スプーキージャッジメント!

 いつからだろうか。

 気づけば、うちの小学校で、とあるウワサが流れはじめていた。

『逢魔が時に学校へ行くと、鬼がいる』

 逢魔が時とは、「魔に出会う時間」のことらしい。

 夕日が沈み、空が夕方から夜に変わっていく時間帯。

 薄ぼんやりとした景色のなか、向かいから近づいてくる誰かが、「人なのか」「魔」なのか、わからない。

 そんな、十七時から十八時のあいだの時間を、逢魔が時というらしい。

 ウワサの続きはこうだ。

『逢魔が時に行った学校にて、鬼といっしょにゲームをして、勝つと不老不死にしてもらえる。

 しかし、そのゲームに負けると地獄に連れ去られてしまう』。

 うちのクラス・六年一組でも、最近は、逢魔が時の鬼の話で持ちきりだ。

 不老不死っていうのが、魅力らしい。

 女子は「老けるのまじイヤだもんね」って笑いあっているし、男子は「どんだけやられても死なねえとかカッケえよな」と興奮してる。

 逢魔が時の鬼とは、いったいなんなのか――。

 逢魔が時の学校で、いま、
 魂を賭けた学校裁判がはじまる――!

表紙イラスト ノーコピーライトガールさま
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