死二桜

 そこにあるはずのない桜の木が見える。

 学校の裏山に一本の桜の花が咲いている。

 巨大な幹に大きな枝を広げて、お伽噺の中の桜のような神々しさだ。

 しかし、僕以外には桜の木は見えないようだ。

 僕は昔から人には見えないものが見えてしまう体質である。
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