貴方に抱かれると、死んでしまうので。
——わたしは全てを思い出した。過去四度、愛する人に抱かれた直後に死んでしまったことを。
フィリーナは五度目の人生で、彼と関わらないように生きることを決めた。今までは、運命がそう定まっていたのか、始めから彼女と彼は婚約者という関係であった。
しかし、今世では婚約者が決まっておらず、彼の姿も見えない。更に、過去の人生ではいなかった兄という存在がいる。フィリーナは、今までの人生とは流れが変わったと考えた。寂しさを感じながらも、彼女は彼のいない人生を歩み始める。
学園に入学した時。フィリーナは魂が惹かれ合う感覚を覚え、聖騎士となった彼、ルーンオードに出会う。彼は深い蒼い目を彼女に向けたが、そこに以前と同じ甘い色はなかった。更に、彼の隣には、今代の美しい聖女が寄り添っていた。フィリーナは深い悲しみのような気持ちを抱いたが、全てを受け入れて新たな一歩を踏み出すことを決意する。
貴方が幸せに生きることができるのなら、わたしはこの恋を諦めます。
これは、ただ一人のことを愛する”わたし”と、暗く濁った想いを抱く”彼”が、幸せを掴み取るまでの物語。
※この作品は、『小説家になろう』『カクヨム』様にも投稿しています
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