本当の春
僕たちは、自分を何と呼べば良いのかも分からない曖昧な存在で、それでも、出会いたいと願う一人がいて、それなのに、出会ってしまえば臆病になって手放す始末だーーー
高校入学に合わせて東京から引っ越してきた西山くんと、クラスに馴染めない浅田さんは、お互いの優しさを頼りに親しくなる。
北海道の本当の春の中、自然と始まった二人の下校時間は、穏やかで、優しい時間だった。
でも、恋とか友情だと断定しない、曖昧な関係を続ける二人には、当たり前のように噂が流れ始めてしまう。
本当の自分が何なのかも分からない不安定さは、穏やかな青春さえも奪ってゆく。
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