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二章 ハーレムルート

始めての部屋

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猫になりエドの腕の中で、エドの部屋まで向かった。
エドの部屋に入るの初めてで、ちょっとドキドキする。

ガチャ

ロックが解除され扉をエドが開ける。
家具等はライの所と同じだけど、雰囲気?匂いは全く違う。

「そんなに俺の部屋気になる?」

「にゃぁん?」

「さっきからキョロキョロしてるから。」

つい初めての場所に興奮してしまった。
恥ずかしくてエドの腕に顔を埋めた。

「ふっ、おらよ。気になるなら見て回れよ。」

エドの部屋に興味の有る僕の為に部屋内を見回ることを提案してくれた。
お言葉に甘えるように僕はトンとエドの腕の中から降りて、ライの部屋と変わらない配置の部屋を探検した。
同じように見えるのに全く違う部屋で、香りに興味を引かれてしまう。
ソファに華麗にジャンプして香りを嗅いだ。
ライやリックの香りが微かに有るが二人以外の香りは感じなかった。

次にぎらっと目についたのがベッドだった。

ソファの背に乗り華麗にジャーンプー……ベッドには届かなかった…。
ちらっとエドを確認すると口元を隠しながら目線を逸らされた。
あの手の下では笑いを堪えているのが分かる。

「にゃ゛ん゛っ」

笑いたきゃ笑えばいいのにっ…ふんっ。 
ソファからの大ジャンプを失敗した所為で、ベッドに乗るのもちょいミスって足が落ちてバタバタしちゃった。
エドのベッドはエド以外の香りはしなかった。

意外だ。

過去のペアの人を部屋に連れたりとかしなかったのかな?
枕にも鼻をつけて嗅ぎまくったのにエドだけだった。
もしかしてエドは几帳面で凄く綺麗好きだったりするのかな?
僕がゴロゴロしたら嫌に思うかな?
パタンと横になりながらエドをセクシーに見上げた。
エドは穏やかな顔で嫌がっているようには見えない。

皆どうしてそんなに受け入れてくれるのかな?

優しい人の周囲には優しい人しか居ないのかな?
皆が優しすぎるて僕…ダメになっちゃいそう…。
側にエドが座ると身体が勝手にエドの方に傾いてしまう。
頭や身体を優しく撫でてくれて、当然だがエッチな雰囲気はなかった。

「なぁ、いつまで猫なんだよ。」

「…にゃぁ~ん?」

人間になったらすぐにしちゃうし…。
したいけど…皆が僕を煽るだけ煽って置いてけぼりにしたの忘れてないから。
仕返しとして、まだ人間にならない…それに人間に戻ったら僕…裸…。
ここで裸になるのはなぁ…。
悩んでいるとエドの顔が近付いてきた。
この姿で…?
ん?エド何してるの?
僕のお腹でスーハーしてる…。
やぁん、何々?
ポンポンと頭を叩いたけどエドはまだスーハーしてる。
僕のお腹匂うのかな?

…眠ってる?

「にゃぁん?」

エド?
エドが漸く顔をあげて僕と目があったのに、またお腹に沈んだ。
ねぇどうして?僕のお腹をそんなにスーハーしてるの?
僕…どうするのが正解?一応動かないでいるけど…エド?
もうそろそろと思いポンポンと頭を叩いた。
エドはゆっくり顔をあげた。

「ルマン?」

そうだ…僕エドにはルマンて呼ばれるんだ。
この体勢だとまたお腹にエドが沈むかも…どうしよう…。

そうだっあそこに行こっ。

僕はシュタッと床に降り有る部屋に向かった。
大ジャンプでドアノブに飛び付き身体を振って扉を開けた。

扉開けるの上手くなったかも。

開いた先にある部屋は…僕の大好きなお風呂だぁ。

「にゃぁん」

僕の跡をついてくるエドにあざと可愛くお風呂を強要した。

「風呂入りてぇのか?」

「にゃん」

尻尾が揺れてるのが分かる。

「その姿でか?」

「にゃん」

「…分かったよ」

エドは服を脱ぎお風呂に入れてくれた。
湯船に湯を張りながら桶にお湯をいれて、僕の身体を洗ってくれる。

「俺の部屋石鹸ねぇんだわ…今度用意しとくな?」

「にゃん」

僕の大好きな石鹸が無いのは残念だが仕方がない。
お湯で丁寧に洗ってくれる。
勝手に大きい人はガサツって思ってたけど全然そんなことはなく、ライもだけどエドの触り方も優しかった。
お湯で洗いながらマッサージされてるようで凄く気持ちいい。
あっ気持ち良すぎて寝ちゃう…。
エドの手の甲に顎を乗せ瞼を閉じる。
エドの手って魔法の手だぁ…あっこの世界魔法有るんだった。

ん?エド、僕の肉球洗ってるというより…楽しんでる?

まぁエドの触りかたは嫌じゃないからいいよっ。
全身を洗われ気持ち良くなったので…。

ぽん

人間に戻った。

「エド…気持ち良かった。」

「そうか?」

「うん」

浴槽にお湯が溜まったので二人で湯に浸かり、エドの膝の上に後ろ向きで乗り寛いだ。
後ろから抱き締められ、のんびりしていが胸を触られイタズラされ始めた。

「んっん~エェドォ」

「ん?」

「イタズラだめぇん…後でねっチュッ。」

エドの顎に優しくキスをして、イタズラを止めさせた。

「わかった、後でな。」

「…泡風呂したいから次の時までに忘れないで買ってね?」

「あぁ、あれ俺も気に入ったわ。」

「本当?嬉しいっ」

「ルマンの身体を思い出すからな」

エドは僕の項をくんくんと匂いを嗅いでいた。

「やぁんっエドくすぐったいよ。」

身を捩りながらも少し今の状況を楽しんでいた。

「もぅエドォ、だめぇん。」

身体を捩って向き合う体勢となり、エドの首に唇を着けた。

「くすぐってぇ」

エドの言葉が嬉しくてもっとしたくなる。
背筋を撫でられ腰の辺りに触れられると反応してしまい、尻尾出してないのにそこは敏感になってしまっていた。

「もう上がるか?」

「…ぅん」

二人で浴槽を出てバスローブを着た。
エドのサイズはかなり大きくて床についてしまうんじゃないかと思うくらいだった。
そして、エドに凭れるようにソファに座った。

「夕食だよな用意するから大人しく待ってろよ?」

「うん」

エドは服を着て部屋を出ていった。
一人エドの部屋に残されただけなのに、急に淋しくなってしまった。
エドが着ていたバスローブを手に取り抱き締めていた。
一生懸命クンクン嗅いでエドを思い出す。
ソファに横になり、バスローブの割れ目から足を出しエドのバスローブを足で挟んだ。
匂いや温もり全てを感じたかった。

ガチャ

「…そんなに俺が恋しかったか?」

いつの間にかエドは帰ってきていた。
エドが帰ってきたのに気付かない程エドのバスローブに夢中だった。

「…ぅん」

僕が素直に頷くとエドは驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔になった…ちょっぴりエッチな時にする表情にも見える。
エドはゆっくり僕を跨ぎ覆い被さりながら上から見下ろしてくる。

「もう本物の俺がいるから淋しくねぇだろ?」

「…ぅん」

僕達の唇が重なっていた。
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