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頼りになる王子

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俺(ウィル)は今、ザック兄に抱っこされながら、ウィルの部屋から初めて出ました。
もちろん、抱っこは、お姫様抱っこです…ウィルだからいいんです!外見が俺(春人)でお姫様抱っこは…考えただけでも落ち込みます……。
ザック兄に抱っこして貰っているから、景色が高い
お城の廊下でしょうか、天上が高くて、所々絵みたいな物が描いてある……どうやって描いたんだ?
俺(ウィル)が、天上をじーと、見ていたのに気付いて、ザック兄が話しかけた
「ウィル、廊下の天上が気になるのか?」
「はい、ザック兄様、凄いですね……あの絵をどうやって描かれたのですか?ザック兄様は、知ってますか?」
俺(ウィル)が言うと、ザック兄が答えた。
「…実は……あの絵だが……」
「はい…」
?ザック兄が黙ったままで、パッと俺(ウィル)の顔を見て、ニカッ、と笑った
「実は、俺も知らん」
「は?」
俺(ウィル)は、呆れた顔で、ザック兄を見た
「ガハハハ、ウィル、楽になったか?」
「え?」
ニカッと、ザック兄が笑った。
「部屋を出る前から、少し元気無さそうだったからな……」
フッ…と、ザック兄が心配そうな顔で俺(ウィル)を見ていた…。
ザック兄あんた、良い人だよ~!俺(ウィル)が肩の荷が下りたような感じで、いっの間にか、涙がポロポロ流れた……
!?ザック兄が驚いて歩く脚を止めた…。
「…あれ?なんで…泣いて……グスッ、グスッ、ザック兄……」
ぎゅ~~っとザック兄が俺(ウィル)を抱っこしたまま、ザック兄の、胸元で俺(ウィル)は、泣いていた
メイドのマリアが、珍しくオロオロして、医師じぃさんは、「若いっていいの~ほっ、ほっ、ほっ、」と、言っていた。

本当は、真剣で試合してほしくない、俺(ウィル)が、ニックの護衛を、断ればいいんだ!そうすれば、シェル王子と闘わなくて良い…
シェル王子に言おうと、俺(ウィル)が、泣き疲れて、ボーと、していたら、ザック兄がボソッと話した。


「ウィルを泣かしているのは、シェル兄か?」
「え?」
いきなりの、ザック兄の言葉で固まった……


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