不倫相手は妻の弟

客間

後背位②

　頭にかっと血が上るような衝動に任せ、修一は千紘の頭をむんずと掴み、荒っぽく枕に押し付けた。
　高く持ち上がった尻にバチュンッ！と下腹を叩きつけ、凶悪なまでに腫れあがった肉杭をヒクつく穴に穿ちこむ。轟く重さを孕む打ち込みに、千紘の下半身がバネのように弾み上がった。

「んぐうう゛ぅ゛っ！」

　千紘の頭を押さえつけたまま、片膝を立てた前傾姿勢で自分本位に腰を振る。バチュッバチュッグポッグチョミチュッ！　粗暴に打ち据えられる尻肉が、衝突の度にひしゃげてさざ波を立てる。攪拌されて粘度の増した分泌液が、接合部からゴプッ、グチュッと溢れ出した。
　亀頭先端が背中側の直腸粘膜を猛烈に擦り立て、千紘は尾てい骨から背筋を駆け上るぞくぞくとした快感に打ち震える。

「はぁっ、はぁっ……くうぅっ……締め付け、すごっ……こうやって押さえつけられて乱暴ピストンされるの、感じちゃう？　いいよ、もっと激しくしてあげるっ！　Ｓ字に亀頭ボコボコはめ込んで、オス子宮に響かせてあげる……っ！」
「ん゛ン゛ッ♡　ん゛っ……ぅ゛っ、ふぐぅう……っ！」

　修一は腰を浮かせ、ぎりぎりまで引き抜いたペニスを斜め上から一気に刺し貫いた。ドチュンッ！！　腸道にまっすぐ沿うように突き込まれた長竿は、凄まじい勢いで直腸襞を抜けて突き当たりにぶち当たる。

「う゛ぅう゛う゛～～っっ！！」

　押し付けられた枕の下で悶え苦しむ千紘に対し、修一は肉食獣のような獰猛さで己の欲望をぶつけ、蹂躙する。
　ドツッゴチュッグポッゴプッズドッゴツドツッ！！　律動は激しさを増し、禍々しく膨張した亀頭がゴツゴツと容赦なく最奥の壁を殴打する。苛烈な抽送によりひりつく肛門は捲れ返り、ペニスを引くごとに赤々とした粘膜が外に飛び出した。

「ぐっ、ふっ、んぐっ、ふうぅっ、う゛ぅ、ぅ゛……ぅ……」

　怒涛の打ち付けに責め立てられ、千紘の腰がくずおれるように落ちていく。
　修一は沈み込むその背を追いかけ、上からぴったりと覆い被さった。密着度が増すことで挿入も深まり、修一の怒張が肛門から結腸に至る道をすべて塞ぎ、ぎっちり埋まり込む。

「ん゛っ、ふぐっ、うぅう゛っ！！」
「はっ、はっ、はっ……こうやって、ぎゅってくっつきながらするのも、気持ちいいねっ？」

　藻掻く千紘の体を押さえつけ、汗ばむその首筋に顔を埋めた。

「ふっ、ふぅっ、ふぅっ……いい匂い……っ♡」

　甘酸っぱい官能の香りを堪能しながら、本能の赴くままに抽送を繰り返す。パンパンバチュバチュジュポジュブズチュブチュッ！！　柔らかな双丘が跳ね当たる修一の下腹を弾き返し、そのバウンドの勢いのままに落下すれば、体重の乗った肉刀が腸洞を猛然と刺し貫いた。

「ん゛っ、ん゛、ン゛ッ、ンン゛ッ、ぅぐぅうう゛う゛っ！！」

　自分よりも体格の大きな男に圧し掛かられる千紘は、のたうつことも許されず、唯々唸り声を上げるしかない。上から突き込まれるピストンの力で下敷きにされたペニスは押し潰され、同時に狂暴な男根で尻穴を深々と抉り込まれて、苦しいほどの激感に絶頂の大波はすぐそこまで迫っていた。
　無防備な首筋をきつく吸われ、その痛みが最後の引き金となった。千紘は至上のアクメに昇り詰め、声にならない咆哮を上げる。

「～～～――ッッ♡♡♡」
「んっ……ぐっ、はぁっ、はぁっ……くっ、くうぅ……俺も、俺もイキそうだよっ、ちぃちゃん……っ！　う゛っ、出るっ、アクメマンコで種付けザーメン受け止めてっ！！」

　修一は真っ赤に染まった千紘の耳朶を食みながら、引き攣りを起こす腸内に焼け付く液汁を噴射した。ビュビュッ、ビュルルッ、ブシャァッ……ドプ、ドプ、ゴポッ――注ぎ込まれるおびただしい量の精液が、たちまち肉襞を白く染め上げる。

「ぷはぁっ！　はあぁっ、はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ、はぁっ……！　ふあぁ゛っあ゛っ、ア゛ッ……塊みたいなザーメン、叩きつけられてるっ……修ちゃんの精子、んぁっ、まんこの中どぴゅどぴゅ暴れまわってるぅっ♡　しゅごっ、いっぱぃ……お腹、熱いぃ……修ちゃぁんっ♡♡」

　呼吸もままならぬほど激しく抱かれた千紘の声は、甘く掠れて上擦っていた。修一は震えるその朱唇に吸い付き、舌を差し入れる。繋がったまま唇を重ね、蕩けるような幸福感に満たされながら、絶頂の余韻に浸る。
　身じろぎすると中の精液がゴプ、ヌチョッと音を立て、ぴちゃぴちゃと舌の絡み合う水音と重なり合って淫靡な調べを奏でた。

　千紘の首筋には、修一が衝動的につけてしまった紅斑が鮮やかに色づいている。修一は後悔を抱きつつ、同時に満足感も覚えていた。この痕は、自分たちが濃密に愛し合った証そのものだ。千紘が自分のものであるという、所有の印でもある。

　このまま現実を忘れ、いつまでも愉悦に溺れていたかった。しかし夢のようなひとときは、そう長くは続かない。

　ドアがノックされ、甘やかな密会の終焉が告げられる。

「修一？」
「……ん、ああ」

　小百合が室内を覗くと、そこには布団に包まって寝息を立てる千紘と、その横に腰を下ろす修一の姿があった。

「随分遅いから、どうしたのかと思って……千紘、もう寝たの？」
「やっと、ね」
「ごめんね。また駄々こねて困らせちゃったんじゃない？」
「はは……色々話せて楽しかったよ」
「昔から修一に懐いてたからねぇ……やっぱり、上が女ばっかりだから、男の兄弟が欲しかったのかしらね」
「そうかもね……俺も慕ってくれるのは嬉しいよ」
「そう言ってくれると助かるわぁ」

　小百合と小声でやり取りしつつ、修一は重だるく疲弊した腰を上げる。
　部屋を出る間際、ふと後ろを振り返ると、空寝をしていた千紘と目が合った。ゆるりと口角を上げたその艶やかな微笑に、修一の下腹がぞくりと疼く。
　あれだけ濃密な交接を経ても尚、男の欲望は尽きることを知らない。

　後ろ髪を引かれる思いで、修一は部屋を後にする。
　残された千紘は、散々甚振られてぽっかり開ききったアヌスから、ブピュ、ゴポォ……と精液が逆流してくる感覚に、ぶるっと身震いした。