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一章、終わりのはじまり編
2.地獄に1番近い場所
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<ローズside>
ローズ・ボアルネ 享年77歳。
この国の平均寿命が55歳くらいだとすると、私は結構長生きした方じゃない?
「(人生のほとんどを書庫で過ごしてた割に、たいした思い出も無い私でも走馬灯を見るものなのね。)」
陛下の部屋から書庫に戻ってきた途端、突然胸が苦しくなった私は湿っぽい床に倒れた。
倒れる瞬間、今までの人生が私の脳裏に彗星の如く駆け巡った。
その現象に自らの生の終わりを私は悟った。
ドクンッと心臓が人生の最期に1番大きく動く。
「(嗚呼、終わるのね。)」
書庫の幽霊王妃。
名ばかりの王妃。
17歳から60年間、書庫から出ることを許されず書庫で質素な生活を強いられ続けたのに、何故か長生きをしてしまった。
でも私の人生は悲しくて不幸でみじめではあったけど、寂しくはなかった。
だって私には書庫にある物語達とアンが居たから。
だから私は不幸な立場ではあったけれど穏やかな人生を送れたと思うの。
『ローズ様っ!!』
最期に口が聞けない筈のアンが私の名前を呼んだ気がした。
幻聴か、聞き間違いか、神様が私の最期に奇跡を起こしてくれたのかもしれない。
幻聴だとしてもアンの声を聞くことができて嬉しかった。
「(アンの声って案外低いのね・・・今までありがとう、アン、大好き・・・・・。)」
「ッハ!!・・・・・ここは?あの世?」
死んで目を開けると何処か見たことのある風景のあの世にいた。
「奥様!お嬢様の目が覚めました!」
私の大好きなアンが着ていたメイド服より可愛らしいメイド服の女性達が複数人私の周りでせかせか動いてた。
その可愛らしい姿のメイドの微笑ましい様子に私はにんまりと笑顔になる。
「ここは天国なのね。」
私はどうやら死んで天国に逝ったらしい。
生前は善行なんて全くした覚えなかったけど、60年も書庫に監禁されたのを可哀相に思った神様のご褒美で天国にこれたみたい。
「起きたわね。全く、未来の王妃が風邪を引いて2週間も休むなんて恥を知りなさい!」
60年ぶりに見た大嫌いなお母様に私はげんなりした。
なんだ、天国に来れたと思ったのに。
「地獄か・・・。」
私は頭を抱えた。
「元気ならさっさと着替えて準備なさい!2週間分の勉強の遅れを取り戻さないといけないのよ!ほら早くなさい!」
さっき起きたばかりで身体がなんだか気怠い私を、お母様の姿をした地獄の看守が手首を強く引っ張りベッドから引きずり出そうとした。
「奥様お辞めください!お嬢様は先程まで高熱で生死の境を彷徨っていたのですよ!やっと目が覚めたのにいきなり勉強なんてお嬢様がまた倒れてしまいます!」
「なんですってぇ!使用人の癖にわたくしに指図するんじゃないよッ!」
「キャア!」
私を気づかって意見してくれた可愛いメイドにお母様の姿の地獄の看守が手をあげようとしたので、私はとっさにメイドを守るために看守に抱き着き抑えた。
「辞めなさいよこの意地悪ババア!!」
シーン。
私が看守に意地悪ババアと言った瞬間、部屋が一気に静まり返り部屋の温度が下がった気がした。
「・・・・・なんですってぇ?」
看守の怒りがこもった恐ろしい声が静まり返った部屋に響く。
メイド達の顔が真っ青になったのを見て状況が悪くなった事を悟り背中を冷たい汗が流れた。
その場から逃げたくなったけど、おばあちゃんの私はメイドのアンに助けられて60年間書庫で生きてきたからなのか、死後の私はメイドに愛着を持っているみたい。
だからメイドに暴力を振るおうとする人が許せないと感じた。
それに大嫌いなお母様の姿ってのが気に入らない。
私の生前、この国の馬鹿王子ルイス様が私との婚約が破棄出来なかったことに腹を立て、牢の代わりに私を城の書庫に押し込めて監禁した時、お母様に助けてもらおうとボアルネ家に手紙を出した。
けれど城にやってきたお母様は、書庫の扉越しに
『ボアルネとしての勤めを果たしなさい。』
と冷たく言い放って私を見捨てた。
お母様は城で私がどんな扱いをされようが、名ばかりの王妃と笑われようが、ボアルネ家から王の花嫁が出たという歴史に名が残る名誉だけが欲しかったのだ。
見捨てられたと解った瞬間、今まで大好きだったお母様が大嫌いになり憎くんだ。
お母様は私の幸せなんてどうでもよくて自分自身を愛しておらず、ボアルネと自分の事しか考えていないと理解して助けを求めても無駄だとわかり絶望した。
そして今、大嫌いなお母様の姿をした地獄の看守が目の前にいる。
お母様本人じゃなくても憎くてしょうがない。
私を気づかってくれたメイドの女の子にアンの姿を重ねて、私はメイドを庇うように立った。
「こんな可愛くて優しいメイドに手をあげるなんて最低よ!この意地悪ババア!」
私も77歳のババアだけど目の前の意地悪ババアには負けてらんない!
私は意地悪ババアをキッと睨んだ。
「ッ!・・・こっち来なさい!」
意地悪ババアは私の腕を痛いぐらい掴みあげるとそのままズンズンと歩き、嫌がる私を無理矢理何処かに連れて行く。
「痛いじゃない!離しなさいよ!」
「うるさいっ!!」
意地悪ババアに無理矢理腕を引かれながら私は周囲の風景に目を丸くする。
「ここってボアルネの屋敷?」
私の目が覚めた部屋も生前書庫に監禁されるまで過ごしていた実家の自室っぽいと思っていたけど、部屋の外に出ると廊下やたくさんの部屋の風景が記憶の中の懐かしいボアルネの屋敷そのままで唖然とした。
そして何人か見たことある使用人や、まぁまぁ嫌いな異父妹のアイリスとアイリスの父でお母様の愛人のベンさんが居たことに、地獄というよりかは子どもの時代の頃に戻ったような感覚がした。
幼い子どもの姿のアイリスと20代半くらいの姿のベンさんは、凄い剣幕で私の腕を引きながら歩く意地悪ババアの姿にギョッとしていた。
「(アイリスもベンさんも生前なんらかしらの罪を犯したから地獄にいるのね。知り合いが囚人仲間なんて笑えるわね。)」
私が懐かしい光景に遠い目をしていると意地悪ババアは玄関ホールの扉をヒールで蹴り飛ばして外に出た。
そして屋敷の正面にある噴水池に徐々に近づいていく事に私の顔は青ざめていった。
「ややややめてー!離してー!」
嫌がる私を引きづってズンズンと池に向かう意地悪ババア。
私はこれから何をされるのか察した。
それは人生で1度しか行われなかったお仕置だったけどその1度でトラウマになってしまった。
池の手前に来ると、意地悪ババアが私の頭を水面に浸けようと私の後頭部を強く押した。
「させるかぐぬぬぬぬぬぬ!」
私は頭と首に力を入れて私を溺れさせようする意地悪ババアの手から抵抗した。
地獄の看守の意地悪ババアが私にやろうとしてるお仕置とは、お母様が私の顔面を何度も水面に漬けるという仕置きという名の虐待を今からしようとしているのだ。
お母様は私の顔に傷が付いたり死ななければいいという考えで、溺死寸前にするというお仕置きを考えたらしいけど・・・イカれてるとつくづく思う。
でも流石地獄の看守というべきか、お母様の姿といいトラウマのお仕置といい絶妙に私がとても嫌がるツボを押してくる。
書庫に監禁される前の人生が人に恨みを買われても仕方ないことばかりで、地獄行きであの世で罪を償わなければいけないとしても、このお仕置だけはどうしてもイヤ!
「なんて嫌な子なのかしら!?わたくしに生意気な口を聞く様になるなんて熱のせいで頭がおかしくなったんだわ!大人しく頭を池で冷やしなさいいいい!」
「私の母親みたいな口調やめなさいよ!ゾッとするのよ!頭から手を離してぐぬぬぬぬっ!」
はたから見たらおバカな攻防だというのはわかってる。
私はふと池の水面に映る自分の姿を見た。
「え?子ども?」
水に映っていたのは白髪のおばあちゃんの私じゃなくて、髪が真紅の美しい少女が映っていた。
ドボーン!!ゴボゴボゴボ
「ボガッ!?!?!?」
力を緩めた瞬間意地悪ババアの力の勢いによって頭から全身が池の中へ勢いよく落ちた。
ローズ・ボアルネ 享年77歳。
この国の平均寿命が55歳くらいだとすると、私は結構長生きした方じゃない?
「(人生のほとんどを書庫で過ごしてた割に、たいした思い出も無い私でも走馬灯を見るものなのね。)」
陛下の部屋から書庫に戻ってきた途端、突然胸が苦しくなった私は湿っぽい床に倒れた。
倒れる瞬間、今までの人生が私の脳裏に彗星の如く駆け巡った。
その現象に自らの生の終わりを私は悟った。
ドクンッと心臓が人生の最期に1番大きく動く。
「(嗚呼、終わるのね。)」
書庫の幽霊王妃。
名ばかりの王妃。
17歳から60年間、書庫から出ることを許されず書庫で質素な生活を強いられ続けたのに、何故か長生きをしてしまった。
でも私の人生は悲しくて不幸でみじめではあったけど、寂しくはなかった。
だって私には書庫にある物語達とアンが居たから。
だから私は不幸な立場ではあったけれど穏やかな人生を送れたと思うの。
『ローズ様っ!!』
最期に口が聞けない筈のアンが私の名前を呼んだ気がした。
幻聴か、聞き間違いか、神様が私の最期に奇跡を起こしてくれたのかもしれない。
幻聴だとしてもアンの声を聞くことができて嬉しかった。
「(アンの声って案外低いのね・・・今までありがとう、アン、大好き・・・・・。)」
「ッハ!!・・・・・ここは?あの世?」
死んで目を開けると何処か見たことのある風景のあの世にいた。
「奥様!お嬢様の目が覚めました!」
私の大好きなアンが着ていたメイド服より可愛らしいメイド服の女性達が複数人私の周りでせかせか動いてた。
その可愛らしい姿のメイドの微笑ましい様子に私はにんまりと笑顔になる。
「ここは天国なのね。」
私はどうやら死んで天国に逝ったらしい。
生前は善行なんて全くした覚えなかったけど、60年も書庫に監禁されたのを可哀相に思った神様のご褒美で天国にこれたみたい。
「起きたわね。全く、未来の王妃が風邪を引いて2週間も休むなんて恥を知りなさい!」
60年ぶりに見た大嫌いなお母様に私はげんなりした。
なんだ、天国に来れたと思ったのに。
「地獄か・・・。」
私は頭を抱えた。
「元気ならさっさと着替えて準備なさい!2週間分の勉強の遅れを取り戻さないといけないのよ!ほら早くなさい!」
さっき起きたばかりで身体がなんだか気怠い私を、お母様の姿をした地獄の看守が手首を強く引っ張りベッドから引きずり出そうとした。
「奥様お辞めください!お嬢様は先程まで高熱で生死の境を彷徨っていたのですよ!やっと目が覚めたのにいきなり勉強なんてお嬢様がまた倒れてしまいます!」
「なんですってぇ!使用人の癖にわたくしに指図するんじゃないよッ!」
「キャア!」
私を気づかって意見してくれた可愛いメイドにお母様の姿の地獄の看守が手をあげようとしたので、私はとっさにメイドを守るために看守に抱き着き抑えた。
「辞めなさいよこの意地悪ババア!!」
シーン。
私が看守に意地悪ババアと言った瞬間、部屋が一気に静まり返り部屋の温度が下がった気がした。
「・・・・・なんですってぇ?」
看守の怒りがこもった恐ろしい声が静まり返った部屋に響く。
メイド達の顔が真っ青になったのを見て状況が悪くなった事を悟り背中を冷たい汗が流れた。
その場から逃げたくなったけど、おばあちゃんの私はメイドのアンに助けられて60年間書庫で生きてきたからなのか、死後の私はメイドに愛着を持っているみたい。
だからメイドに暴力を振るおうとする人が許せないと感じた。
それに大嫌いなお母様の姿ってのが気に入らない。
私の生前、この国の馬鹿王子ルイス様が私との婚約が破棄出来なかったことに腹を立て、牢の代わりに私を城の書庫に押し込めて監禁した時、お母様に助けてもらおうとボアルネ家に手紙を出した。
けれど城にやってきたお母様は、書庫の扉越しに
『ボアルネとしての勤めを果たしなさい。』
と冷たく言い放って私を見捨てた。
お母様は城で私がどんな扱いをされようが、名ばかりの王妃と笑われようが、ボアルネ家から王の花嫁が出たという歴史に名が残る名誉だけが欲しかったのだ。
見捨てられたと解った瞬間、今まで大好きだったお母様が大嫌いになり憎くんだ。
お母様は私の幸せなんてどうでもよくて自分自身を愛しておらず、ボアルネと自分の事しか考えていないと理解して助けを求めても無駄だとわかり絶望した。
そして今、大嫌いなお母様の姿をした地獄の看守が目の前にいる。
お母様本人じゃなくても憎くてしょうがない。
私を気づかってくれたメイドの女の子にアンの姿を重ねて、私はメイドを庇うように立った。
「こんな可愛くて優しいメイドに手をあげるなんて最低よ!この意地悪ババア!」
私も77歳のババアだけど目の前の意地悪ババアには負けてらんない!
私は意地悪ババアをキッと睨んだ。
「ッ!・・・こっち来なさい!」
意地悪ババアは私の腕を痛いぐらい掴みあげるとそのままズンズンと歩き、嫌がる私を無理矢理何処かに連れて行く。
「痛いじゃない!離しなさいよ!」
「うるさいっ!!」
意地悪ババアに無理矢理腕を引かれながら私は周囲の風景に目を丸くする。
「ここってボアルネの屋敷?」
私の目が覚めた部屋も生前書庫に監禁されるまで過ごしていた実家の自室っぽいと思っていたけど、部屋の外に出ると廊下やたくさんの部屋の風景が記憶の中の懐かしいボアルネの屋敷そのままで唖然とした。
そして何人か見たことある使用人や、まぁまぁ嫌いな異父妹のアイリスとアイリスの父でお母様の愛人のベンさんが居たことに、地獄というよりかは子どもの時代の頃に戻ったような感覚がした。
幼い子どもの姿のアイリスと20代半くらいの姿のベンさんは、凄い剣幕で私の腕を引きながら歩く意地悪ババアの姿にギョッとしていた。
「(アイリスもベンさんも生前なんらかしらの罪を犯したから地獄にいるのね。知り合いが囚人仲間なんて笑えるわね。)」
私が懐かしい光景に遠い目をしていると意地悪ババアは玄関ホールの扉をヒールで蹴り飛ばして外に出た。
そして屋敷の正面にある噴水池に徐々に近づいていく事に私の顔は青ざめていった。
「ややややめてー!離してー!」
嫌がる私を引きづってズンズンと池に向かう意地悪ババア。
私はこれから何をされるのか察した。
それは人生で1度しか行われなかったお仕置だったけどその1度でトラウマになってしまった。
池の手前に来ると、意地悪ババアが私の頭を水面に浸けようと私の後頭部を強く押した。
「させるかぐぬぬぬぬぬぬ!」
私は頭と首に力を入れて私を溺れさせようする意地悪ババアの手から抵抗した。
地獄の看守の意地悪ババアが私にやろうとしてるお仕置とは、お母様が私の顔面を何度も水面に漬けるという仕置きという名の虐待を今からしようとしているのだ。
お母様は私の顔に傷が付いたり死ななければいいという考えで、溺死寸前にするというお仕置きを考えたらしいけど・・・イカれてるとつくづく思う。
でも流石地獄の看守というべきか、お母様の姿といいトラウマのお仕置といい絶妙に私がとても嫌がるツボを押してくる。
書庫に監禁される前の人生が人に恨みを買われても仕方ないことばかりで、地獄行きであの世で罪を償わなければいけないとしても、このお仕置だけはどうしてもイヤ!
「なんて嫌な子なのかしら!?わたくしに生意気な口を聞く様になるなんて熱のせいで頭がおかしくなったんだわ!大人しく頭を池で冷やしなさいいいい!」
「私の母親みたいな口調やめなさいよ!ゾッとするのよ!頭から手を離してぐぬぬぬぬっ!」
はたから見たらおバカな攻防だというのはわかってる。
私はふと池の水面に映る自分の姿を見た。
「え?子ども?」
水に映っていたのは白髪のおばあちゃんの私じゃなくて、髪が真紅の美しい少女が映っていた。
ドボーン!!ゴボゴボゴボ
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