おっさんよ、大志を抱け ―人生最後の片想い―
吹けば飛ぶような広告制作プロダクションで、名ばかりの営業部長として働く青山浩は、定年間近の五十八歳。五十過ぎに熟年離婚を経験し、息も絶えだえ、傷ついた心を慰めながら、なんとか生き延びていた。
そんな青山の前に現れて、心の灯りをともしてくれたのが、経理のピンチヒッターとして中途入社を果たした浅野來未(くみ)なる女性だった。來未自身、青山の初恋の女性に似ており、「いずれは再婚を」と望んでいるシングルマザーだったが、定年を前に社長から「六十歳以降も当社で働き続けたいのであれば、業務委託でお願いしますよ」と宣告されたばかりの青山にとって、來未は高嶺の花でしかなかった。
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2021/05/29 公開
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