88 / 97
86.面の皮の厚さはどれ位?
翌日、王都に着く前に手に入れた(一日前の)朝刊にはデカデカとメイルーン達の悪行が掲載されており、街中がその話題で大騒ぎになっていた。
「おい、あの行列が新聞に載ってたやつか!?」
「グールズベールの方から来たから間違いないだろ!」
「第二騎士団が護衛してる! 間違いない、奴らが乗ってる護送車だ」
道の両端には興味津々の貴族から平民まで、貴賤を問わず立ち並んでいる。
(この逮捕劇が上手くいけば教会の横暴が収まるかな)
(失敗する可能性の方が高い⋯⋯けと、頑張って)
(一泡吹かせてくれ!)
成功を期待して道に並びながらも、失敗する可能性の方が高いと誰もが思っている。今まで何があっても何もできないで耐えてきた彼らの表情は、戦地に赴く戦士を見送るより時も緊迫した顔つきになっていた。
(頼む!)
(どうか⋯⋯)
(犬死にするに違いねえ⋯⋯それでも)
国のトップに立ち向かう無謀とも言える今回の行動に、複雑な思いを抱えて列の最後尾を見送る観衆は、知らず知らずのうちに頭を垂れていた。
王都に近付くにつれて観衆はどんどん増えていくが、誰ひとり道を遮るものはいなかった。
「流石に教会は動かないようね」
「ああ、今頃は国王やら議員やらを集めて金をばら撒くのに忙しいんじゃねえか?」
馬車の窓にしっかりと掛けられたカーテンの陰から外の様子を覗いたメリッサがホッと溜息をついた。
(これだけの人の中で教会関係者が隊列の前に飛び出してきたら、怪我人が出そうで心配だったんだよね)
教会関係者が騒いでも暴動にはならないだろうが、逃げ惑う観衆がパニックになる可能性が高い。
「この関心の高さは間違いなくホッグスのお手柄だな。さっきリチャードが言ってたんだけどな、続編はまだかって問い合わせがすごいらしい」
朝刊の一面に書ききれなかったネタはまだ大量に残っているが、翌日の朝刊はいつもと変わらない議会の話などで無理矢理埋め尽くされていたらしい。
「普段なら一面にならない辺境の天気の話とかが載ってて、スペースを埋めるのに苦労してた感じだったよね~」
「国と教会を恐れているモーニング・グローの上層部が続編を許可しないんでしょうが、大量の広告と野菜の出荷状況を載せていたのには笑いました」
「続編が遅れれば遅れるほど国民の関心が集まってくるってのによお⋯⋯今まで長いもんに巻かれてた新聞社のお偉方に『ざまぁ』ってやつだよな」
長いものに巻かれろと国や教会に都合のいい話ばかりを載せて、購買数を増やしてきたモーニング・グローに一泡吹かせることができた。次に動くのは第一騎士団辺りか⋯⋯。
第二騎士団は軍事演習だと言って王都を出た。彼等の勝手な行動を咎めるあたりから攻め込んでくるだろう⋯⋯と言うのがメリッサ達全員の予想だった。
王都に入る関所の前では予想通り、黒地に金ボタンが映える第一騎士団が整列している。その近くでは関所を通れず列を作っている商人達が、不満げな顔でヒソヒソと話をしていた。
「これって例の新聞に載ってたやつ?」
「見ろよ、大行列じゃないか!」
結果がどうなるのかなど関係なしに、今一番話題になっている騒動を目撃できた喜びで騒ぎが大きくなりはじめた。
「いや~、予想通り過ぎてウケる~。リチャードの頑張りどころだが、失敗したら奴のケツに何歳まで蒙古斑があったか大声で叫んでやるかな~」
ルーカスがワクワクしながら窓をほんの少し開けて外の声に耳を傾けた。
「第一騎士団団長マードック・ポンフリーである。この隊列の責任者は第二騎士団か!? カーマイン団長、前へ出てこい!!」
馬から降りたフレッド・カーマイン第二騎士団団長とリチャード・メイソン裁判官が並んで前に出ると、一瞬驚いた顔をしたポンフリーの眉間に皺がよった。
「今はこのような大規模な隊列を組んで王都に戻って来た、第二騎士団に是非を問う。リチャード・メイソン裁判官はお下がり下さい」
「このような事態になったのは私の依頼によるもの。私からご説明申し上げるのが筋かと思いましたが?」
「⋯⋯カーマイン、それは本当か?」
「軍事演習に向かう途中、リチャード・メイソン裁判官より緊急の救援依頼を受けた。複数の人命に関わる事態で、王都への確認をする時間的余裕はないと判断した。問題があるとは思えんが?」
奥歯を噛み締めてリチャードとフレッドを睨みつけたポンフリーが後ろに振り返り、何やら指示を与えてリチャード達に向き直った。
「お、伝令が走ったぞ⋯⋯う~ん、司法長官でも呼び出す気だな」
緊張感が増していく騎士団員とは逆に、ますます楽しそうな声を上げたルーカスは、興味津々で聞き耳をたてる商人達よりも喜んでいるようにみえた。
「ゴホン! で、では話を聞かせていただこう」
「数日前に別件で内偵させていた者から連絡が来ました。真偽の程を確かめに出向く途中で、たまたまグールズベールに大量の武器を抱えた傭兵や、兵士崩れが終結しているという話を聞きまして。
運良く第二騎士団が近くを通ると聞き支援を求めたのですよ」
メイスンの白々しい説明に『ふんっ』と鼻を鳴らしたポンフリーが、腕を組んで腹を突き出した。
「別件で内偵して、たまたまで運良く? その嘘臭い話を信じろと?」
「では、別の話でもあると言われるのですかな? あれば是非お聞かせ願いたい」
「⋯⋯お、王都での騒ぎを知らんとでも言われるつもりか?」
「ん? ああ、モーニング・グローの一面の記事の事を申されているなら、昨日初めて知りましてな⋯⋯何しろグールズベール辺りにはまだ届いておりませんでしたから、行軍の途中で読んで摩訶不思議な偶然に驚いております」
「流石、腐っても特級職の裁判官だな~。リチャードの面の皮の厚さは、屋敷の壁より厚そうだぜ」
ふふんと楽しげに笑ったルーカスが『知ってるか? 昔あいつは⋯⋯』と言いかけてメリッサに脇腹を小突かれた。
「おい、あの行列が新聞に載ってたやつか!?」
「グールズベールの方から来たから間違いないだろ!」
「第二騎士団が護衛してる! 間違いない、奴らが乗ってる護送車だ」
道の両端には興味津々の貴族から平民まで、貴賤を問わず立ち並んでいる。
(この逮捕劇が上手くいけば教会の横暴が収まるかな)
(失敗する可能性の方が高い⋯⋯けと、頑張って)
(一泡吹かせてくれ!)
成功を期待して道に並びながらも、失敗する可能性の方が高いと誰もが思っている。今まで何があっても何もできないで耐えてきた彼らの表情は、戦地に赴く戦士を見送るより時も緊迫した顔つきになっていた。
(頼む!)
(どうか⋯⋯)
(犬死にするに違いねえ⋯⋯それでも)
国のトップに立ち向かう無謀とも言える今回の行動に、複雑な思いを抱えて列の最後尾を見送る観衆は、知らず知らずのうちに頭を垂れていた。
王都に近付くにつれて観衆はどんどん増えていくが、誰ひとり道を遮るものはいなかった。
「流石に教会は動かないようね」
「ああ、今頃は国王やら議員やらを集めて金をばら撒くのに忙しいんじゃねえか?」
馬車の窓にしっかりと掛けられたカーテンの陰から外の様子を覗いたメリッサがホッと溜息をついた。
(これだけの人の中で教会関係者が隊列の前に飛び出してきたら、怪我人が出そうで心配だったんだよね)
教会関係者が騒いでも暴動にはならないだろうが、逃げ惑う観衆がパニックになる可能性が高い。
「この関心の高さは間違いなくホッグスのお手柄だな。さっきリチャードが言ってたんだけどな、続編はまだかって問い合わせがすごいらしい」
朝刊の一面に書ききれなかったネタはまだ大量に残っているが、翌日の朝刊はいつもと変わらない議会の話などで無理矢理埋め尽くされていたらしい。
「普段なら一面にならない辺境の天気の話とかが載ってて、スペースを埋めるのに苦労してた感じだったよね~」
「国と教会を恐れているモーニング・グローの上層部が続編を許可しないんでしょうが、大量の広告と野菜の出荷状況を載せていたのには笑いました」
「続編が遅れれば遅れるほど国民の関心が集まってくるってのによお⋯⋯今まで長いもんに巻かれてた新聞社のお偉方に『ざまぁ』ってやつだよな」
長いものに巻かれろと国や教会に都合のいい話ばかりを載せて、購買数を増やしてきたモーニング・グローに一泡吹かせることができた。次に動くのは第一騎士団辺りか⋯⋯。
第二騎士団は軍事演習だと言って王都を出た。彼等の勝手な行動を咎めるあたりから攻め込んでくるだろう⋯⋯と言うのがメリッサ達全員の予想だった。
王都に入る関所の前では予想通り、黒地に金ボタンが映える第一騎士団が整列している。その近くでは関所を通れず列を作っている商人達が、不満げな顔でヒソヒソと話をしていた。
「これって例の新聞に載ってたやつ?」
「見ろよ、大行列じゃないか!」
結果がどうなるのかなど関係なしに、今一番話題になっている騒動を目撃できた喜びで騒ぎが大きくなりはじめた。
「いや~、予想通り過ぎてウケる~。リチャードの頑張りどころだが、失敗したら奴のケツに何歳まで蒙古斑があったか大声で叫んでやるかな~」
ルーカスがワクワクしながら窓をほんの少し開けて外の声に耳を傾けた。
「第一騎士団団長マードック・ポンフリーである。この隊列の責任者は第二騎士団か!? カーマイン団長、前へ出てこい!!」
馬から降りたフレッド・カーマイン第二騎士団団長とリチャード・メイソン裁判官が並んで前に出ると、一瞬驚いた顔をしたポンフリーの眉間に皺がよった。
「今はこのような大規模な隊列を組んで王都に戻って来た、第二騎士団に是非を問う。リチャード・メイソン裁判官はお下がり下さい」
「このような事態になったのは私の依頼によるもの。私からご説明申し上げるのが筋かと思いましたが?」
「⋯⋯カーマイン、それは本当か?」
「軍事演習に向かう途中、リチャード・メイソン裁判官より緊急の救援依頼を受けた。複数の人命に関わる事態で、王都への確認をする時間的余裕はないと判断した。問題があるとは思えんが?」
奥歯を噛み締めてリチャードとフレッドを睨みつけたポンフリーが後ろに振り返り、何やら指示を与えてリチャード達に向き直った。
「お、伝令が走ったぞ⋯⋯う~ん、司法長官でも呼び出す気だな」
緊張感が増していく騎士団員とは逆に、ますます楽しそうな声を上げたルーカスは、興味津々で聞き耳をたてる商人達よりも喜んでいるようにみえた。
「ゴホン! で、では話を聞かせていただこう」
「数日前に別件で内偵させていた者から連絡が来ました。真偽の程を確かめに出向く途中で、たまたまグールズベールに大量の武器を抱えた傭兵や、兵士崩れが終結しているという話を聞きまして。
運良く第二騎士団が近くを通ると聞き支援を求めたのですよ」
メイスンの白々しい説明に『ふんっ』と鼻を鳴らしたポンフリーが、腕を組んで腹を突き出した。
「別件で内偵して、たまたまで運良く? その嘘臭い話を信じろと?」
「では、別の話でもあると言われるのですかな? あれば是非お聞かせ願いたい」
「⋯⋯お、王都での騒ぎを知らんとでも言われるつもりか?」
「ん? ああ、モーニング・グローの一面の記事の事を申されているなら、昨日初めて知りましてな⋯⋯何しろグールズベール辺りにはまだ届いておりませんでしたから、行軍の途中で読んで摩訶不思議な偶然に驚いております」
「流石、腐っても特級職の裁判官だな~。リチャードの面の皮の厚さは、屋敷の壁より厚そうだぜ」
ふふんと楽しげに笑ったルーカスが『知ってるか? 昔あいつは⋯⋯』と言いかけてメリッサに脇腹を小突かれた。
あなたにおすすめの小説
夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです
藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
幼馴染に振られたので薬学魔法士目指す
MIRICO
恋愛
オレリアは幼馴染に失恋したのを機に、薬学魔法士になるため、都の学院に通うことにした。
卒院の単位取得のために王宮の薬学研究所で働くことになったが、幼馴染が騎士として働いていた。しかも、幼馴染の恋人も侍女として王宮にいる。
二人が一緒にいるのを見るのはつらい。しかし、幼馴染はオレリアをやたら構ってくる。そのせいか、恋人同士を邪魔する嫌な女と噂された。その上、オレリアが案内した植物園で、相手の子が怪我をしてしまい、殺そうとしたまで言われてしまう。
私は何もしていないのに。
そんなオレリアを助けてくれたのは、ボサボサ頭と髭面の、薬学研究所の局長。実は王の甥で、第二継承権を持った、美丈夫で、女性たちから大人気と言われる人だった。
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。
お返事ネタバレになりそうなので、申し訳ありませんが控えさせていただきます。
ちゃんと読んでおります。ありがとうございます。
王命により、婚約破棄されました。
緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。
好きでした、婚約破棄を受け入れます
たぬきち25番
恋愛
シャルロッテ子爵令嬢には、幼い頃から愛し合っている婚約者がいた。優しくて自分を大切にしてくれる婚約者のハンス。彼と結婚できる幸せな未来を、心待ちにして努力していた。ところがそんな未来に暗雲が立ち込める。永遠の愛を信じて、傷つき、涙するシャルロッテの運命はいかに……?
※十章を改稿しました。エンディングが変わりました。
王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。
佐藤 美奈
恋愛
クロエ・エルフェシウス公爵令嬢とガブリエル・フォートグランデ王太子殿下は婚約が内定する。まだ公の場で発表してないだけで、王家と公爵家の間で約束を取り交わしていた。
だが帝立魔法学園の創立記念パーティーで婚約破棄を宣言されてしまった。ガブリエルは魔法の才能がある幼馴染のアンジェリカ男爵令嬢を溺愛して結婚を決めたのです。
その理由は、ディオール帝国は魔法至上主義で魔法帝国と称される。クロエは魔法が一番大切な国で一人だけ魔法が全然使えない女性だった。
クロエは魔法が使えないことに、特に気にしていませんでしたが、日常的に家族から無能と言われて、赤の他人までに冷たい目で見られてしまう。
ところがクロエは魔法帝国に、なくてはならない女性でした。絶対に必要な隠された能力を持っていた。彼女の真の姿が明らかになると、誰もが彼女に泣いて謝罪を繰り返し助けてと悲鳴を上げ続けた。
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
隠れ蓑婚約者 ~了解です。貴方が王女殿下に相応しい地位を得るまで、ご協力申し上げます~
夏笆(なつは)
恋愛
ロブレス侯爵家のフィロメナの婚約者は、魔法騎士としてその名を馳せる公爵家の三男ベルトラン・カルビノ。
ふたりの婚約が整ってすぐ、フィロメナは王女マリルーより、自身とベルトランは昔からの恋仲だと打ち明けられる。
『ベルトランはね、あたくしに相応しい爵位を得ようと必死なのよ。でも時間がかかるでしょう?だからその間、隠れ蓑としての婚約者、よろしくね』
可愛い見た目に反するフィロメナを貶める言葉に衝撃を受けるも、フィロメナはベルトランにも確認をしようとして、機先を制するように『マリルー王女の警護があるので、君と夜会に行くことは出来ない。今後についても、マリルー王女の警護を優先する』と言われてしまう。
更に『俺が同行できない夜会には、出席しないでくれ』と言われ、その後に王女マリルーより『ベルトランがごめんなさいね。夜会で貴女と遭遇してしまったら、あたくしの気持ちが落ち着かないだろうって配慮なの』と聞かされ、自由にしようと決意する。
『俺が同行出来ない夜会には、出席しないでくれと言った』
『そんなのいつもじゃない!そんなことしていたら、若さが逃げちゃうわ!』
夜会の出席を巡ってベルトランと口論になるも、フィロメナにはどうしても夜会に行きたい理由があった。
それは、ベルトランと婚約破棄をしてもひとりで生きていけるよう、靴の事業を広めること。
そんな折、フィロメナは、ベルトランから、魔法騎士の特別訓練を受けることになったと聞かされる。
期間は一年。
厳しくはあるが、訓練を修了すればベルトランは伯爵位を得ることが出来、王女との婚姻も可能となる。
つまり、その時に婚約破棄されると理解したフィロメナは、会うことも出来ないと言われた訓練中の一年で、何とか自立しようと努力していくのだが、そもそもすべてがすれ違っていた・・・・・。
この物語は、互いにひと目で恋に落ちた筈のふたりが、言葉足らずや誤解、曲解を繰り返すうちに、とんでもないすれ違いを引き起こす、魔法騎士や魔獣も出て来るファンタジーです。
あらすじの内容と実際のお話では、順序が一致しない場合があります。
小説家になろうでも、掲載しています。
Hotランキング1位、ありがとうございます。