次は絶対に幸せになって見せます!

Karamimi

文字の大きさ
34 / 62

第34話:ヒューゴ様に呼び出されました

ライアンの誕生日パーティーから1ヶ月が過ぎた。あの日自分の気持ちに気が付いて以降、なんだか変にライアンを意識してしまっている自分がいる。

そんな私の気持ちとは裏腹に、いつもの様にちょっかいを出して来るライアン。本当に人の気も知らないで…

ただ自分の気持ちに気が付いて以降、ついライアンを目で追ってしまう。その為、よく目が合うのだ。そのたびに視線を逸らすのだが…

「お前、今俺の事を見ていただろう?なんで目をそらすんだよ」

そう文句を言われてしまうのだ。ヒューゴ様の時は、とにかく自分の気持ちをアピールしなきゃという思いから、大胆に行動できたのに…

「は~」

ついため息をついてしまう。

「マリア、どうしたの?ため息なんてついて。最近元気がない様だし」

心配して話しかけてくれたのは、リリアとミリアナだ。彼女たちなら、悩みを相談しても大丈夫よね。

「あのね…絶対に誰にも言わないでね。実は私…どうやらね…その…ライアンの事が…す…好きみたいなの!」

顔を真っ赤にして叫んだ。

「うん、気付いていたわよ。だってあなた、この1ヶ月間、ライアン様を見つめていたと思ったら急に避けたりと、明らかに様子が変だったもの」

「マリアってわかりやすいものね。もしかしてライアン様の誕生日辺りで、自分の気持ちに気が付いたんじゃないの?」

なんと!リリアとミリアナは知っていたの?

「そうよ。あなた達、もしかして超能力者なの?て、ちょっと待って、あなた達にバレているという事は、ライアンにも…」

「それは大丈夫。あの人、マリアと同じくらい鈍いから。逆にマリアに嫌われたのかもって悩んでいたわよ」

「そう…それなら良かったわ」

「何がいいのよ。あなたの露骨な態度、もうちょっと何とかならないの?」

そうは言われても、なんだか変に意識しちゃうのよね。

「とにかく、今まで通り接すればいいのよ。わかった?もう、あなたがライアン様を避けるから、こっちまで気を使っているのよ。本当に恋愛下手なんだから」

そう言ってあきれているリリアとミリアナ。そう言われても、どうしていいのか分からないのだから仕方がない。

結局その日も、ライアンを意識してしまったのだった。

放課後、ライアンを残しさっさと校門を目指す。

その時だった。

「マリア嬢、少しいいかな」

話しかけてきたのは、ヒューゴ様だ。ただでさえライアンの事で頭が一杯なのに、ここに来てヒューゴ様に呼び止められるなんて。でも、さすがに王太子殿下でもあるヒューゴ様を、無下にする事は出来ない。

「はい、何でしょうか?」

「あの…ここでは何だから、ちょっといいかな」

ヒューゴ様に連れられ向かった先は、校舎裏だった。

「マリア嬢、こんなところに連れ出してすまなかった。どうしても君と話しがしたくて…まず僕のせいで、今まで令嬢たちから嫌がらせを受けてしまってすまなかった」

そう言って頭を下げたヒューゴ様。

「殿下、頭を上げて下さい。私は平気ですので」

「ありがとう、君は相変わらず優しいね…僕は君に初めて会った時に、一目ぼれしたんだ。君の事が忘れられなくて、あの日母上に頼んでお茶会に来てもらった。そして、君の飾らない姿や、自分の意思をしっかり持っている姿に心底心を打たれた。君は言ったよね。たった1人の相手と、愛し愛される関係を築きたいって」

そう言うと、私の方を真っすぐ見つめたヒューゴ様。

「僕は王太子の座を、異母兄に譲ろうと思っているんだ」

えっ?この人、何を言っているの?

「殿下、何をおっしゃっているのですか?そんな事、王妃様が許すわけがないでしょう」

自分の息子を国王にする事だけを夢見て、生きて来た様な人だ。きっとそんな事は、王妃様が許すはずがない。

「母上は関係ない。僕はね、家臣に降りて公爵の名を貰おうと思っているんだ。父上には話をしてある。随分と驚かれたが、何度も説得してやっと“マリア嬢がお前と結婚してもいいと言っているなら、公爵にしている”と言ってくれたんだ。だから、どうか僕を選んで欲しい」

そんな…
私の為に、王太子殿下の座を捨てるだなんて…

でも、だからと言ってあの孤独だった6年間を忘れて、ヒューゴ様の元に行きたいとは思わない。それに、私の為に王太子の座を捨てて欲しくないのだ。

「殿下、申し訳ございませんが、あなたとは結婚できません。どうかこのまま、王太子殿下としてお妃候補をお選びになってください。それでは私はこれで失礼いたします」

ダメだ、涙がまた溢れそうになる。

必死に涙を堪え、ヒューゴ様に頭を下げるとその場を急いで立ち去った。

あなたにおすすめの小説

いつも隣にいる

はなおくら
恋愛
心の感情を出すのが苦手なリチアには、婚約者がいた。婚約者には幼馴染がおり常にリチアの婚約者の後を追う幼馴染の姿を見ても羨ましいとは思えなかった。しかし次第に婚約者の気持ちを聞くうちに変わる自分がいたのだった。

その結婚は、白紙にしましょう

香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。 彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。 念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。 浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」 身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。 けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。 「分かりました。その提案を、受け入れ──」 全然受け入れられませんけど!? 形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。 武骨で不器用な王国騎士団長。 二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。

すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…

アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。 婚約者には役目がある。 例え、私との時間が取れなくても、 例え、一人で夜会に行く事になっても、 例え、貴方が彼女を愛していても、 私は貴方を愛してる。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 女性視点、男性視点があります。  ❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。

大好きなあなたを忘れる方法

山田ランチ
恋愛
あらすじ  王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。  魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。 登場人物 ・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。 ・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。 ・イーライ 学園の園芸員。 クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。 ・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。 ・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。 ・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。 ・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。 ・マイロ 17歳、メリベルの友人。 魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。 魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。 ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。

るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」  色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。  ……ほんとに屑だわ。 結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。 彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。 彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。

どうかこの偽りがいつまでも続きますように…

矢野りと
恋愛
ある日突然『魅了』の罪で捕らえられてしまった。でも誤解はすぐに解けるはずと思っていた、だって私は魅了なんて使っていないのだから…。 それなのに真実は闇に葬り去られ、残ったのは周囲からの冷たい眼差しだけ。 もう誰も私を信じてはくれない。 昨日までは『絶対に君を信じている』と言っていた婚約者さえも憎悪を向けてくる。 まるで人が変わったかのように…。 *設定はゆるいです。

【完結】この胸が痛むのは

Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」 彼がそう言ったので。 私は縁組をお受けすることにしました。 そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。 亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。 殿下と出会ったのは私が先でしたのに。 幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです…… 姉が亡くなって7年。 政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが 『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。 亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……  ***** サイドストーリー 『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。 こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。 読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです * 他サイトで公開しています。 どうぞよろしくお願い致します。

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。