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新しい生活に胸を踊らせて

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『子どもの頃は毎日よく一緒に遊んだ。勉強も一緒に頑張ってた。弟でありながら親友みたいな関係で、ケンカもあまりしなかった。本当に、俺には可愛い弟だった』


『もちろん、今も…大切なんですよね』


『ああ、そうだな。だから、結婚して幸せになったって聞いた時は心から嬉しかった。今は奥さんと仲良く店を経営してるんだ』


数年離れていた弟さんから連絡がきた時は、きっと感無量だったはず。


『奥様とお店を経営されてるなんて素敵です』


勝手に頭の中で蓮さんのイメージを作ってしまったけど…


実際会ったらその違いに驚くのかな?


それとも想像通りなのかな?


勝手な妄想はどんどん膨らんでいく。


『…彩葉も、麗華ちゃんとキチンと話が出来るといいな』


『…そうですね。本当に…』


『家族は難しい、でも家族だからこそ和解出来ることもある』


家族だからこそ…その言葉はとても温かくて心に染みた。


『私と麗華のことまで心配してくれてありがとうございます。近々、会いたいと思います』


『それがいい。焦らず…ゆっくり』


慶都さんに背中を押してもらえて、はっきりと麗華に会う決心が出来た。


不安はあるけど、姉妹、兄弟の再会が、素敵な出会いになるように願いたい。


『はい、ありがとうございます。私も、いつか蓮さんと奥さんに会ってみたいです』


『ああ、必ず紹介する。君みたいな素敵な女性と結婚したと言えばヤキモチ妬くかもな』


『まさか。逆に蓮さんにバカにされるかも知れませんよ』


『また…自分の美しさを過小評価し過ぎるのが彩葉の悪いクセだ。そんなに可愛くて、色っぽいのに…』


慶都さんの手が私の頬にそっと触れる。


そして、もう片方に持っていたワイングラスをテーブルに置いて、その手で私をグイッと引き寄せた。


『まっ、待って下さい』


『嫌だ、待たない』


その瞬間、体が急激に熱をもった。


慶都さんの柔らかな唇が、私の耳元を這ったからだ。


私の性欲をかき立てるようにゆっくり、ゆっくりと…


『彩葉と、したい』
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