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2戦目-F、4月、夏目一馬編
戦術ランクFのブルーフィールドは楽勝
しおりを挟む葵は滑空型バトルスーツを使った。
水色のワンピースが瞬時に身体に張り付いたピチピチの青色のバトルスーツになる。
ブーツもグローブも付いてる。
ボディーラインが露骨に出てるのが気になるお年頃だったが、耐久値75なら羞恥プレイを我慢してもお釣りがくる。何せ、レイガン-A56・レクイエムは威力6だ。12発被弾してもまだ無傷という事なのだから。
自家用車のドアから外に出た葵を見た一馬が目敏く、
「? それーー本当に試作型のバトルスーツか? どこか違うように見えるが」
「滑空型よ。正式名称は滑空型バトルスーツ-20バッドレディー」
「どうしてそんなモノを持ってるんだ?」
「武器庫の選択項目の中に出たのよ」
「詳しく聞かせろ」
「待って。その前にカウントが」
視界の端のブルーフィールドのカウントを見る。
まさかの残り6分だった。
「戦術ランクがFだからな」
「なら、さっさと倒しましょう。ナノマシンの成長LVを上げておきたいから。そうだ、ポイントを70以上使ったから倒れたらお願いね」
「どうしてそんなに使ったんだ?」
「仕方ないでしょ、ガンファイト・射程補正が40まで1ポイントで上がったんだから」
「はあ? そんな事ある訳が・・・まさか、他にも」
「残り6分なんだから説明は後よ。先にさっさと倒しましょう」
そう言って葵はレイガン-A56・レクイエムβを出して強化スコープ-αを装着した訳だが、
レイガン-A56・レクイエムβ。射程強化型。
強化スコープ-αを装着。
威力8(補正+1)、NE消費1(補正-1)、絶対射程30メートルMax(補正22メートル)、最大射程30メートルMax(補正+5メートル)。発射数2。
ガンファイト・射程補正40のお陰で凄い事になっていた。
狙わなくても命中するのだから無双である。
そもそも戦術ランクFのブルーフィールドだ。
フィールド全体のサイズも小さく、敵機の数もムシd-3が4機。
ボスが2メートルサイズのドラム缶型の、
正式呼称、中型ボックス・砲台-02。
耐久値60。
おっと、今更だがブルーフィールド内に居る人類側の戦闘員は葵と一馬の2人だけだ。
「全部やるよ」
一馬が興味を示さずにそう言ったので、葵は砲台の有効射程外の30メートル先からハンドガンを連射して簡単に撃破した。
『フィールドボス撃破に伴い、ブルーフィールドが解除されます』
そのアナウンスでブルーのフィルターの掛かった世界は元の世界に戻り始め、本当に地点の選択項目が出た。
制限時間はまさかの3秒。
「ちょ」
慌ててバトルスーツの着用場所を選択すると本当にその場所に移動して、葵はワンピース姿に戻ったのだった。
さすがはボス。例え雑魚でも経験値はあるらしい。
レベルが1に上がって7になっていた。
【戦術ランクF、フィールドパーフェクト】ボーナス、NE全容量+10、ナノマシンの成長ポイント、10ポイント、武器庫スペース+1、アイテムを1つ選択出来ます(制限時間5分)。
出てきた選択アイテムは、
レイ手榴弾-タイガー。
試作型バトルスーツ-00ブルーレディー。
NEタンク50。
レイアックス-ブラディームーン。
レイブレード-アサシン。
ブルーフィールド途中参戦パスポート。
武器庫17の時と一緒だった。
「あら、結構いいじゃないの」
「どこがだ? 戦術ランクFはパーフェクトでも武器庫17の時の選択だろうが?」
「ええ、だからブルーフィールド途中参戦パスポートも出てるし。NE全容量も+10で武器庫スペースも+1だから」
「何だと? どういう事だ、いい加減詳しく話せ」
「ちょ、顔が近いわよ」
葵の指摘で一馬は顔を離した。
「それとアイテムの選択時間が5分間だからそっちの説明は後ね。先にこっちの質問に答えて。ブルーフィールド途中参加パスポートって使えるの?」
「使い捨てだが凄くな」
「レイブレード-アサシンはどんなの」
「それも選択に出てるのか?」
「ええ」
「使ってる奴を見た事があるな。レイシールドを馬鹿みたいに展開するロボもいる。それ専用の武器だ」
「へ~」
説明を聞いて葵は一瞬迷ったが結局はレイアックス-ブラディームーン(2個目)を選んだのだが、武器庫のスペースがたった今11個になったので11個目に入れる。
同じのが2個。これって合わせられないのかしら?
葵がアイテムをスライドさせると、さすがは近未来。
『レイアックス-ブラディームーン2個を融合しますか』
画面から質問された。
当然、許可するとレイアックス-ブラディームーン2個が消えて、
レイダブルアックス-デスムーン。近接武器。
威力53、レイシールド貫通、NE消費、1分間で6。
必要ナノマシン数値、肉体強化12。
武器が新しくなった。
ポイント8を使って肉体強化を12まで上げる。
総てを終えたところで、
「さあ、聞かせろ。全部」
「そんな真剣にならなくても」
そう呆れながらも体験した総てを葵は最初から順を追って説明した。
「武器庫11の時点で既に3つ以上の選択肢が。選択項目のレイショットガンの上位互換の武器を【ルーキーレコード】のボーナスアイテムで所持していたから? そして武器庫17では選択出来るバトルスーツの上位互換を既に持っててーーなるほど。そして40まで1ポイントで上げられたガンファイト・射程補正と10まで1ポイントで上げられた知覚強化、NE回復強化か。おまえ、武器庫の方は言ってもいいが、ナノマシンの成長の方は他言するなよ。多分、こっちは特殊なケースだ。それでFのパーフェクトのボーナスは何だって?」
「・・・」
「おい、さっさと教えろ。聞いてるのか?」
問うも葵からの返事はない。眠っており一馬の方に凭れ掛かってくる始末だ。
「どうして会話の最中に寝れるんだ?」
邪険に押し返そうと一馬はワンピース越しに肩に触れて葵の身体から熱を感じた。
「ナノマシンの急激な成長による後遺症がもう?」
一馬は溜め息をつきながら運転手の玉置に命令したのだった。
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