転生天才魔法士、今日も山奥で引きこもります

　異世界転生したところ、転生先はどうやら魔法士の家だったらしい。家の前に落ちていた子どものカリルを師匠は大切に育ててくれた。前世の記憶はあったがここでは力の無い単なる子ども。どこに行くことも出来ず師匠の言うことを素直に聞いて育ったら、幸か不幸か魔法の才能があったらしく、天才魔法士に成長してしまう。

　立派に成長したと喜ぶ師匠が王都にカリルを派遣しようとする。スローライフが目標のカリルには絶対避けたいところだ。隙を見て師匠が逃げるカリルは遠くの山に家を建て、新しい魔法の開発に乗り出した。

　一番成功した魔法は転生前の世界から自然物を取り寄せするものだった。人工物は無理だが、植物があれば生活するには十分だ。カリルはじゃがいもやにんじんなどの野菜の苗を取り寄せ、悠々自適な自給自足生活を始めた。山には様々な魔物も生息しており、それらを従え、もふもふハッピーな毎日に満足していた。

　しかし、カリルの居場所を突き止めた師匠が王族に報告してしまい──！？