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第34話:ヒューゴ様に呼び出されました
ライアンの誕生日パーティーから1ヶ月が過ぎた。あの日自分の気持ちに気が付いて以降、なんだか変にライアンを意識してしまっている自分がいる。
そんな私の気持ちとは裏腹に、いつもの様にちょっかいを出して来るライアン。本当に人の気も知らないで…
ただ自分の気持ちに気が付いて以降、ついライアンを目で追ってしまう。その為、よく目が合うのだ。そのたびに視線を逸らすのだが…
「お前、今俺の事を見ていただろう?なんで目をそらすんだよ」
そう文句を言われてしまうのだ。ヒューゴ様の時は、とにかく自分の気持ちをアピールしなきゃという思いから、大胆に行動できたのに…
「は~」
ついため息をついてしまう。
「マリア、どうしたの?ため息なんてついて。最近元気がない様だし」
心配して話しかけてくれたのは、リリアとミリアナだ。彼女たちなら、悩みを相談しても大丈夫よね。
「あのね…絶対に誰にも言わないでね。実は私…どうやらね…その…ライアンの事が…す…好きみたいなの!」
顔を真っ赤にして叫んだ。
「うん、気付いていたわよ。だってあなた、この1ヶ月間、ライアン様を見つめていたと思ったら急に避けたりと、明らかに様子が変だったもの」
「マリアってわかりやすいものね。もしかしてライアン様の誕生日辺りで、自分の気持ちに気が付いたんじゃないの?」
なんと!リリアとミリアナは知っていたの?
「そうよ。あなた達、もしかして超能力者なの?て、ちょっと待って、あなた達にバレているという事は、ライアンにも…」
「それは大丈夫。あの人、マリアと同じくらい鈍いから。逆にマリアに嫌われたのかもって悩んでいたわよ」
「そう…それなら良かったわ」
「何がいいのよ。あなたの露骨な態度、もうちょっと何とかならないの?」
そうは言われても、なんだか変に意識しちゃうのよね。
「とにかく、今まで通り接すればいいのよ。わかった?もう、あなたがライアン様を避けるから、こっちまで気を使っているのよ。本当に恋愛下手なんだから」
そう言ってあきれているリリアとミリアナ。そう言われても、どうしていいのか分からないのだから仕方がない。
結局その日も、ライアンを意識してしまったのだった。
放課後、ライアンを残しさっさと校門を目指す。
その時だった。
「マリア嬢、少しいいかな」
話しかけてきたのは、ヒューゴ様だ。ただでさえライアンの事で頭が一杯なのに、ここに来てヒューゴ様に呼び止められるなんて。でも、さすがに王太子殿下でもあるヒューゴ様を、無下にする事は出来ない。
「はい、何でしょうか?」
「あの…ここでは何だから、ちょっといいかな」
ヒューゴ様に連れられ向かった先は、校舎裏だった。
「マリア嬢、こんなところに連れ出してすまなかった。どうしても君と話しがしたくて…まず僕のせいで、今まで令嬢たちから嫌がらせを受けてしまってすまなかった」
そう言って頭を下げたヒューゴ様。
「殿下、頭を上げて下さい。私は平気ですので」
「ありがとう、君は相変わらず優しいね…僕は君に初めて会った時に、一目ぼれしたんだ。君の事が忘れられなくて、あの日母上に頼んでお茶会に来てもらった。そして、君の飾らない姿や、自分の意思をしっかり持っている姿に心底心を打たれた。君は言ったよね。たった1人の相手と、愛し愛される関係を築きたいって」
そう言うと、私の方を真っすぐ見つめたヒューゴ様。
「僕は王太子の座を、異母兄に譲ろうと思っているんだ」
えっ?この人、何を言っているの?
「殿下、何をおっしゃっているのですか?そんな事、王妃様が許すわけがないでしょう」
自分の息子を国王にする事だけを夢見て、生きて来た様な人だ。きっとそんな事は、王妃様が許すはずがない。
「母上は関係ない。僕はね、家臣に降りて公爵の名を貰おうと思っているんだ。父上には話をしてある。随分と驚かれたが、何度も説得してやっと“マリア嬢がお前と結婚してもいいと言っているなら、公爵にしている”と言ってくれたんだ。だから、どうか僕を選んで欲しい」
そんな…
私の為に、王太子殿下の座を捨てるだなんて…
でも、だからと言ってあの孤独だった6年間を忘れて、ヒューゴ様の元に行きたいとは思わない。それに、私の為に王太子の座を捨てて欲しくないのだ。
「殿下、申し訳ございませんが、あなたとは結婚できません。どうかこのまま、王太子殿下としてお妃候補をお選びになってください。それでは私はこれで失礼いたします」
ダメだ、涙がまた溢れそうになる。
必死に涙を堪え、ヒューゴ様に頭を下げるとその場を急いで立ち去った。
そんな私の気持ちとは裏腹に、いつもの様にちょっかいを出して来るライアン。本当に人の気も知らないで…
ただ自分の気持ちに気が付いて以降、ついライアンを目で追ってしまう。その為、よく目が合うのだ。そのたびに視線を逸らすのだが…
「お前、今俺の事を見ていただろう?なんで目をそらすんだよ」
そう文句を言われてしまうのだ。ヒューゴ様の時は、とにかく自分の気持ちをアピールしなきゃという思いから、大胆に行動できたのに…
「は~」
ついため息をついてしまう。
「マリア、どうしたの?ため息なんてついて。最近元気がない様だし」
心配して話しかけてくれたのは、リリアとミリアナだ。彼女たちなら、悩みを相談しても大丈夫よね。
「あのね…絶対に誰にも言わないでね。実は私…どうやらね…その…ライアンの事が…す…好きみたいなの!」
顔を真っ赤にして叫んだ。
「うん、気付いていたわよ。だってあなた、この1ヶ月間、ライアン様を見つめていたと思ったら急に避けたりと、明らかに様子が変だったもの」
「マリアってわかりやすいものね。もしかしてライアン様の誕生日辺りで、自分の気持ちに気が付いたんじゃないの?」
なんと!リリアとミリアナは知っていたの?
「そうよ。あなた達、もしかして超能力者なの?て、ちょっと待って、あなた達にバレているという事は、ライアンにも…」
「それは大丈夫。あの人、マリアと同じくらい鈍いから。逆にマリアに嫌われたのかもって悩んでいたわよ」
「そう…それなら良かったわ」
「何がいいのよ。あなたの露骨な態度、もうちょっと何とかならないの?」
そうは言われても、なんだか変に意識しちゃうのよね。
「とにかく、今まで通り接すればいいのよ。わかった?もう、あなたがライアン様を避けるから、こっちまで気を使っているのよ。本当に恋愛下手なんだから」
そう言ってあきれているリリアとミリアナ。そう言われても、どうしていいのか分からないのだから仕方がない。
結局その日も、ライアンを意識してしまったのだった。
放課後、ライアンを残しさっさと校門を目指す。
その時だった。
「マリア嬢、少しいいかな」
話しかけてきたのは、ヒューゴ様だ。ただでさえライアンの事で頭が一杯なのに、ここに来てヒューゴ様に呼び止められるなんて。でも、さすがに王太子殿下でもあるヒューゴ様を、無下にする事は出来ない。
「はい、何でしょうか?」
「あの…ここでは何だから、ちょっといいかな」
ヒューゴ様に連れられ向かった先は、校舎裏だった。
「マリア嬢、こんなところに連れ出してすまなかった。どうしても君と話しがしたくて…まず僕のせいで、今まで令嬢たちから嫌がらせを受けてしまってすまなかった」
そう言って頭を下げたヒューゴ様。
「殿下、頭を上げて下さい。私は平気ですので」
「ありがとう、君は相変わらず優しいね…僕は君に初めて会った時に、一目ぼれしたんだ。君の事が忘れられなくて、あの日母上に頼んでお茶会に来てもらった。そして、君の飾らない姿や、自分の意思をしっかり持っている姿に心底心を打たれた。君は言ったよね。たった1人の相手と、愛し愛される関係を築きたいって」
そう言うと、私の方を真っすぐ見つめたヒューゴ様。
「僕は王太子の座を、異母兄に譲ろうと思っているんだ」
えっ?この人、何を言っているの?
「殿下、何をおっしゃっているのですか?そんな事、王妃様が許すわけがないでしょう」
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「母上は関係ない。僕はね、家臣に降りて公爵の名を貰おうと思っているんだ。父上には話をしてある。随分と驚かれたが、何度も説得してやっと“マリア嬢がお前と結婚してもいいと言っているなら、公爵にしている”と言ってくれたんだ。だから、どうか僕を選んで欲しい」
そんな…
私の為に、王太子殿下の座を捨てるだなんて…
でも、だからと言ってあの孤独だった6年間を忘れて、ヒューゴ様の元に行きたいとは思わない。それに、私の為に王太子の座を捨てて欲しくないのだ。
「殿下、申し訳ございませんが、あなたとは結婚できません。どうかこのまま、王太子殿下としてお妃候補をお選びになってください。それでは私はこれで失礼いたします」
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