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第八章
作戦開始! サイレンを挟み撃て!(1)
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ペダルを漕ぐ僕の足取りは、自分でも驚くほど力強いものだった。通信で聞いたみんなの声が僕を後押しする。
だけど結局、途中の道では猫一匹すら見つけられなかったんだ。
コスモ小に着いたのは十時三〇分を過ぎたあたり。
途中ずっとスカーフェイスを警戒していたせいか、ずいぶんと時間がかかってしまった。なんの進展もないまま自転車を止め、息を整えると、腕時計に向かってコスモ小に到着したことを伝える。
「こちら千斗、所定の位置に着いたよ」
僕が落胆をかくしてそう言うと、その呼びかけに、みんなは別人のように集中した様子で、静かに「了解」と声を揃えた。
絶対にスカーフェイスを止めないと!
頭の中はそれだけだった。どうすればスカーフェイスを見つけられるんだろう。どうすればうまく追いかけられるのか。
そんなことばかりが、うずまいている。
でも、自分でも十分にわかっていた。僕たちの目的は、スカーフェイスを捕まえることなんだ。見つけるだけじゃなにも解決しない。こうやって、一生懸命みんなでスカーフェイスを探しているけど、これはあくまでも、捕まえるための準備でしかないってこと。
言いかえるなら、これは料理の下準備みたいなものだ。オムレツを焼くために、フライパンを温めておいたり、卵を割って、溶いておいたりしておくようなこと。段取りよく、失敗しないオムレツを焼くためにね。
もちろん、この作戦が完璧かと言われたら、答えはNOだ。スカーフェイスが、どんな行動をとるのかもわかっていないし、スカーフェイスは時計の針のように右回りで移動してるっていう僕の仮説も、たまたま昨日がそうだっただけで、今日は違うかもしれない。
でも、僕の予想が外れたとしても、この作戦なら徐々にスカーフェイスを追いつめていけると僕は信じてる。結局のところ、僕たちはあれこれと予想したり、作戦を立てたりして、最後の最後には自分や、そして仲間を信じるしかないんだ。精一杯、ベストを尽くせるように。
だけど結局、途中の道では猫一匹すら見つけられなかったんだ。
コスモ小に着いたのは十時三〇分を過ぎたあたり。
途中ずっとスカーフェイスを警戒していたせいか、ずいぶんと時間がかかってしまった。なんの進展もないまま自転車を止め、息を整えると、腕時計に向かってコスモ小に到着したことを伝える。
「こちら千斗、所定の位置に着いたよ」
僕が落胆をかくしてそう言うと、その呼びかけに、みんなは別人のように集中した様子で、静かに「了解」と声を揃えた。
絶対にスカーフェイスを止めないと!
頭の中はそれだけだった。どうすればスカーフェイスを見つけられるんだろう。どうすればうまく追いかけられるのか。
そんなことばかりが、うずまいている。
でも、自分でも十分にわかっていた。僕たちの目的は、スカーフェイスを捕まえることなんだ。見つけるだけじゃなにも解決しない。こうやって、一生懸命みんなでスカーフェイスを探しているけど、これはあくまでも、捕まえるための準備でしかないってこと。
言いかえるなら、これは料理の下準備みたいなものだ。オムレツを焼くために、フライパンを温めておいたり、卵を割って、溶いておいたりしておくようなこと。段取りよく、失敗しないオムレツを焼くためにね。
もちろん、この作戦が完璧かと言われたら、答えはNOだ。スカーフェイスが、どんな行動をとるのかもわかっていないし、スカーフェイスは時計の針のように右回りで移動してるっていう僕の仮説も、たまたま昨日がそうだっただけで、今日は違うかもしれない。
でも、僕の予想が外れたとしても、この作戦なら徐々にスカーフェイスを追いつめていけると僕は信じてる。結局のところ、僕たちはあれこれと予想したり、作戦を立てたりして、最後の最後には自分や、そして仲間を信じるしかないんだ。精一杯、ベストを尽くせるように。
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