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第四章
黒野時計堂(1)
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白髪頭で、伸びっぱなしの無精ひげ。ニッコリと笑うしわくちゃの顔は優しそうだ。
「ここはどこですか? 僕たち白猫を追いかけてたらいつの間にかここに来てしまって」
「立ち話は、老人の私には堪えるよ。中でゆっくり話をしよう。さあ、みんな入って」
お爺さんはニコニコ顔でそう言うと、白猫をつれてお店の中へと入っていった。
「ちょっと! あのお爺さん普通じゃないわよ!? あたしは絶対行かないからね!」
紅葉が店に入るのを拒むと、ミチルが言った。
「きっと大丈夫よ。なぜだかわからないけど、悪い印象は受けないわ」
「でもよ、どっちみち入るしかないんじゃないか? ここでどれだけ眺めてても、俺たちにはクレイジーな店の入口の他には、なんにもねえんだから」
そう言うと、ジョージはさっさと入っていった。
「あいつったら! なんて協調性のないやつなのよ!」
紅葉は怒って声を荒げる。
でも確かにここで立ち尽くしていても、何の解決にもならない。もしここから出る方法があるなら、きっとその方法を知ってるのはあのお爺さんだと思うからだ。
「大丈夫? 紅葉ちゃん、行きたくないならボクも一緒に待っててあげるよ」
怖がりのマルコに心配されて、プライドが傷ついたのか、紅葉は、
「別に怖いわけじゃないわよ!」
と声を荒げると、マルコの手を振り払って中へと入っていった。
僕たちは揃って肩をすくめると、笑いを堪えて紅葉の後を追うように店へと入った。
「ここはどこですか? 僕たち白猫を追いかけてたらいつの間にかここに来てしまって」
「立ち話は、老人の私には堪えるよ。中でゆっくり話をしよう。さあ、みんな入って」
お爺さんはニコニコ顔でそう言うと、白猫をつれてお店の中へと入っていった。
「ちょっと! あのお爺さん普通じゃないわよ!? あたしは絶対行かないからね!」
紅葉が店に入るのを拒むと、ミチルが言った。
「きっと大丈夫よ。なぜだかわからないけど、悪い印象は受けないわ」
「でもよ、どっちみち入るしかないんじゃないか? ここでどれだけ眺めてても、俺たちにはクレイジーな店の入口の他には、なんにもねえんだから」
そう言うと、ジョージはさっさと入っていった。
「あいつったら! なんて協調性のないやつなのよ!」
紅葉は怒って声を荒げる。
でも確かにここで立ち尽くしていても、何の解決にもならない。もしここから出る方法があるなら、きっとその方法を知ってるのはあのお爺さんだと思うからだ。
「大丈夫? 紅葉ちゃん、行きたくないならボクも一緒に待っててあげるよ」
怖がりのマルコに心配されて、プライドが傷ついたのか、紅葉は、
「別に怖いわけじゃないわよ!」
と声を荒げると、マルコの手を振り払って中へと入っていった。
僕たちは揃って肩をすくめると、笑いを堪えて紅葉の後を追うように店へと入った。
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