花原物語 ~ほんのり異なる世界で平凡な大学生と公爵令嬢をかけもちすることになりました~
「もう一度、きみの瞳にぼくを映してくれ!」
瀕死の状態にあった私の前に現れたのは、幼い頃に運命の出会いを果たしていた妖精の侯爵さまだった。
彼の魔法で命を救われた私は、彼の案内で次元の壁を超えた先にある花原という大都市へと旅に出たの。
花原は人間界と妖精界に分かれているけど、往来の手段が限られているため、住民たちはお互いをおとぎ話の中の存在としか認識していないんだって。
驚いたことに人間界は、スマホやファッション、建築や科学、経済の仕組みまでが、かつて独りぼっちで暮らしていた場所とよく似た「ほんのり異なる世界」だった!
もちろん人間界で平凡な大学生として生きることになった私は、妖精である彼ーーフィオラートと一緒にいることなんて許されない。
「いつだってきみのそばにいる。騎士の誓いは絶対なんだ!」
別れ際に聞いたフィオラートの言葉を胸に、私は本当の人生を歩み始める。
『モノレールに乗って会いに来て』
ときおり私の心の中を、そんな優しくも切ない女性の声がリフレインする。
かなり昔、廃線になっていた花原モノレール……あの謎めいた軌道の先には何があるのかしら?
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