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はろーまいぷりんす!

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部屋のドアを開けると優斗はベットに腰掛けて携帯をいじっていた。

私はいつもそのベットの下に置いてあるクッションの上に座るのが定位置。

男の子の部屋は今までにもたくさん渡り歩いてきたけど、優斗の部屋がなんだかんだいちばん落ち着くんだよね。

結局私が戻ってくる場所ってここなんだなぁって思わされるって言うか。

よくよく考えたら昨日の彼の部屋っていつも汚かったんだよね。
こんなに片付いてないし、食べた物も放りっぱなしだし。

そういえば、今日新しく入った類くん。

あの人の部屋は、どんな感じなんだろう。


「今日ね、バイトに新しい大学生のバイトの男の人が入ったんだ」

「なんだ?失恋したと思ったら次の男の話持ってきたの?」

「いや、そうじゃなくて。むっっちゃイケメンで身長高くて仕事できるの。だから私には合わないって話」

「ああ、高1の時どこぞのイケメンに8股されてたあれ思い出したのか」

「そうそう。よく覚えてんね」


優斗は私の恋愛遍歴を全部知ってる。

年表にでも起こせるんじゃないかってくらい、ずっとそばにいたから。

そしてそのひとつひとつが終わるたび、彼が綺麗にリセットしてくれる。


「で、今回は元彼の何がよかったんだ」

「んー。まあまあ顔が良かったのと、最初は優しかったしえっちも丁寧だったところ?」

「最初は、か。いつもだな。こうなったら明子がダメンズにしてる可能性もあるわな」


そう言いながら優斗は私の腕を引いて、ベットに座る自分の脚の間に座らせた。

後ろから抱きしめて、あやすように肩を撫でる。


「いつも皆、俺は他のやつとは違うからって言うんだよ。でも結局同じなの」

「うん」

「どうして変わっちゃうんだろう」


自分で言ってて悲しくなってくるよ。

別に、彼に未練があったわけじゃない。

じゃあどうしたら私はいいんだろうって、いつもわからなくなって泣けてくる。

また涙が込み上げてきて、鼻が詰まりかけてズズッと鼻をすすった。


「鼻、真っ赤」

「……寒いからだもん」

「こっちおいで」


優斗は私を立たせてベットの掛け布団を開けて、自分が横になってまた私の手を引く。

簡単に吸い込まれていく。

心地いい温度の水の中に入るみたいな感覚。

優斗に抱きしめられて頭を撫でられる。


「もう、泣くなよ」


低いのに甘くって、普段は感じないのにこんなにも優しく聞こえる優斗の声。

小さい子をあやすように背中をトントン優しくたたいて、それからそっと私の頬に触れる。

そうして指で唇に触れて、そしたら私は目を閉じて。

温かい。

良い香り。

優しい柔らかさ。

優斗の唇が静かに触れた。

 
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