変なアプリと相談カフェの料理人は、今日もニヤリと嘲笑う。
気怠げな月曜日の朝。
マンションのエントランスから出ると、今朝方まで続いた雨の所為か、肌寒い気温のわりに澄んだ青空と輝く太陽が『おはよう』、と語りかけてくる錯覚を覚える。
ブー、ブー、ブー、と規則的な振動音。内心とは裏腹に爽やかな朝のひとときから、ピントを外そうと胸ポケットの中で鳴いたスマートフォンを、丁度、ぐぅっと伸ばしていた腕をおろしながら取り出した。
『速報です。
本日午前8時過ぎ、名古屋市○区○町の路上で、ラブコメ第○○号が発生しました。
なお、このラブコメ第○○号は、次第に勢力を高めつつ、私立御厨高等学校に接近中です』
「またかよ...」
機種変更したばかりのスマホに届いたアプリの通知を確認した後、表示を消した画面に映る、表情筋の歪んだ...そうでなくても少し目つきの悪い顔。そして、ネクタイが微妙に左にズレているのに気づく。
無造作にスマホをスーツのポケットへ入れ、何事もなかったかのように鞄を脇に挟んで両手でネクタイを正す。
さっき、チラッと見えた画面に最近出来た小さな罅が、余計に気分が悪くなった。
あぁ〜あ、と朝空を仰ぐと、その反動で首の関節が小気味よくコキッと鳴った。
「ハァ...」
トボトボと、まだ残る雨雲の忘れ物を避けながら、通勤路を行く。
遅すぎず、早すぎず。
何なんだろうな、この変なアプリは。
考えても答えも出ないし、アンインストールできないのは確認済みだ。せめて通知でも止めてやろうと試みても、無駄な努力に終わりその勢いで新品スマホを部屋の壁に投げつけてしまったことを、しっかりと後悔している。
「それにしても多くないか?ラブコメってヤツ...」
そんな独り言は、横を走る車が跳ねた水飛沫と共に側溝へと流されていった。
「おはよー」と掛け合う声が増え、徐々に賑やかになる朝の喧騒が、通りを楽しげな表情へと変えていくのを他人事のように感じながら、
トボトボと、歩く。
職場である、御厨高校へと。
マンションのエントランスから出ると、今朝方まで続いた雨の所為か、肌寒い気温のわりに澄んだ青空と輝く太陽が『おはよう』、と語りかけてくる錯覚を覚える。
ブー、ブー、ブー、と規則的な振動音。内心とは裏腹に爽やかな朝のひとときから、ピントを外そうと胸ポケットの中で鳴いたスマートフォンを、丁度、ぐぅっと伸ばしていた腕をおろしながら取り出した。
『速報です。
本日午前8時過ぎ、名古屋市○区○町の路上で、ラブコメ第○○号が発生しました。
なお、このラブコメ第○○号は、次第に勢力を高めつつ、私立御厨高等学校に接近中です』
「またかよ...」
機種変更したばかりのスマホに届いたアプリの通知を確認した後、表示を消した画面に映る、表情筋の歪んだ...そうでなくても少し目つきの悪い顔。そして、ネクタイが微妙に左にズレているのに気づく。
無造作にスマホをスーツのポケットへ入れ、何事もなかったかのように鞄を脇に挟んで両手でネクタイを正す。
さっき、チラッと見えた画面に最近出来た小さな罅が、余計に気分が悪くなった。
あぁ〜あ、と朝空を仰ぐと、その反動で首の関節が小気味よくコキッと鳴った。
「ハァ...」
トボトボと、まだ残る雨雲の忘れ物を避けながら、通勤路を行く。
遅すぎず、早すぎず。
何なんだろうな、この変なアプリは。
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