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四章 物語は終盤へ
か…ぞ…く…
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第二夫人。
平民から抜け出すために男爵の愛人になった…それが僕だ。
男爵を愛したことはない、ただ貴族になれるのであれば誰でも良かった。
僕はそれほどこの生活から逃げ出したかった…。
平民の生活は辛い。
やることは多いし、季節には抗えない。
凍えそうな日々が続いたと思えば水分を全て奪われるような暑さに襲われ、そんな中でも仕事は毎日ある。
見た目が良いと自負していたが、出会うのは平民ばかりで嫌気がさしていた。
貴族と関われるところはないか必死に探し、僕に引っ掛かるのを待った。
もう限界かと諦めかけた時、男爵が向こうから寄ってきた。
「私の愛人にならないか?」
口説くこともせず単刀直入からして僕が断れば他のに声をかけるのが分かり、飛び付いた。
聞けば、妻が子供が出来ないから愛人が必要になったと…。
目の前の貴族が僕にはなんの興味もないところが僕と似ていて楽だと感じた。
貴族は嫌いだがこの生活から抜け出すためには夫人のご機嫌は取らないといけないと思っていたが、男爵の態度を見てそんなことをしなくても良いんだと知った。
そして僕と男爵は相性が良かったのかすぐにランスロットが出来、夫人が顔を歪めるのを見て優越感に浸った。
だけどランスロットが出来て知った、男爵という爵位は夫人のもので当主は代理に過ぎないことを。
それでは、夫人が僕を追い出そうとすれば誰も反論は出来ないんだと。
なんて愚かな行動をしてしまったのか反省した。
夫人に追い出されれば再び平民生活…子供を抱えては厳しすぎる。
すぐに媚を売らないとと動き出すも当主に「そんな必要はない、あれは気にするな」と言われた。
こいつは分かってないのか?貴族の血筋は夫人のもので、世間ではあんたは単なる男爵家当主代理なんだと。
商人なのにその事も分からないなんて…僕は間違った人の愛人…第二夫人になってしまったと焦っていたが、僕達の関係は何も変わらなかった。
夫人は僕を追い出すこともないし、僕の今までの無礼を咎めることもなく調子にのってしまった。
そんな時夫人に子供…レノックが出来てしまった。
男爵家を継ぐ子供が…。
僕は男爵に泣き落としで居座った。
無様だったとしてもどんな手を使っても居座ってやると決めたから行動したが、男爵は僕も息子も追い出すことはないと話してくれた。
ランスロットにもあっちの子供には負けることは許さないと言い聞かせた。
それでも暴力は振るうなと伝えた。
暴力を振るってしまえば、追い出される。
それだけは避けなければならないことだった。
基本的に男爵代理は僕の味方になってくれているので、多少の事なら許されるだろうとは思っていた。
ただ、調子にのり過ぎて暴力となれば僕達が追い出されるのは目に見えていた。
それに認めたくないが、あっちの子供の方が優秀だったがランスロットの方が商人には向いていると周囲には伝えていた。
ランスロットも学園では沢山の貴族の人脈を作ったと楽しく話してくれた。
あまりにも自信満々だったので疑うことはなかった。
ランスロットによればお互い当主の座に着いたら助け合おうと約束したと話してくれ、卒業して四年が経った時成果を見せてくれた。
学園でうちの商品を教師や生徒にプレゼンして反応を見ていたのが、今漸く実になったと…。
うちの子はやはり、優秀だと毎日のように話していた。
あっちの子供が卒業後は帰らない、家を出るという手紙が届いた時「勝った」と思い嬉しくてたまらなかった。
たった二ヶ月で帰ってくると手紙が届いたときは、平民の生活を知らない貴族の坊っちゃんが泣きついてきたと思い笑いが止まらなかった。
多少の金を渡して追い返すつもりだった…だったのに、あいつは貴族と結婚すると言い出した。
ランスロットは男爵すら断られたのにあっちは現伯爵家、元公爵家の人間と…。
しかも子供までいた。
…だから、簡単に男爵家を捨てる発言が出来たんだ。
僕が欲しくて堪らなかった男爵を簡単に捨てられる…やっぱりこいつらは大嫌いだ。
平民から抜け出すために男爵の愛人になった…それが僕だ。
男爵を愛したことはない、ただ貴族になれるのであれば誰でも良かった。
僕はそれほどこの生活から逃げ出したかった…。
平民の生活は辛い。
やることは多いし、季節には抗えない。
凍えそうな日々が続いたと思えば水分を全て奪われるような暑さに襲われ、そんな中でも仕事は毎日ある。
見た目が良いと自負していたが、出会うのは平民ばかりで嫌気がさしていた。
貴族と関われるところはないか必死に探し、僕に引っ掛かるのを待った。
もう限界かと諦めかけた時、男爵が向こうから寄ってきた。
「私の愛人にならないか?」
口説くこともせず単刀直入からして僕が断れば他のに声をかけるのが分かり、飛び付いた。
聞けば、妻が子供が出来ないから愛人が必要になったと…。
目の前の貴族が僕にはなんの興味もないところが僕と似ていて楽だと感じた。
貴族は嫌いだがこの生活から抜け出すためには夫人のご機嫌は取らないといけないと思っていたが、男爵の態度を見てそんなことをしなくても良いんだと知った。
そして僕と男爵は相性が良かったのかすぐにランスロットが出来、夫人が顔を歪めるのを見て優越感に浸った。
だけどランスロットが出来て知った、男爵という爵位は夫人のもので当主は代理に過ぎないことを。
それでは、夫人が僕を追い出そうとすれば誰も反論は出来ないんだと。
なんて愚かな行動をしてしまったのか反省した。
夫人に追い出されれば再び平民生活…子供を抱えては厳しすぎる。
すぐに媚を売らないとと動き出すも当主に「そんな必要はない、あれは気にするな」と言われた。
こいつは分かってないのか?貴族の血筋は夫人のもので、世間ではあんたは単なる男爵家当主代理なんだと。
商人なのにその事も分からないなんて…僕は間違った人の愛人…第二夫人になってしまったと焦っていたが、僕達の関係は何も変わらなかった。
夫人は僕を追い出すこともないし、僕の今までの無礼を咎めることもなく調子にのってしまった。
そんな時夫人に子供…レノックが出来てしまった。
男爵家を継ぐ子供が…。
僕は男爵に泣き落としで居座った。
無様だったとしてもどんな手を使っても居座ってやると決めたから行動したが、男爵は僕も息子も追い出すことはないと話してくれた。
ランスロットにもあっちの子供には負けることは許さないと言い聞かせた。
それでも暴力は振るうなと伝えた。
暴力を振るってしまえば、追い出される。
それだけは避けなければならないことだった。
基本的に男爵代理は僕の味方になってくれているので、多少の事なら許されるだろうとは思っていた。
ただ、調子にのり過ぎて暴力となれば僕達が追い出されるのは目に見えていた。
それに認めたくないが、あっちの子供の方が優秀だったがランスロットの方が商人には向いていると周囲には伝えていた。
ランスロットも学園では沢山の貴族の人脈を作ったと楽しく話してくれた。
あまりにも自信満々だったので疑うことはなかった。
ランスロットによればお互い当主の座に着いたら助け合おうと約束したと話してくれ、卒業して四年が経った時成果を見せてくれた。
学園でうちの商品を教師や生徒にプレゼンして反応を見ていたのが、今漸く実になったと…。
うちの子はやはり、優秀だと毎日のように話していた。
あっちの子供が卒業後は帰らない、家を出るという手紙が届いた時「勝った」と思い嬉しくてたまらなかった。
たった二ヶ月で帰ってくると手紙が届いたときは、平民の生活を知らない貴族の坊っちゃんが泣きついてきたと思い笑いが止まらなかった。
多少の金を渡して追い返すつもりだった…だったのに、あいつは貴族と結婚すると言い出した。
ランスロットは男爵すら断られたのにあっちは現伯爵家、元公爵家の人間と…。
しかも子供までいた。
…だから、簡単に男爵家を捨てる発言が出来たんだ。
僕が欲しくて堪らなかった男爵を簡単に捨てられる…やっぱりこいつらは大嫌いだ。
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