」
ロジャーが十分くらいで戻ってきた。恐らく魔力ポーションを飲んだのだろう。
ルーシーが鑑定していくスピードを見てロジャーが呆然としている。
「ルーシーってば益々スキルレベル上がってない? しかも魔力練り上げるの早すぎ」
ダイニングテーブルを二人がかりで運んでいたアレックス達が苦笑い。
「ここにあるの全部ほんの数時間で持ち出したらしいぜ」
「まじか、ルーシー化け物・・」
「ロジャー? 聞こえてるわよ」
「いやぁ、流石ガードナー商会筆頭鑑定士だなぁと」
「今日のおやつに王都で新しく出来たお店のコンフェッティを準備してたけど、ロジャーの分が足りないかも」
「ごめんなさい。おやつ・・食べたいっ」
ロジャーはひょろっと背が高く長く伸ばした黒髪を緩く後ろで束ね、かけている眼鏡がいつも少しずれている。
(眼鏡の意味あるのかしら?)
ロジャーはガードナー商会でルーシーに次ぐ鑑定レベルを持ち、アンバーシア王国の北にあるマインツ地方を担当している。
マインツ地方の中心はオーモンド伯爵が治めるケラーバスで、ここは南のアンドロ・東のテスタリア・西のバヴァリを繋ぐ重要拠点。
早くから灌漑工事を行った豊かな農耕地では三圃式農業を取り入れ、秋蒔きの冬穀・春蒔きの夏穀・休耕地での家畜の放牧の三種類をローテーションし、生産力の大幅向上させた。
城門の近くは宿場町として賑わいを見せており、多くの行商人が旅の疲れを癒やすとともに各地の様々な品が取引されている。
マインツ支店にも毎日多くの商品が持ち込まれるが、行商を行う商人の中には紛い物や不良品などを持ち込む輩もおり鑑定スキルが必須の街と言える。
「商会長からの早馬が来たんだけど」
「私一人では間に合いそうになくて・・」
「まじ? それって地獄・・。帰っていいかな」
一見すると物静かな学者風のロジャーだが、口を開くとかなり残念な人になる。
「逃すと思う?」
「・・思わない」
ルーシーとロジャーはアリスと護衛を従えて第四倉庫にやって来た。
「げっ、何これ! どんだけあんの? ってかどうやって運んだの?」
「マルフォーのタウンハウスから持ち出したの。私物を」
「テーブルからカーテンまで、身ぐるみ剥がして来たんだ。盗賊よりすげぇ」
「お礼ははずむわ。宜しくね」
早速鑑定をはじめたルーシーに、
「俺さあスキル持ちとスキル持ちの子供がスキル持ちになるのかすんげぇ気になるんだよね。お礼はそれで」
「商会長に言ってみる?」
「げっ、まだ死にたくないかも」
ルーシーが説明をしてロジャーが鑑定。その後アリスが記帳しアレックスとジェイクが品物を脇に退ける。
「これは客室にあったタペストリー」
「これは応接室の・・」
「これはティーセットだけど、カップが一つ欠けてるはず・・」
「これは厩舎にあったサ「待った、もう無理! 魔力が足りない。一体どんだけあるんだ、ちっとも終わらないよ」」
二時間程で悲鳴を上げたロジャーに倉庫の外で休憩をしてもらう事に。
「ロジャーは休憩してて、その間は私がやるから。アリス達は大丈夫? 辛かったら一緒に休憩しててね」
「問題ないです。続けましょう」
ロジャーが十分くらいで戻ってきた。恐らく魔力ポーションを飲んだのだろう。
ルーシーが鑑定していくスピードを見てロジャーが呆然としている。
「ルーシーってば益々スキルレベル上がってない? しかも魔力練り上げるの早すぎ」
ダイニングテーブルを二人がかりで運んでいたアレックス達が苦笑い。
「ここにあるの全部ほんの数時間で持ち出したらしいぜ」
「まじか、ルーシー化け物・・」
「ロジャー? 聞こえてるわよ」
「いやぁ、流石ガードナー商会筆頭鑑定士だなぁと」
「今日のおやつに王都で新しく出来たお店のコンフェッティを準備してたけど、ロジャーの分が足りないかも」
「ごめんなさい。おやつ・・食べたいっ」
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