悪役令嬢四面楚歌

魔王討伐の運命を背負った勇者皇子シド。
その婚約者だった侯爵令嬢ソアラは、聖女の出現とともに“悪役令嬢”として断罪され、北方の辺境へ追放される。

戦う力もなく、陰謀を暴く知恵もない。
あるのは、ただ歌が好きだという想いだけ。

断崖の寒村で、唯一の侍女レミィと静かに暮らしながら、ソアラは失われた日々を埋めるように歌い続ける。
やがてその歌は、人々の記憶に残り、流民や文化人たちを惹きつけ、小さな共同体を形作っていった。

――だがその歌声は、戦乱の時代においてあまりにも危険だった。

かつて世界を救った勇者は、今や人間同士の戦争を始めていた。
そして帝国軍は、“反逆者”となったソアラを討つため辺境へ向かう。

これは、勝者の歴史に残らなかった歌の物語。

武器は剣ではなく、歌だった。

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