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二章 ハーレムルート

僕っていくつなんだろう

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朝食の後皆を見送ることになった。
明日のパーティーの準備とはいえ、こんなに早く出なくても良くない?
皆が帰るのをアドルフと共に見送り、馬車に乗り込む前には皆キスしてくれる。
馬車を見送り皆が帰ると途端に淋しくなってしまう。
その淋しさを埋めるようにアドルフを抱きしめ続けた。
それでも夕方になると淋しさが込み上げてきて、お父様とお兄様の帰りが遅くなりお母様との二人きりの食事は少しだけ悲しみで不安だった。
毎日誰かに抱きしめられて眠っていたので、久し振りの一人は落ち着かない。
食事を終えてお風呂に入り布団に入るも眠れず、どうしても我慢できずにお兄様の部屋の前で枕を抱えて座り込んでいた。

「シャル?」

名前を呼ばれた気がして顔をあげるとお兄様の姿があった。
僕は枕を落としてお兄様まで駆けつけ抱き付いていた。

「淋しかったのか?」

「ぅん」

「そっか、なら今日も一緒に眠るか?」

「ぅん」

「なら、部屋に行こうな?」

「ぅん」

「シャル…ただいま」

「…おかえりなさい」

顔を上げるとお兄様は優しく微笑んでくれた。
こんな面倒な僕に優しくしてくれるのは家族だからだよね。
家族じゃなかったら見捨てられちゃうんだろうな…。
僕が落とした枕を拾いながらお兄様は僕を片腕で抱きしめてくれる。
お兄様の腕の中はとても安心する。
あんなに不安で眠れなかったのに、急に眠気を感じ始めた。
お兄様は洗浄魔法で済ませ衣服を着替えた。
人の着替えを見るのは良くないけど、お兄様の着替えは格好良く目が離せない。

エッチな僕でも相手がお兄様だとエッチな気分にはならないのが不思議だった。
お兄様としたいとかじゃなくて、あんな魅力的なのに不思議だなぁって…。

先にベッドに入っていた僕はお兄様が来るのをそんなことを考えながら待っていた。
僕の横にお兄様の温もりを感じると一気に眠気に襲われ瞼か降りた。
お兄様にくっつけば軽く抱きしめられ、その後の記憶はない。
多分寝てしまったんだと思う。
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