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第三章
魚海町シーサイド商店街(5)
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商店街は海沿いにあって、たまに潮風が吹いたり磯の香りが気持ちいい。
「ここから行くと三〇分くらいかかるかな?」
「ねぇ! 商店街に行くなら、やっぱりシーサイドバーガーが食べたくなるよね?」
シーサイド商店街を目指すときまったとたん、マルコが生き生きとしはじめた。
獅子丘町の上り坂を、今にも死にそうな顔つきでよろよろと歩いていた人物と、とても同じ人物とは思えない。
バーガーを食べようと繰り返すマルコに、ジョージがぶるった声を出して言った。
「……いや! 俺たちだけでバーガー食ってるところを、万が一紅葉に見つかったらと思うと、とても飲み込めそうもないぜ……」
「大丈夫だよジョージ君! 飲み込めないなら一緒にドリンクも頼めばいいんだよ!」
「あっ!? そうか! 頭いいな! おまえ!!」
小学校の脇を通り抜けて大通りまで出ると、そこは魚海港通りだ。町の主要道路の一つで、一直線に魚海港までつながっている。
休日になると沢山の車と人で溢れるこの通りも、平日はそれほど混んでいない。僕たちはその道をまっすぐ港へ向かった。
大きな交差点に差しかかり赤信号で立ち止まると、目の前をイエローバスが横切るのを見てミチルが口を開いた。
「そういえば、授業中に見たあのバスの事故は、どうなったのかな?」
「街路樹にぶつかってたみたいだったよ。ケガ人が出てなければいいけど……」
交差点を超えて進んでいくと、魚海町シーサイド商店街が目の前に現れる。
「やったー! ついたよ」
マルコの歩くスピードが速くなる。
商店街は平日でもそれなりに混み合っている。通り沿いの両端には、ピンクと白の縞々の提灯がぶら下げられていた。
「やっぱりここで間違いなさそうだね」
「問題は、この写真をどこで撮ったのかよね……」
写真と風景を照らし合わせながら商店街を進む。写真の背景はピントがブレていて、具体的にどの場所で撮ったのかまではわからなかった。
「あんまり良いカメラで撮ったんじゃないのかな?」ミチルがいう。
気づくと、さっきまですぐ後ろを歩いていたはずのジョージとマルコがいない。
「ちょっと待ってミチル、ジョージとマルコがいないんだ!」
呼び止めると、ミチルは振り返り、ニコッと笑って、そんなことは気にも留めないという風にまた商店街を進んでいく。
「ねえ!? ミチル!?」
僕の声も虚しく、ミチルは人混みの中へと消えていった。
「ここから行くと三〇分くらいかかるかな?」
「ねぇ! 商店街に行くなら、やっぱりシーサイドバーガーが食べたくなるよね?」
シーサイド商店街を目指すときまったとたん、マルコが生き生きとしはじめた。
獅子丘町の上り坂を、今にも死にそうな顔つきでよろよろと歩いていた人物と、とても同じ人物とは思えない。
バーガーを食べようと繰り返すマルコに、ジョージがぶるった声を出して言った。
「……いや! 俺たちだけでバーガー食ってるところを、万が一紅葉に見つかったらと思うと、とても飲み込めそうもないぜ……」
「大丈夫だよジョージ君! 飲み込めないなら一緒にドリンクも頼めばいいんだよ!」
「あっ!? そうか! 頭いいな! おまえ!!」
小学校の脇を通り抜けて大通りまで出ると、そこは魚海港通りだ。町の主要道路の一つで、一直線に魚海港までつながっている。
休日になると沢山の車と人で溢れるこの通りも、平日はそれほど混んでいない。僕たちはその道をまっすぐ港へ向かった。
大きな交差点に差しかかり赤信号で立ち止まると、目の前をイエローバスが横切るのを見てミチルが口を開いた。
「そういえば、授業中に見たあのバスの事故は、どうなったのかな?」
「街路樹にぶつかってたみたいだったよ。ケガ人が出てなければいいけど……」
交差点を超えて進んでいくと、魚海町シーサイド商店街が目の前に現れる。
「やったー! ついたよ」
マルコの歩くスピードが速くなる。
商店街は平日でもそれなりに混み合っている。通り沿いの両端には、ピンクと白の縞々の提灯がぶら下げられていた。
「やっぱりここで間違いなさそうだね」
「問題は、この写真をどこで撮ったのかよね……」
写真と風景を照らし合わせながら商店街を進む。写真の背景はピントがブレていて、具体的にどの場所で撮ったのかまではわからなかった。
「あんまり良いカメラで撮ったんじゃないのかな?」ミチルがいう。
気づくと、さっきまですぐ後ろを歩いていたはずのジョージとマルコがいない。
「ちょっと待ってミチル、ジョージとマルコがいないんだ!」
呼び止めると、ミチルは振り返り、ニコッと笑って、そんなことは気にも留めないという風にまた商店街を進んでいく。
「ねえ!? ミチル!?」
僕の声も虚しく、ミチルは人混みの中へと消えていった。
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