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しおりを挟む後日、私におかしな噂を流した侍女は解雇されてしまったし、豹のご令嬢は嘘をついていた罪で僻地へと飛ばされてしまっていた。
そうして、風の噂では――私のことを手ひどく振った王太子は妹以外の誰かとの逢い引き中に狼の群れに襲われてしまって――再起不能になったのだとか――。
継母はついに私の父から愛想を尽かされ、義妹と一緒に屋敷から追い出されていまったのだという。
私はと言えば――。
獣人国との和平を導いてくれた聖女のような扱いを国ではされていると、実父から手紙が届いた。
そうして――。
陛下との心が通じ合って数日間――激しい蜜夜は続いた。
「ああっ、陛下っ……」
「我が妃よ……どうか俺を受け止めてほしい……」
どうやら狼の性質のようで、時間をかけてゆっくりねっとり、数日掛けて妻を愛し続ける性質があるらしい。
満月になるとこうなることが分かっていたからこそ――私との性交渉は月に一度正気で居られる日だけにしていたそうだ。
「ああ――綺麗だ――愛しているよ」
人間の姿でも半獣人の姿でも――。
(本当の陛下は狼の姿以外の時でも獣だった――!)
毎晩愛され続けて大変なことになってしまっていた。
しかも、私が疲れて眠っている間に、気づけばたくさんの宝石やらドレスやらが増えてしまって部屋の中は一気に大変なことになったというおまけ付きである。
「どんな姿の俺でも受け入れてくれる人間は君だけだ」
「陛下……」
「だから、俺は――君がどんな姿になったとしても――どれだけ年を重ねてしまっても――ずっとずっと貴女だけを愛し続けると誓うよ。これまでは言葉足らずで悪かった。愛している、私だけの妃」
これから先、離れていた月日の分、たくさんの愛を注がれる。
半獣人だったり獣だったり、そんな彼のことを受け入れながら、幸せな日々が続く期待で胸がいっぱいになったのでした。
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みんなの感想(1件)
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幼馴染だったという設定が可愛いですね💕
2人の過去もこれからも楽しみです♪
RoseminKさん、返信が遅くなってしまってごめんなさい。
過去に何があったのかとか妄想が沸いてきますよね(^^)
また長編化するときはお知らせしますね、いつもありがとうございます♪♪