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「アリア嬢、これからお茶会に行く準備をしてきてくれないか」

「・・・お茶会なら、許しましょう」

私はナナと自室へ入る。

特段準備はないが、一応鏡を見るだけでも。

それにしても、いつの間にかアリア嬢なんて呼ぶし、いつもは私が悪役っぽく言えば面倒くさそうにしていたはずなのに、今はそうでもないらしい。

・・・やっぱり、あれが原因か。

なぜなら、殿下の王座へ上る近道を作ったのだから。はあ。

まあでも、お茶会に何度か行けば、殿下はヒロインさんを見て、なにか反応をしてくれるはずだから、その時に動き出せばいい。

逆転チャンスはまだある。

「お嬢様、行きましょう」

「わかったわ」

私たちは部屋から出て殿下たちと馬車に乗り、会場へ向かった。


「これは久しぶり。アリア様」

「お久しぶりですわ、ロイ様」

「・・・ところで、殿下とは回復した?」

私はツン、と背を向ける。

「あなたには関係がありませんので。それでは失礼いたします」

いつか私、ツンツン令嬢って噂が流れるかもしれない。

そう思って飾られたダイニングへ足を運んだ。
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