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二章 ハーレムルート

お昼休み

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昨日の放課後から皆はちょっぴり機嫌が悪かった。
アレックスも何故か困った顔をしている。

僕はただアドルフに猫さんを見せたかっただけなのに…。

成長して魔力が増えたら小さな動物は逃げてしまう、そうなる前に会わせてあげたかった…それだけなの…。

朝もお昼もいつも以上に皆が一緒だった。

「あっそうだ、僕あの人に聞くことがあったんだ。」

「…何を聞くんだ?」

ライが突然冷たい声になった。

「ん?あの人の名前っ」

「「「………。」」」

ん?皆も知りたいでしょ?

「シャルマン…彼の名前知らなかったの?」

「ん?うん…えっ皆は知ってるの?」

「…あぁ」

「俺も名前くらいは知っている…」

えっ?皆彼の名前知ってるの?
自己紹介いつしたの?
あれ?彼ってAクラスだったっけ?Cクラスじゃ?

「…僕だけ知らなかったの?」

「シャルマンは今まで彼とどんな会話をしていたの?」

「ん?ん~王子様と仲がいいのか?とかぁ、婚約者を平等に愛せてるのか?とかぁ、子供がもし魔力がなくても愛せるのか?とかぁ、あっ僕がお母さんだと幸せだなって言ってくれよぉ。んふふ、それとね猫さんのことも話した。」

「…そうっ。」

「脅されたりは?」

「ん~初めだけだったかも…」

「身体は触られてたんだよな?」

「んっ…ちょっとだけ…でもねっ、マッサージって」

「「「マッサージ?」」」

「ほら、前にライが母乳が出るようにってマッサージしてくれたでしょ?あんな感じのやつ。」

だから、そんなにエッチな関係じゃないよ?

「………確かにしたな(悪い…俺の所為かも)」

「………ライアン(ルマンは単純…信じやすいんだよ)」

「………そうなんだ(マッサージって言葉で受け入れて、そこまで深刻に考えていなかったとか?)」

「そうなの、だからあの人はそんなに悪い人じゃないんだよっ。猫さんが凄く懐いてたし。」

皆に分かってもらおうと必死に伝えた。
だって彼のマッサージ凄く気持ち良かったの、これは皆に秘密だけどね。

「猫さんねぇ(猫が猫に釣られたのか?)」

「猫さん…(猫使って騙されてんじゃねぇのか?)」

「猫…さん(同族意識を利用された?…でもシャルマンがなんの獣人かは知られてないはず…偶然か?)」

「アドルフも猫さんに会いたいだろうね。」

「…そうだな。」

「…そうだね。」

「…きっと喜ぶよ。」

「皆も猫さんが懐いてくれたら良いよね?あの人も時間を掛けたって言ってたから頑張ったら抱っこ出来るかもよ?」

皆も猫さんに会いたいはずっ。

「猫を抱きしめたかったらシャルに頼むわ。」

「俺も猫になってくれって言う。」

「そうだね、他の猫に浮気なんてしないよ。」

猫の僕にも気遣ってくれるなんて嬉しい。
だったら僕がなってあげないとっ。

「…皆ぁ、良いよっ僕猫になるよっ。」

ポン

「にゃぁ」

落ちた制服の中から這い出て三人を見上げた。

「シャル」

抱っこ抱っこぉ、とせがむように両手を必死に伸ばした。
抱き上げられ腕の中に収まると安心する。
エドは鼻をこちょこちょされ気持ちよくなり、今日のお昼休みは時間いっぱい皆とじゃれていた。
ギリギリまで遊び過ぎて着替えて学園に戻る時には、走るライに抱えられて移動した。
僕が走るより抱えたライが走った方が早いのはちょっと納得できなかった。
僕は猫の獣人なのに、走りが遅いって…猫は俊敏じゃなかったの?
知りたくなかった発見だった。
獣人になっても身体能力は変わらない…人間の時のままだった。
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