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第11話:皆同じクラスでした
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入学式が始まると、まずは学院長先生のお話し、そして生徒会長のお話し、最後に新入生代表でもあるヒューゴ様のお話しと続いた。
「おい、マリア、席を変われ」
ヒューゴ様が挨拶の為席を立った瞬間、すかさずライアンが私を自分の席に移動させた。
「ライアン、もうすぐ式も終わるのよ。今更席を変わらなくても…」
「いいんだよ、これで。大体お前、お妃候補にはならないんだろ。王太子殿下にこれ以上絡まれると、お妃候補に名乗りを上げている令嬢から、目の敵にされるぞ」
うっ…
確かにライアンの言う通りだ。もうあんな面倒な争いには加わりたくはない。とにかく私は、学生ライフを満喫すると決めたのだ。そして素敵な殿方を見つけて、幸せに暮らすのだ。
「わかったわ、ライアン。いつも私を気遣ってくれてありがとう。さすがライアンだわ」
「当たり前だろう。俺はいつでもお前の事を考えているんだ。とにかく、お前が女の醜い争いに巻き込まれない様に、俺も気にかけてやるからな」
なんて心強い友人なのだろう。ライアン、私はあなたの様な素晴らしい友達を持てて幸せよ。ついでに私に素敵な殿方を紹介してくれたら、もっと嬉しいわ。そう伝えようと思ったのだが、そのまま入学式が終わってしまい、伝えそびれてしまった。
「ほら、いくぞ」
再びライアンに腕を掴まれ、そのままホールを後にした。向かった先は掲示板だ。クラスが張り出されているのだ。ちなみに貴族学院は完全な学力社会。ABCクラスの3クラスを、単純に学力順に分けられるのだ。そのため、高貴な身分の人から比較的身分の低い人まで、入り混じっている。
1度目の生の時はAクラスだったけれど、今回はどうかしら?恐る恐る掲示板を見ると、Aクラスに名前があった。今回もAクラスだ。
「俺もお前もAクラスだな。ほら、行くぞ」
再び私の手を握り、Aクラスへと向かう。教室に入ると、リリアとミリアナもいた。
「リリア、ミリアナ、あなた達も同じクラスなのね。嬉しいわ、よろしくね」
「こちらこそ、よろしく」
嬉しくてリリアとミリアナの元に飛んでいき、挨拶をした。
「マリア嬢、僕も同じクラスだよ。よろしくね」
私に挨拶をして来たのは、ヒューゴ様だ。そうか、彼も同じクラスだったわね。という事は…
「あら、マリア嬢も同じクラスなのね。あなた、お妃候補に名乗りを上げていないのに、あまり殿下と親しくしない方がよいのではなくって?」
「そうよね、先月のお茶会では、あんなに啖呵を切って“私は王妃にはなりません”て宣言したのですものね」
やっぱり…お妃候補に名乗りを上げている令嬢たちもいる。それもこの前お茶会に参加していた4人中、3人同じクラスか…
そういえば教室内でも、私も加わって激しいマウント合戦が行われていた。今回はそんな面倒な事に関わるのは御免だ。
「ええ、私は王妃様には興味がございませんので。殿下、どうか私の事は放っておいていただければ。それでは失礼します」
そそくさと彼女たちの元を離れた。
「マリア、大丈夫?思いっきり巻き込まれているじゃない。そもそも、王太子殿下は何を考えているのかしら?マリアはお妃候補に名乗りを上げていないというのに…」
「そうなのよ。とにかく私も早く素敵な殿方を見つけて、婚約しないとね。私、婚約者と制服を着て街に買い物に行ったりするのが夢なの」
1度目の生の時、リリアが婚約者のアドルフ様と一緒に、楽しそうにしていた姿を覚えている。あの時は何とも思わなかったけれど、今はあんな風に過ごせたらいいなと思っているのだ。
「あら、マリアにはライアン様がいるじゃない」
「どうしてそこでライアンの名前が出てくるのよ!ライアンは私の幼馴染なのよ。それにライアンは騎士団にしか興味がないから、結婚なんてしないわ」
実際にライアンは、1度目の時誰とも結婚しなかったもの。
「もう…本当にあなたは鈍感なんだから…でも私も素敵な殿方を早く見つけたいわ。両親からも、貴族学院で素敵な殿方を見つける様に言われているし」
「そうよね。でも素敵な殿方なんて、見つかるかしら?」
そう言って2人がため息をついている。大丈夫よ、あなた達は来年には素敵な殿方と婚約しているから。そう教えてあげたいが、もちろんそんな事は言えない。
そうこうしているうちに先生が来たので、席に付いた。それにしても、ヒューゴ様やかつてのライバルたちも同じクラスなのよね…でも、ヒューゴ様が寵愛していたクラシエ様は別のクラス。それだけがまだ救いだ。
それでもリリアやミリアナ、ライアンも同じクラスだし、皆で楽しくやっていけそうだ。ライアンは友達も多いから、一緒にいれば素敵な殿方に巡り合えるかもしれない。早速ライアンに相談してみないと。
「おい、マリア、席を変われ」
ヒューゴ様が挨拶の為席を立った瞬間、すかさずライアンが私を自分の席に移動させた。
「ライアン、もうすぐ式も終わるのよ。今更席を変わらなくても…」
「いいんだよ、これで。大体お前、お妃候補にはならないんだろ。王太子殿下にこれ以上絡まれると、お妃候補に名乗りを上げている令嬢から、目の敵にされるぞ」
うっ…
確かにライアンの言う通りだ。もうあんな面倒な争いには加わりたくはない。とにかく私は、学生ライフを満喫すると決めたのだ。そして素敵な殿方を見つけて、幸せに暮らすのだ。
「わかったわ、ライアン。いつも私を気遣ってくれてありがとう。さすがライアンだわ」
「当たり前だろう。俺はいつでもお前の事を考えているんだ。とにかく、お前が女の醜い争いに巻き込まれない様に、俺も気にかけてやるからな」
なんて心強い友人なのだろう。ライアン、私はあなたの様な素晴らしい友達を持てて幸せよ。ついでに私に素敵な殿方を紹介してくれたら、もっと嬉しいわ。そう伝えようと思ったのだが、そのまま入学式が終わってしまい、伝えそびれてしまった。
「ほら、いくぞ」
再びライアンに腕を掴まれ、そのままホールを後にした。向かった先は掲示板だ。クラスが張り出されているのだ。ちなみに貴族学院は完全な学力社会。ABCクラスの3クラスを、単純に学力順に分けられるのだ。そのため、高貴な身分の人から比較的身分の低い人まで、入り混じっている。
1度目の生の時はAクラスだったけれど、今回はどうかしら?恐る恐る掲示板を見ると、Aクラスに名前があった。今回もAクラスだ。
「俺もお前もAクラスだな。ほら、行くぞ」
再び私の手を握り、Aクラスへと向かう。教室に入ると、リリアとミリアナもいた。
「リリア、ミリアナ、あなた達も同じクラスなのね。嬉しいわ、よろしくね」
「こちらこそ、よろしく」
嬉しくてリリアとミリアナの元に飛んでいき、挨拶をした。
「マリア嬢、僕も同じクラスだよ。よろしくね」
私に挨拶をして来たのは、ヒューゴ様だ。そうか、彼も同じクラスだったわね。という事は…
「あら、マリア嬢も同じクラスなのね。あなた、お妃候補に名乗りを上げていないのに、あまり殿下と親しくしない方がよいのではなくって?」
「そうよね、先月のお茶会では、あんなに啖呵を切って“私は王妃にはなりません”て宣言したのですものね」
やっぱり…お妃候補に名乗りを上げている令嬢たちもいる。それもこの前お茶会に参加していた4人中、3人同じクラスか…
そういえば教室内でも、私も加わって激しいマウント合戦が行われていた。今回はそんな面倒な事に関わるのは御免だ。
「ええ、私は王妃様には興味がございませんので。殿下、どうか私の事は放っておいていただければ。それでは失礼します」
そそくさと彼女たちの元を離れた。
「マリア、大丈夫?思いっきり巻き込まれているじゃない。そもそも、王太子殿下は何を考えているのかしら?マリアはお妃候補に名乗りを上げていないというのに…」
「そうなのよ。とにかく私も早く素敵な殿方を見つけて、婚約しないとね。私、婚約者と制服を着て街に買い物に行ったりするのが夢なの」
1度目の生の時、リリアが婚約者のアドルフ様と一緒に、楽しそうにしていた姿を覚えている。あの時は何とも思わなかったけれど、今はあんな風に過ごせたらいいなと思っているのだ。
「あら、マリアにはライアン様がいるじゃない」
「どうしてそこでライアンの名前が出てくるのよ!ライアンは私の幼馴染なのよ。それにライアンは騎士団にしか興味がないから、結婚なんてしないわ」
実際にライアンは、1度目の時誰とも結婚しなかったもの。
「もう…本当にあなたは鈍感なんだから…でも私も素敵な殿方を早く見つけたいわ。両親からも、貴族学院で素敵な殿方を見つける様に言われているし」
「そうよね。でも素敵な殿方なんて、見つかるかしら?」
そう言って2人がため息をついている。大丈夫よ、あなた達は来年には素敵な殿方と婚約しているから。そう教えてあげたいが、もちろんそんな事は言えない。
そうこうしているうちに先生が来たので、席に付いた。それにしても、ヒューゴ様やかつてのライバルたちも同じクラスなのよね…でも、ヒューゴ様が寵愛していたクラシエ様は別のクラス。それだけがまだ救いだ。
それでもリリアやミリアナ、ライアンも同じクラスだし、皆で楽しくやっていけそうだ。ライアンは友達も多いから、一緒にいれば素敵な殿方に巡り合えるかもしれない。早速ライアンに相談してみないと。
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