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15話 家族会議 その2
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「わははははは、バイアスの成長を見れたと考えれば、この家族会議も悪くないものだな!」
「本当ですわね、あなた! それで、バイアス? この後はどんなイベントが待っているのかしら?」
「イベントって……」
まるで、サーカスの催し物でも見ているかのように陽気になっているお父様とお母様の二人。私は呆れたように溜息が漏れてしまった。溜息こそ吐いていないけど、兄さまも同じ気持ちだと思う。
次なるイベント……兄さまは何か考えがあるのかしら?
「ふう、仕方ありませんね。こうなったら、あの手を使いましょうか」
「あの手……? 一体、何のことだ?」
「ウィリアム公爵令息にこの状況を見てもらい、第三者の目線で判定していただくのです。ウィリアム様のお言葉であれば、父上も母上も聞かないわけにはいかないでしょう?」
「なんだと、ウィリアム様に……?」
バイアス兄さまの言葉にお父様の顔色が変化した……お母様も明らかに動揺し始めている。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! バイアス……何を言い出すのかしら? ウィリアム様は今は関係ないでしょう?」
「関係ない……? 先ほど、ウィリアム様とファラとの仲はお二人も認めているような発言がありましたが? それを踏まえれば今後によっては、ウィリアム様は非常に関係性の深いお方になってきますぞ」
「そ、それは……!」
先ほどの言葉が災いしたわね……バイアス兄さまにお父様は何も言い返せなかった。まあ、お父様はさっきの発言を抜きにしてもウィリアムと私が読書をしていたところにやって来た時もあるし、言い逃れなんて出来るわけがないけれど。
「と、とにかく……ウィリアム様は今回の件には関係ない! 決してそのようなことを認めるわけには……!」
お父様の慌てようは尋常ではなかった。その態度は自分達に非があると認めているようなものだ。なんだか、私達の方がサーカスの催し物を見ているみたいになってきた。
「ご心配なく、父上。父上のことですから決してお認めにならないと思っておりました。ですので……」
「ですので……?」
緊張の一瞬だ。バイアス兄さまの切り札が切られようとしていた。私もこの後、どのような展開になるのかは知らないけれど。
「ウィリアム様は扉のすぐ向こうにいらっしゃいます。今までの会話も全て聞かれておりました」
「な、なんだと……!? そんなことが……!」
「特に父上の命に背いたわけではありませんぞ? なぜなら、最初からお呼びし待機してもらっていただけですので……」
確かにその通りだ……私としてもまさかウィリアムが居るとは思わなかったけれど、お父様の言葉に逆らって無理矢理呼んだわけではない。だって、最初から居たわけだからね。
「なんだか、とんでもない話になっていますね……バイアス殿」
「ウィリアム様、ご足労お掛けして申し訳ありませんでした」
「いえ、ファラの為でもありますので……喜んで協力させていただきたいと思っています」
「そう言っていただき、とても光栄でございます」
バイアス兄さまとウィリアムの二人は和やかに話しているけれど……お父様とお母様の二人はとてつもない程に驚いていた。こんな二人を見たのは何時以来だろうか? もしかしたら初めてかもしれない。
「本当ですわね、あなた! それで、バイアス? この後はどんなイベントが待っているのかしら?」
「イベントって……」
まるで、サーカスの催し物でも見ているかのように陽気になっているお父様とお母様の二人。私は呆れたように溜息が漏れてしまった。溜息こそ吐いていないけど、兄さまも同じ気持ちだと思う。
次なるイベント……兄さまは何か考えがあるのかしら?
「ふう、仕方ありませんね。こうなったら、あの手を使いましょうか」
「あの手……? 一体、何のことだ?」
「ウィリアム公爵令息にこの状況を見てもらい、第三者の目線で判定していただくのです。ウィリアム様のお言葉であれば、父上も母上も聞かないわけにはいかないでしょう?」
「なんだと、ウィリアム様に……?」
バイアス兄さまの言葉にお父様の顔色が変化した……お母様も明らかに動揺し始めている。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! バイアス……何を言い出すのかしら? ウィリアム様は今は関係ないでしょう?」
「関係ない……? 先ほど、ウィリアム様とファラとの仲はお二人も認めているような発言がありましたが? それを踏まえれば今後によっては、ウィリアム様は非常に関係性の深いお方になってきますぞ」
「そ、それは……!」
先ほどの言葉が災いしたわね……バイアス兄さまにお父様は何も言い返せなかった。まあ、お父様はさっきの発言を抜きにしてもウィリアムと私が読書をしていたところにやって来た時もあるし、言い逃れなんて出来るわけがないけれど。
「と、とにかく……ウィリアム様は今回の件には関係ない! 決してそのようなことを認めるわけには……!」
お父様の慌てようは尋常ではなかった。その態度は自分達に非があると認めているようなものだ。なんだか、私達の方がサーカスの催し物を見ているみたいになってきた。
「ご心配なく、父上。父上のことですから決してお認めにならないと思っておりました。ですので……」
「ですので……?」
緊張の一瞬だ。バイアス兄さまの切り札が切られようとしていた。私もこの後、どのような展開になるのかは知らないけれど。
「ウィリアム様は扉のすぐ向こうにいらっしゃいます。今までの会話も全て聞かれておりました」
「な、なんだと……!? そんなことが……!」
「特に父上の命に背いたわけではありませんぞ? なぜなら、最初からお呼びし待機してもらっていただけですので……」
確かにその通りだ……私としてもまさかウィリアムが居るとは思わなかったけれど、お父様の言葉に逆らって無理矢理呼んだわけではない。だって、最初から居たわけだからね。
「なんだか、とんでもない話になっていますね……バイアス殿」
「ウィリアム様、ご足労お掛けして申し訳ありませんでした」
「いえ、ファラの為でもありますので……喜んで協力させていただきたいと思っています」
「そう言っていただき、とても光栄でございます」
バイアス兄さまとウィリアムの二人は和やかに話しているけれど……お父様とお母様の二人はとてつもない程に驚いていた。こんな二人を見たのは何時以来だろうか? もしかしたら初めてかもしれない。
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