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3章:学生編

合同訓練 前編

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ジルに呼ばれて、マスタ室にきたシュンとグラン。

内容は、来週の合同訓練で、3番隊と0番隊でやる事が決定したという話だった。
なんだ、怒られるわけではなかったと内心ほっとしている俺だった。 罰とかまた与えられたら面倒だし。

 
「合同訓練な。 ようは俺らが3番隊を虐めぬきゃいいんだろ?」と俺が悪い笑みを向けいうと、ジルは呆れた顔をしながら、「まぁ、そうなるな。 グランが言い出した事じゃ。 覚悟しとけ」といい、グランは、グランで失敗したかもという顔をしながら「まじっすか。」言っていた。

そんな顔をしているグランは放置して、
「ジル、暇だから、討伐ねーの」と聞くと、ジルが20枚程の束の依頼をくれた。 それを見てから「んじゃぁ、イアン達と殲滅してくんな」と言って、俺はイアン達と合流して討伐に向かった。 なかなかいい感じの討伐じゃねーか。

◇◇◇

シュンが居なくなったマスター室。
「マスター、シュンの奴、全部もってきましたがどれくらいで片付けるんすか?」
「今日は、1,000~5,000の討伐じゃ。 明日には終わってかえってくるじゃろ」

ジルは、苦笑いしながら伝えた。
「はああああ? あいつら、そんな数こなしてるんすか?」

グランは、0番隊が日々どのくらいの規模の討伐をこなしているか知らない。 しかも、20枚の依頼の中には王国のみではなく大陸中の依頼がはいっている。 転移が出来るっていっても、その数をたった1日半で終わらせる部隊がいるという事が信じられなかったのだった。

一方、シュン達0番隊は、討伐依頼をこなしている。 依頼数は20あるので、シュンはリンと2人で、イアン達は別行動とした。 殺しながら、「未知も含めて、最近数おおくねぇー。 俺にとったら、たのしぃーからいいけどな」と次々と殲滅していくのであった。 リンも「ああ、楽しいからいい」と鎌を振っている。

結局、その日のうちに20の依頼をこなすのであった。 これは、ジルも想像していなかった。
討伐後は、5人で食事に行くのであった。 そして、3番隊との合同訓練までの間、日々1,000~5,000の討伐か、イアン達と訓練に明け暮れていた。

◇◇◇
合同訓練の当日。 既に、3番隊は集まっている。 念のため、ジルもいる。 
「たく、あいつらまた遅刻か?」とジルが言っているが、グラン以外はどこの番隊との合同練習か伝えれていなかった。

ドアが開き、タバコをふかしながら入ってくる小柄なフードを被った男と、0番隊隊員コートのメンバー3人だった。

3番隊隊員達が0番隊の登場に驚き言う。
「グラン隊長。 合同訓練の相手って0番隊なんっすか?」という質問に、グランが引きつった顔で「ああ、そうだ」と答えていた。

「ジル、なんでいんだ?」と俺が聞くと「お前らがちゃんと参加するか見にきたんじゃ。 遅刻だが、来た事には来たな。」と、安心したのか、なんとも言えない顔をしていた。
そして、ジルが3番隊のほうを見ていう。

「今回の合同は0番隊じゃ。 といっても、たぶんお前たちがしごかれて終わりじゃろうがな」といって、グランのほうを見つつ「まぁ、頑張るんじゃな」と言って、ジルは去っていった。

俺は、3番隊達を見て鍛錬方針を決めた。
「とりあえず、イアン、カイ、サルでしごいておけ」と言い放って、ベンチに座り読書を始めた。

「隊長、体力回復お願いしますよ。 そっちに集めるんで」イアンが聞いてきたから、「あー、了解」と読書をしながら言う。 

何が始まるかわからない、3番隊メンバーと、グラン。
「魔力量でとりあえず、3つのグループに分けるか」とイアンがいい、総勢15名を3つのグループに分け始める。 グランと副隊長ともう2人の4名がAグループ。 Bグループは、6名で、Cグループが5名となった。 

Aグループはイアンが担当、Bグループはサルが担当し、Cグループは、カイが担当。 
そして各グループに魔力制御をつけさせ、ひたすら身体強化と魔力コントロールの訓練が始まる。

魔力制御をすると3番隊全員が中級魔法を一発程度放たれるかという所まで制御させられている。 その中で、体力の限界まで、0番隊と1対多の模擬戦をするのが鍛錬の内容だった。
Cグループは、30分で限界をむかえる。 シュンの近くへ運ばれて、強制的に回復させられて、また再開。 Bグループは40分で限界。 Aグループは、50分で限界をむかえるのだった。

合同訓練が始まってから約3時間同じ事を繰り返していく。 0番隊のメンバーはまったく息が上がっていないが、3時間が経過した頃にはグランも含め3番隊メンバーはヘトヘトになっている。

グランは、なんだこいつら、化け物じゃねーか! なんで、息あがんねーんだよ!と心の中で激しく突っ込みながら、イアンと対峙していく。。 イアンはニヤリ口元をあげながら「さすが、隊長となると、すげーっすな。」と言ってグランの攻撃を防いでいる。 

「イアン、暇だからよ、そいつら休憩させろ!」
その声の主は、シュンだ。 シュンが立ち上がり大声をあげると、3番隊メンバーはようやく休憩となるのだった。

「んじゃぁ、おまぇーらの訓練でもすっか」といい、イアン達のほうによっていくと、それだけでイアン達の顔付きが変わるのだった。 そんなに俺いじめっ子か?なんて思いつつ。。

「隊長、身体強化のみっすよ」とイアンが言ってくるので、「了解。 んで、お前らは何でもありなんだろ」とニヤっというと、イアン、サル、カイが「「「当たり前じゃないっすか!!」」といい、それぞれ魔武器をだしていく。

こちらは、休憩しつつ0番隊の模擬戦を見学する3番隊メンバー。
「はぁ、はぁ、はぁ、なんすかこの訓練。 こんなきついの初めてっすよ。」
「グラン隊長、でも、あれ止めなくていいんすか? 危険すぎるんじゃ?」
そんな隊員の言葉に、グランはグランで「はぁ、はぁ、俺も知るか。まぁ、滅多に見れないから、しっかり見るように」というが精一杯だった。

演唱破棄で、上級魔法が飛び交う。 武器に魔法付与し攻撃する0番隊隊員たち3人の連携は”すごい”の一言しかでなかった。 だが、異様なのは1人で相手して武器も持たず、攻防する黒帝の姿。 

格が違うのは分かるが、規則性があるのか無いのか分からない動きだ。 カイは、黒帝と空中戦をしたかと思えば、イアンが雷で攻撃する。 全部防ぐと同時に、何かしらの攻撃があたる。 1時間して、息があがっている0番隊の3人がいる。 今回の合同訓練を含め、彼らが息を切らす初めてみた3番隊たち。

黒帝はというと、まったく変わらない。 3人の同時攻撃が始まると、これで最後だという形で、サル、カイが吹き飛ばされ、最後にイアンの顔面に蹴りがはいって倒された。 
「へぇー、なかなかいい連携じゃねぇーか。」とタバコに火をつけながら、イアン、カイ、サルのほうに行く。 そして、何かを言っているが聞こえないが、全員真剣に黒帝の話を聞いている。

そんな光景をグラン含む3番隊メンバーはただただ見ていた。
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