隣の国の脱走皇子と食堂の息子

レン、今日も皇子を探す

タタタタタ……一人の青年が今日も城の渡り廊下を走り…ドタッ
ズザーーーッ……顔面から見事に転けたのである
「ハァ、ハァ、ハァ顔痛い……毎日、毎日、俺一人で何やってんだよ…惨めになって来た……」
レンは廊下の真ん中で座り込み落ち込んでいるとグレイ皇子の護衛騎士が駆け寄ってきた
「大丈夫ですか、レンさん鼻が真っ赤です。早く冷やさないと駄目ですよ」
「……ジークさん…俺皇子の仕事を辞めて、城を出たいです…」
「！！レンさん貴方の気持ちは、分かります私も皇子を追いかけ、探し周り、後処理に追い回された者ですから、しかし城を出るには皇子の証明書が必要に成ります。そして、貴方が城を出ると成れば貴方と一緒に城に来ましたお二人方が淋しがります。」
「……ジョルジュさんとヘンリーさんはこの城に来てから話してもいないし、会ってもいないし、遠くで俺が皇子を走り探してる時に二人共仕事場の皆と楽しくしているのを見掛けましたから俺が居なくても大丈夫ですよ」
レンは更に落ち込み、城を出たいと思い始めていた。
「レ、レンさん貴方が城を出ましたら私が困っ……」
ジークは話の途中口を塞ぎ何とかレンを城にとどめておきたかった…今まで皇子を追いかけ探していたジーク……レンが来てくれたお陰で貯まっていた仕事も片付ける事が出来たそれに何故かグレイ皇子はレンを気に入っている様子もしレンが居なくなれば皇子がまた城を抜け出しレンを探すことだろう
「……レンさん今日は私も一緒に皇子を探しますだから城を出るとは言わないで下さい、それとジョルジュさんとヘンリーさんにもお時間がある時にレンさんに会いに来るように伝えておきますだから仕事を辞めると言わないで下さい！」
ずずずいっとジークから何故か涙声で頼まれジークが一緒に皇子を探して暮れるなら良いかとレンは今は城を出る事は後から考えようと涙声で説得するジークを暫く眺めていた