嘘はたったヒトツだけ
折原奈美と折原優矢は五歳離れた姉弟として共に暮らしていたのだが、誰にも知られてはならない恋愛関係にもあった。しかし、その想いを絶つ為に現在は離れて暮らしていた。
そんなある日、優矢が宝くじ一等を当選する。それにより、両親の命日以外に顔を合わす事のなかった二人は、両親に当選を報告するという名目で、二人きりで会う約束をする。
現在もまだ奈美が一人で住んでいる久しぶりの実家を訪れた優矢は、自室だった部屋の中が以前と変わっていない事に愕然とする。更に、昔を思い起こさせるような素振りを見せる奈美の真意が判らず、動揺が強まっていく。優矢は昔、奈美を妊娠させてしまったという負い目があった。その事で、奈美が自殺未遂をしたからだ。なので、直接罵られた事こそないもののそれは奈美が心の優しい人だからであり、心底では恨んでいるのではないか、と。
しかし、それは優矢の誤解であった。奈美はその時、妊娠を望んでいた。だから喜んだ。けれど、流産してしまった。それで、自殺しようとしたのだ。奈美は優矢を未だ愛していた。殺してしまいたいくらいに。
そうすれば何処にも行かない。
誰とも会わない。
故に、想いも変わらない。
………棄てられる事もない。
いつからかそれぞれの行動や言動を自身の想いと思いのみで解釈し、伝え合わないできたその結果、二人はすれ違い、苛まれ、病み、蝕まれ、壊れていった。
そして、
それは今も続く。
奈美はずっと、
優矢から永遠の愛を得たかった。
例えば、
三億円を独り占めしようとしても
変わらず愛し続けてくれるくらいの。
例えば、
実の姉弟つまり血縁ではなくとも、
見捨てる事のないくらいの。
そんな、不変の愛情を。
そんなある日、優矢が宝くじ一等を当選する。それにより、両親の命日以外に顔を合わす事のなかった二人は、両親に当選を報告するという名目で、二人きりで会う約束をする。
現在もまだ奈美が一人で住んでいる久しぶりの実家を訪れた優矢は、自室だった部屋の中が以前と変わっていない事に愕然とする。更に、昔を思い起こさせるような素振りを見せる奈美の真意が判らず、動揺が強まっていく。優矢は昔、奈美を妊娠させてしまったという負い目があった。その事で、奈美が自殺未遂をしたからだ。なので、直接罵られた事こそないもののそれは奈美が心の優しい人だからであり、心底では恨んでいるのではないか、と。
しかし、それは優矢の誤解であった。奈美はその時、妊娠を望んでいた。だから喜んだ。けれど、流産してしまった。それで、自殺しようとしたのだ。奈美は優矢を未だ愛していた。殺してしまいたいくらいに。
そうすれば何処にも行かない。
誰とも会わない。
故に、想いも変わらない。
………棄てられる事もない。
いつからかそれぞれの行動や言動を自身の想いと思いのみで解釈し、伝え合わないできたその結果、二人はすれ違い、苛まれ、病み、蝕まれ、壊れていった。
そして、
それは今も続く。
奈美はずっと、
優矢から永遠の愛を得たかった。
例えば、
三億円を独り占めしようとしても
変わらず愛し続けてくれるくらいの。
例えば、
実の姉弟つまり血縁ではなくとも、
見捨てる事のないくらいの。
そんな、不変の愛情を。
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